材料評価学 第 6 回 前回: 引張試験における ・理想破壊強度 ・破壊強度と表面エネルギー ・強度を低下させる因子 今回: 引張試験における ・応力集中 ・Griffith の破壊モデル ・弾性ひずみエネルギー 「材料評価学」第 6 回 6. 引張試験 5 応力集中 6.1 ●「応力集中」とは? 図 6.1 切欠き 図 6.2 応力集中の概念 ・ ・ → → ●応力集中係数: ・ 例題:D=15.0 mm,d=10.0 mm で引張負荷 W=100.0 kgf を受ける段付き丸棒にρ =1.20 mm の切欠きがある場合, 切欠き近傍での最大応力 σ max を求めよ. 1 「材料評価学」第 6 回 (続き) 6.2 Griffith の破壊モデル ●「き裂」とは?: ・ 図 6.4 き裂 ●Griffith の破壊モデル ・ 仮定: 図 6.5 Griffith の破 壊モデル 2 「材料評価学」第 6 回 ●弾性ひずみエネルギー: ・外力による仕事 ・外力による仕事を応力とひずみで表す 図 6.6 弾性ひずみエネルギー ●き裂を有する部材における弾 性ひずみエネルギー: 図 6.7 き裂材における弾性ひずみエネルギー ・ ● 3 「材料評価学」第 6 回 ●解放される弾性ひずみエネルギーの増分: ●き裂進展に必要な表面エネルギーの増分: 例題:ぜい性体である溶融石英(γ = 4.30 J/m2,E = 70.0 GPa)で 2a=0.100 mm のき裂が 含まれている場合,ぜい性破壊する応力を求めると?また組織を改善することでき裂寸 法を 2a=0.0100 mm まで小さくした場合,破壊応力はどの程度上昇するか求めよ. 4 「材料評価学」第 6 回 6.3 第 6 回講義に関する意見・感想・質問のまとめ ●意見・感想 ・特になし:23 ・復習する,少しずつ復習をしていかなければ,あとで例題をしっかりやる:5 ・分かりやすかった:2 ・今日くらいの小テスト難易度がいい(考える問題は課題で出してほしい),今日の小テストは穴うめだった のでぼちぼちだった:2←(下の意見とまとめて書きます) ・今日の小テストは語句だったのであまりできなかった,今回の小テストは 0 点だったので次回からまた頑張 る:2←上と合わせて,やはり出来・不出来は人によっても回によっても違うでしょうから,毎回違った感じ の小テストにした方がいいように思います. ・難しかった,だんだん難しくなってきて大変:2 ・以下一人ずつ: 小テストが終わってから間違いに気付いて悔しかった,暑い日が 続いているので体調管理をしっかり行う,今日はすごく眠かった, αの読み取り方がいまいち理解できなかった←授業中にも説明し ましたが,再度右図に示します.①与えられた寸法から「D/d」お よび「ρ/d」の値を求める,②得られた「D/d」および「ρ/d」の値か ら,横軸における位置と曲線を決定する,③横軸の位置から上に 直線を伸ばし,曲線との交点を縦軸で読み取る→α の値決定. よくわからん←理解できなかったのであれば上の意見のように, 具体的にどこが分からなかったと書いてもらえば,まだ対応のし ようがあるのですが・・・まぁお子ちゃまってことですかね. 学び舎に親が来てしまうことがとても恐ろしい←そうですか?よく 話し合う良いチャンスでは? ランニング始めたけど涼しくて気持ちいい←健康に気遣うのは良いことですね! 雨だと靴がぬれるしいやだ←これから Word が終了していたがメモリ不足では?←確かに!最近特に文字変換が遅かったり今日みたいに落ち たりすることが増えました・・・ただ,このモデルはメモリ増設が出来ないので,システムの設定で「パフォ ーマンスを優先する」に設定してみました.しばらくはこれで様子を見てみます. 毎回小テストで点数が取れなくて落ち込んでいる←毎回,授業の終わり際に「次回はここが大事!」って 話してるんですが,そこをきちんと復習してるでしょうか?ちなみに次回は「Griffith の破壊モデルからの 限界き裂寸法算出式の導出,および実際の計算」です. web で復習時に 2 年生の組織学のページをのぞいたら去年よりも質問内容が高度だったので見習いた い←去年の「組織学」での皆さんからの意見・質問もバラエティに富んでいて,私は楽しかったですよ!そ の点,今年の「評価学」では少し元気が感じられなくて寂しいですね. 複数の課題や実験レポート提出日と中間テストの日が密集していて頭がパンクしそう←3 年も結構(とい うか相当)大変なんですよ.忙しでしょうが何とか乗り切って下さい! 前回の講義ファイルの pdf が開けなかった←こちらでも確認してみましたが,ネット環境や端末を変えても ちゃんと開けましたので再度確認してみて下さい. 5 「材料評価学」第 6 回 ●質問, ・例題でα=2.0 と読み取ったのは間違いか?←いえいえ,授業でも言ったように読み取り方は人によって差 がありますので多少の違いは許容します. ・ちょっと途中退室が多すぎると思うが?←その辺は私は割と冷めてるというか,途中で部屋を出入りするよ うな人はまず授業内容を理解する気もないでしょうし(まともに理解もしていないでしょうし),よって順当に 単位を落とすでしょうし,それも含めて本人の選択だと思っているので.もし途中退室を咎めるんだとする と,授業中に他科目の内職をしている人も指摘しなくてはいけないでしょうし,そんな連中を相手にするく らいならちゃんと授業を聞いてる人に対してもっと時間を費やすべきと思っているので. ・1 つ目の例題で D/d とρ/d はそれぞれ何を表しているのか?←授業で説明したように,切欠きによる応力 集中は断面積の変化に伴い生じますので,D/d はその変化の度合いを示すパラメータとなります.またき 裂の説明で示したように,応力集中の度合いは切欠きの先端の鋭さに顕著に影響を受けますので,ρ/d はそれを示しています. ・き裂の長さの増え方ってそんなに一様な変形ではないのでは?こういう 変形も起こるのでは?←これは現実にはあまり考え難いですね.こ の場合,上下に引張の負荷がかかっていると考えますので,そうす るとき裂先端に著しい引張応力が発生しますので,必然的にき裂自 体が進展する(=き裂長さの増大)ことになります ・前回の小テストの解答例で K=431 となっているがこの単位は[MPa]か,また真応力の単位も[MPa]というこ とか?←その通りです.もちろん,前回の小テストで全てを Pa 単位で算出してあった解答も正解です.要 するに単位系の整合性が取れていれば問題はありません. 6 「材料評価学」第 6 回 6.4 第 5 回小テスト解答 Q.1 次の文章の空欄に当てはまる語句を記入すると?[各 2 点] へき開型破壊とは,面間距離が大きい特定の面(=[ ① ]面)に沿って,[ ① ]面に垂直に原子が 分離するような破壊形態であり,微視的[ ② ]破壊である. 一方,せん断型破壊とは,すべり面に沿った原子の移動(=塑性変形)の進行の結果,破壊に至る形態 であり,[ ③ ]破壊である. 理想へき開破壊強度σth,および理想せん断破壊強度τth の比σth/τth から,Cu・Ag・Au 等の[ ④ ]結 晶構造を有する金属ではへき開破壊が[ ⑤ ]事が分かる. A.1 ①[ へき開 ] ③[ ⑤[ 延性 or 微視的延性] 生じない ] ②[ ぜい性 ] ④[ fcc(面心立方 ) 7
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