その壱:3 つの力で性格占い 佐藤眞紀子 人間は授精の瞬間に、プラクリティと呼 ばれる体質や気質が決定されてしまい、そ れは一生変わらないのです。 その特徴は、目や髪の毛、爪や皮膚など にあらわれるので、周囲の人たちのプラク リティが読めれば、その人とつきあってい くのが楽になりますから、ストレスも減り ます。 また、自分のプラクリティを知れば、仕 事の向き不向きや才能の活かし方がわかり ますし、どんな食事をすれば健康になれる のかも、見えてくるのです。 プラクリティは、体内にある3つの力の 組み合わせで表現されます。 ▼ 自然を動かす3つの力 古代インド人は、大自然を観察して、そ のすべてが3つの力によって動いているこ とを見抜きました。 の力で、雲は雨を降らして地表に冷たさを もたらします。つまり水の力ですね。そし て、この雲を動かすのは風の力です。風に よって熱は運ばれて雲を生むわけで、風の 力はいろいろなものを運び、変化させる働 きをします。 人の身体は小宇宙ですから、大宇宙にあ るものは、すべて身体のなかにもあります。 太陽のように体温を上げ、熱を生む力のこ と を ピ ッ タ、 水 の よ う に 身 体 を う る お し、 滋養してくれる冷たい力をカパ、そしてこ れらを運び、変化を生む風のような力のこ とをヴァータと言います。 これら3つはお互いにバランスをとりな がら、身体のなかで、さまざまな機能を担 当しています。 たとえば、ピッタは火のように燃やす働 きをするので、食べたものを消化して、力 を生みだす仕事をしています。また、心に も勇気や熱を与えますが、多すぎると怒り を生みます。 32 33 心も動きやすいので、すぐに気が変わっ て不安定なため、熱しやすく冷めやすい性 格です。しかし、ひらめきにも富んでいる ため、芸術家や独創的なアイデアが必要な 仕事に向いています。 http://www.satvik.jp/ E-mail:[email protected] それはまず、太陽の力、つまり熱を与え る火の力です。しかし、それを遮るのが雲 りやすくなります。 また、知的にもいろいろ集めてしまうので、 記憶力はよくなりますが、集めるのが好きな ので、ものを捨てることができません。 水には滑らかさや柔らかさもあるので、 身体や心も柔らかく、おだやかな性格です。 しかし、結合する力は重さも生んでしまう ため、動作や反応がゆっくりしています。 人 は 誰 で も、 こ の ヴ ァ ー タ( 風 ) ・ピッ タ(火) ・カパ(水)という3つの力を持っ ていますが、生まれつき、どの力が多くな りやすいかが決まっています。それが、そ の人のプラクリティなのです。 脈診の名医サラデシュムク博士に師事。 スクールで の 教 育 や 翻 訳、 アーユル ヴェーダ博物館を運営し、普及活動を 続けている。 生命の科学 アーユルヴェーダ どうしてあの人はせっかちなのかしら? とか、 怒りっぽいのかしら? とか、だらしがないのか しら? …などと思うことがありますね。 インドで 5000 年以上の歴史を持つといわれ る伝統医学「アーユルヴェーダ」の古典書には、 その答えが書かれています。 生まれつきピッタが強い人は火のような 鋭 さ を 持 っ て い る の で、 頭 の 回 転 も 鋭 く、 知的です。また、鋭いということはピッタ リしていてムダがないということですの で、ムダを嫌い、体型なども中肉中背で顔 立ちもピッタリと整っています。肌の色は こんがりと小麦色ですが、髪の毛は熱にや られてしまい、若白髪になったり、禿げて しまうことも多いようです。 すべてにおいて整っていることを好むの で、完璧主義で、プライドが高く、自分の モノサシにあわないことはまったく受け入 れません。また、ホクロやそばかすが多い のも特徴です。 最後にご紹介するヴァータという風の性 格を持った人は、風のように動きが素早く、 軽さがあります。 軽いということは、身体のいろいろなと こ ろ が 薄 く、 小 さ く、 貧 弱 に な り ま す の で、やせていて、おでこや胸なども小さく 貧弱です。また、風が吹くと乾燥するよう に、皮膚や唇などは乾燥していて、シワや ひびわれが多いのが特徴です。髪の毛など も風に吹かれた洗濯物のようにゴワゴワと して、硬かったりします。 Satvik アーユルヴェーダスクール代表 表参道アーユルヴェーダ博物館館長 ICU 卒業後、ニュースステーションなど の報道番組で活躍。 インド 5000 年の智慧 次に、ピッタの反対はカパという水の性 質を持った人です。 粉を入れたボウルに水を注ぐと、粉がま とまるように、 水には潤して「結合させる」 という力があります。ですから、細胞がバ ラバラにならないように維持する働きは、 カパの役割です。結合の力が強いと、身体 にいろいろと結合させてしまうために、太 佐藤眞紀子 古代の智慧で内から外から “きれい”にアプローチ 特集 Ⅱ
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