地方自治と政治参加

現代社会
ラジオ
学習メモ
第 16 回
日本国憲法と民主政治 [現代政治の特質と課題]
地方自治と政治参加
学習のねらい
私たちの生活に身近な地方の政治である地方自治の意義や、民
主政治の基礎である世論について、そして住民の政治参加につい
て学びます。
講師
杉田 敦
地方自治と民主主義
地方自治は、政治参加について学べるという意味で、「民主主義の学校」とも呼ばれます。現
憲法では、それ以前に比べて、首長を選挙で選べるなど、自治体の自主性が強く認められています。
地方自治について、団体自治と住民自治という言葉があります。団体自治とは、国に対して自
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治体が自律性をもつことを意味し、住民自治とは、自治体の内部で住民が主人公となることを意
味しています。近年、地方分権改革により、自治体への分権化は進みましたが、自治体財源の確
保など、課題も残っています。
世論形成の意義
世論(
「せろん」または「よろん」)とは、社会全体の意見という意味です。民主政治は世論に
基づいて行われなければなりません。選挙結果も世論の反映ですが、選挙によって、あらゆる問
題についての世論がくみ取られるわけではありません。メディアなどが実施する世論調査も、世
論を把握するうえで重要な役割を果たしています。
住民の政治参加
選挙以外にも、自治体の住民が政治に参加する仕組みがあります。環境問題などをめぐって、
さまざまな住民運動が繰り広げられたことも、その 1 つです。地方自治法では、住民投票も認
められており、住民が一定の数の署名を集めて議会に請求すれば、議会が住民投票を実施するか
決定します。原発の立地など、政党政治ではなかなか決められない問題について、直接的な住民
投票を行うことは、議会制民主主義と両立します。
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