~野草のおはなし2~ 今回は、『月桃(げっとう)』をご紹介します。 学名:Alpinia speciosa K.Schum 中国名:艶山姜(えんざんきょう) 月桃はショウガ科、草丈は2~3mにまでおよぶ大型の常緑多年草で、 葉っぱは、長さ40~70㎝、幅5~10㎝と大きく、笹のような形をしています。 富茶農園の月桃 九州南部~沖縄などの自生地では、とても親しまれている植物で、 葉っぱには爽やかな芳香があり、防虫効果、消臭効果、鎮静効果があります。 海外では、台湾、中国、インド、マレーシアなどにも分布しており、 インドの伝承医学『アーユルヴェーダ』では、主にこの根茎を使うそうです。 ☞赤ワインで有名になったポリフェノールは、抗酸化作用がある事で広く知られていますが、 主に動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞に効果があり、過剰な活性酸素の働きを抑制する働きも。 このポリフェノールを多く含む月桃葉は、石けん、化粧水、健康食品、お茶など幅広く利用されています。 ☞茎の繊維は大変強靭で、壁紙や障子紙などの和紙としても大変人気があります。 その抗菌作用から、シックハウス対策としてもこの和紙を利用されているそうです。 昔は、月桃の茎で縄をつくり、収穫したサトウキビを縛るときに使われていたこともあるそうです。 ☞葉っぱは、食べ物にも古くから利用されてきました。 抗菌効果を利用して、お餅を笹餅のように巻いてみたり、まんじゅうの下に葉を敷いて蒸したり、 その香りを楽しむお蕎麦も人気があるそうです。 ☞沖縄では赤土流出防止対策として月桃は植えられています。 また、作物を風害潮害から守り防風、防潮林としての効果も大きく、 環境を守る植物としても活躍。 他にも、お風呂に入れたり、防虫剤としても利用されていたとか。 乾燥した月桃の葉 月桃は、実や花も含め、利用用途の大変幅広い植物なのですね。
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