鋼構造技術者育成講習会 建築11(K11) 質問者への回答 森岡講師 Q:高強度のボルトの遅れ破壊について、どうお考えでしょうか A:公開されている資料によると、①評価方法の開発②優れた高強度鋼の開発③応力集中、 塑性歪の集中を低減した形状の開発④暴露試験の実施が行われています。 これらの開発、検証を経た製品であることから、遅れ割れについての対策が十分なさ れた製品と考えています。 Q:高強度のボルトを普通に使用していますか。 A:経済的、工期的なメリットがある場合には、検討の上採用しています。 Q:チェーンを使用した楊重で、チェーンはワイヤーに比べて安全管理が難しく思えます が、いかがですか。 A:点検基準は、メーカ―の指導では、JIS 規格(JIS B 8816 附属書4)に則って摩耗 10% 変形5%を基準値として、点検ゲージにより実施しているそうです。 ゼネコンとしては、これ以外に目視によるキズのチェックも行うことになると思いま す。 Q:免震構造の建方時、免震装置の拘束にターンバックルを使うことがあると思いますが、 十分でしょうか。 A:以前は、免震ゴムの半分や、1/3 を拘束する物件がありましたが、現在は免震ゴムの直 上の鉄骨を取付ける際には、仮設で支柱等を設置する場合がありますが、その後の施 工中は、免震ゴムはフリーとしている場合が殆どのようです。 施工上の問題で、足場が干渉し、崩壊防止のため何らかの拘束をしたり、作業動線の 問題で安全のため、拘束する場合はあると思いますが、その場合も、ある入力までは 拘束するが、それ以上の入力値になった場合は動くように計画することになると思い ます。
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