しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号 Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp 投資環境 2016 年 7 月 8 日 複合的な円安抑制 ▣ ドル円の戻りが鈍い理由 英国の国民投票で予想外の欧州連合(EU)離脱となったことを受け、逃避需要から円が買われ、ドル円は 6 月 24 日には一時 100 円を割り込み、99 円程度まで下落しました。その後、過度な英国不安が後退し、投 資家心理がやや改善したことから、7 月 1 日には 103 円前半まで戻したものの、再び 100 円台に下落するな ど、急落後の戻りが鈍く、国内株の重しになっています(図表 1) 。 主な理由としては、 米国の早期利上げ観測が、5 月の雇用統計の低迷や、英国のEU離脱選択を受けた先行き不透明感から、 大きく後退していること EU離脱は前例がないため、先行き不安から投資家心理が悪化しやすくなっており、逃避通貨として 円が選好されやすいこと などが挙げられます。これらに加え、 イングランド銀行(中央銀行、BOE)は 8 月にも利下げに踏み切る可能性を示唆していること、欧 州中央銀行(ECB)の追加緩和観測も浮上していること 米国、英国、ドイツ、日本の長期金利は軒並み過去最低を更新しているものの、米国に比べ日本の長 期金利の低下余地は限定的であり、日本の実質金利(名目金利-インフレ率)は上昇傾向にあること 経常黒字が続く中、貿易収支も持ち直しており、ドル売り・円買いに需給が傾いていること 日本や欧州債に比べ利回りが高い米国債が選好されやすく、米国債利回りが上昇しにくくなっており、 ドル高を抑制すること BOEのカーニー総裁が、ポンド安を前向きに評価していることから、ポンド売りが優勢でドルや円 が買われるものの、相対的には逃避先として円が選好される可能性があること 日銀の追加緩和への期待は根強いものの、1 月末のマイナス金利導入で円安に振れたのは一時的で、す ぐにドル安・円高に転じたことから、追加緩和の円安効果への期待が弱まっている可能性があること 株安が逃避通貨としての円買いを誘因すると言った、株安と円高が連鎖する傾向があること 米金融当局が、米国内の製造業の低迷からドル高を警戒していること などが、円の下落(ドル円の上昇)を抑制している模様です。 24,000 図表1. 国内株、ドル円推移 (円) (円) 22,000 130 120 20,000 110 18,000 16,000 100 14,000 90 12,000 80 10,000 日経平均株価(左目盛) ドル円(右目盛) 16/1 15/1 14/1 13/1 12/1 11/1 10/1 09/1 08/1 60 07/1 6,000 06/1 70 05/1 8,000 (年/月、日次) (出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成 ※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。 Shinkin Asset Management Co., Ltd 1 投資環境 2016 年 7 月 8 日 しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号 Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp ▣ 円が選好される理由 また、円が逃避先として選好される理由としては、 時間や市場の場所を問わず危機にあっても迅速に低コストで取引できること 日本は世界一の債権国であることや経常黒字が続いていることから、潜在的な円買い需要が強いこと に加え、他国に資金を依存している経常赤字国の通貨に比べ安全だとみなされていること ドルも逃避通貨であるものの、リーマンショック時には危機が米国発だったこともあり、ドルより円 が選好される傾向が続いていること リスクオン(選好)の局面では、円などの低金利通貨を売り、高金利通貨を買う動きが強まる(円キ ャリー取引)が、現在のようなリスクオフ(回避)の局面ではこの動きが止まる、もしくは逆の動き になること などが挙げられます。 ▣ 日銀の追加緩和への期待は残る 英国については、次期首相を決める与党・保守党の党首選で、EU残留派だったメイ内相、離脱派のレッド サム・エネルギー閣外相の、女性候補2人の決選投票進出が決まった段階。英国とEUとの交渉はまだまだ先 の話であり、EU離脱の英国情勢や世界経済への影響について確認できるのはもう少し時間がかかる見込みで す。 今後、各国が協調した財政出動などで景気テコ入れを図る、米国の利上げ観測が強まると、円高地会いに歯 止めがかかることが想定されます。米国の利上げについては、英国の国民投票以降、市場では年内利上げなし の見方が大勢。7 月の利上げはなさそうですが、雇用統計など経済指標が上向くと、利上げ観測が大きく後退 しているだけに、ドル円が上ぶれする可能性があります。逆に、米労働市場の回復鈍化が鮮明になると、英国 情勢や中国経済の減速懸念なども手伝い、円が強含むことになりそうです。 ただ、月末には日銀金融政策決定会合が予定されています。後退しているとはいえ、追加緩和や緩和を受け た円安への期待はくすぶります。ドル円はしばらく、英国情勢や米経済指標を確認しながら、神経質な動きが 続きそうです。 (参考)主要国の対外純資産 (参考)今年12月の米政策金利予想確率 2015年末 (兆円) 100% 600 90% 400 80% 200 70% 50% -200 年内利上げ2回 40% -400 年内利上げ3回 30% -600 7月7日 年内利上げ1回 60% 0 5月31日 年内利上げなし 20% -800 10% (出所)財務省の資料を基に、しんき ん投信 作成 米国 イタリア フランス 英国 ロシア カナダ ノルウェー 香港 中国 ドイツ 日本 -1,000 0% 0.25-0.5 0.5-0.75 0.75-1 1-1.25 (注)FF(フェデラル・ファン ド)金 利先物レ ートが織り 込む予想確 率 1.25-1.5 (%、政策金利水準) (出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成 (シニアストラテジスト ※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。 鈴木和仁) Shinkin Asset Management Co., Ltd 2 投資環境 2016 年 7 月 8 日 しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号 Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp <本資料に関してご留意していただきたい事項> ※本資料は、ご投資家の皆様に投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント 投信株式会社が作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。 ※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するも のではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではあ りません。 ※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。 記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。 ※投資信託は、預金や保険契約とは異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の補償の対象ではありません。 また、金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。 ※投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替リスクもあります)に投資しますので、基準価額 は変動します。したがって、預金と異なり投資元本が保証されているものではありません。運用による損益は すべて投資者の皆様に帰属します。 ※特定ファンドの取得のお申込みに当たっては、販売会社より当該ファンドの投資信託説明書(交付目論見書) をあらかじめ又は同時にお渡しいたしますので、必ず内容をご確認の上、ご自身でご判断ください。また、請 求目論見書については、販売会社にご請求いただければ、当該販売会社を通じて交付いたします。 【お申込みに際しての留意事項】 投資信託に係るリスクについて 投資信託は、株式や債券等の値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替リスクもあります) に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、預金と異なり投資元本が保証されてい るものではありません。運用による損益はすべて投資者の皆様に帰属します。 また、投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対 象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては交付目論 見書や契約締結前交付書面をよくご覧ください。 投資信託に係る費用について (お客様に直接ご負担いただく費用) ご購入時の費用・・・購入時手数料 上限 3.24%(税抜 3.0%) ご換金時の費用・・・信託財産留保額 上限 0.3% (保有期間中に間接的にご負担いただく費用) 運用管理費用(信託報酬) ・・・純資産総額に対して、上限年率 1.5984%(税抜年率 1.48%) その他の費用・・・監査費用、信託財産に関する租税、信託事務の処理に要する諸費用、有 価証券売買時の売買手数料等及び外貨建資産の保管等に要する費用は、ファンドより実費と して間接的にご負担いただきます。また、運用状況等により変動するものであり、事前に料 率、上限額等を示すことができません。 投資信託に係る上記費用(手数料等)の合計額については、ご投資家の皆様がファンドを保有 される期間等に応じて異なりますので、表示することができません。 《ご注意》 上記に記載しているリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費 用の料率につきましては、しんきんアセットマネジメント投信が運用する全ての投資信託のう ち、ご負担いただくそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。投資信託に係るリ スクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資される際には、事前に交付目 論見書や契約締結前書面をよくお読みください。 ※「日経平均株価」 (日経平均)に関する著作権、知的所有権その他一切の権利は日本経済新聞社に帰属します。 日本経済新聞社は日経平均株価を継続的に公表する義務を負うものではなく、その誤謬、遅延又は中断に関 して責任を負いません。 ※東証株価指数(TOPIX)は、東京証券取引所の知的財産であり、この指数の算出、数値の公表、利用など株 価指数に関するすべての権利は東京証券取引所が有しています。東京証券取引所は、TOPIX の算出若しくは 公表の方法の変更、TOPIX の算出若しくは公表の停止又は TOPIX の商標の変更若しくは使用の停止を行う 権利を有しています。 ※東証 REIT 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