1 調査分析結果① 市民をとりまく現状について

1
調査分析結果①
市民をとりまく現状について
1.お口の困りごとについて
【現状1】
・自立では、84 歳までは口の中で困っている人は 36.6%から 38.6%でした。
・85 歳以上になると 43.8%に増えています。
・介護が必要な方の半数は口の中の困りごとはありますが、介護度による差はほとんど
みられませんでした。
困っている人の日野市の推計人数
自立: 60 歳以上 18,079 人(47,205 人×38.3%)
要支援 1.2: 1,487 人(2,911 人×51.1%)
要介護 1.2: 1,378 人(2,773 人×49.7%)
要介護 3.4.5: 1,190 人(2,538 人×46.9%)
計
22,134 人
*人口及び要介護認定数推計人数は第 2 期日野市高齢者福祉総合計画平成 27 年度推計値を使用
(60~64 歳の人口は、住民基本台帳による東京都の世帯と人口(日野市)平成26年 1 月 第6表)
<自立> (市民アンケートから)
年齢(歳)
ある
ない
合計(人)
60-64
40
64
104
<要支援、要介護>
65-74
104
180
284
75-84
85以上
78
124
202
(市民アンケートから)
60-64
8
合計(人)
32
254
41
409
73
663
割合
38.3%
61.6%
100%
要支援1.2
人数(人)
要介護1.2
割合
人数(人)
要介護3.4.5
割合
人数(人)
合計(人)
割合
割合
ある
260
51.1%
182
49.7%
112
46.9%
554
49.7%
ない
249
48.9%
184
50.3%
127
53.1%
560
50.3%
合計
509
100%
366
100%
239
100%
1.114
100%
<要支援、要介護の記入者内訳>(市民アンケートから)
記入者
本人
家族
ケアマネ
ヘルパー
その他
合計(人)
要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5 合計(人)
289
168
113
86
32
15
2
1353
19
20
57
91
70
53
67
394
1
2
1
3
0
0
1
8
2
1
2
2
3
2
1
14
1
1
0
4
1
4
1
13
312
192
173
186
106
74
72
1782
9
【注意すべき視点】
・一般に介護度が上がると口腔内の状況は悪化し、口の中の困りごとが増えます。
しかし、日野市では介護度の高い人の方が口の中の困っている人の割合が少ないです。
アンケート調査記入者の内訳をみると、介護度が上がると本人ではなく家族が多く回答
していることから、介護度の高い人が口の中の困りごとに気づいていないだけでなく、
まわりの家族・介助者も気付いていないことが考えられます。
【現状2】
・口の中の困りごとは、入れ歯に関することが最多ですが、次いで「口が渇く」と回答
している人が多いです。
「口の渇き」は摂食・嚥下機能の低下の症状のひとつである
ことから、食べる機能や飲み込む機能が低下した人が多くいることが考えられます。
歯に痛みがあ
る
88
虫歯がある
137
歯がぐらぐら
している
129
入れ歯が
合わない
261
歯茎が
腫れている
99
口内炎がある
138
歯ぐきから
出血がある
74
口が渇く
234
その他
147
(人)
(人)
10
2.食べる機能や飲み込む機能の低下に悩んでいる人や食べる機能や飲み込む
機能に障害の疑いがある人の現状について
【現状1】
・EAT10によるスクリーニングの結果では、摂食・嚥下機能の低下が疑われる人が
多くいます。
・各年齢層、介護区分において、それぞれ年齢、介護度が高くなるにつれて増加してい
ます。
〈EAT-10 嚥下スクリーニングツールとは〉
10項目の質問で構成される嚥下機能を測るための評価票です。
合計点数が3点以上の場合、嚥下(飲み込み)機能について専門医への相談が勧められ
ます。
※本調査では対象市民に、EAT-10嚥下スクリーニングツールを含めた内容で調査を
行っています。
食べる機能や飲み込む機能の低下が疑われる人の割合(日野市の推計人数)
自立:60 歳以上 11,375 人(47,205 人×24.1%)
要支援 1.2: 1,397 人(2,911 人×48.0%)
計
要介護 1.2: 1,502 人(2,773 人×54.2%)
要介護 3.4.5: 1,664 人(2,538 人×65.6%)
15,938 人
*人口及び要介護認定数推計人数は第 2 期日野市高齢者福祉総合計画平成 27 年度推計値1を使用
(60~64 歳の人口は、住民基本台帳による東京都の世帯と人口(日野市)平成26年 1 月 第6表)
<自立> (市民アンケートから)
60-64
65-74
65-74
75-84
85 以上
人数(人)
人数(人)
人数(人)
人数(人)
人数(人)
年齢(歳)
合計(人)
割合
ある
19
52
52
49
27
147
24.1%
ない
80
214
214
135
33
462
75.9%
合計(人)
99
266
266
184
60
609
100%
11
EAT10により嚥下障害が
疑われる人(自立)
項目
なし
あり
55.0%
45.0%
85歳以上
75-84
73.4%
26.6%
65-74
80.5%
19.5%
60-64
65歳未満
80.8%
19.2%
0%
20%
<要支援、要介護>
40%
60%
80%
100%
(市民アンケートから)
要支援1.2
人数(人)
要介護1.2
割合
人数(人)
要介護3.4.5
割合
人数(人)
割合
ある
190
48.0%
163
54.2%
124
65.6%
ない
206
52.0%
138
45.8%
65
34.4%
合計
396
100%
301
100%
189
100%
EAT10により嚥下障害が
疑われる人(介護)
項目
なし
あり
34.4%
要介護3.4.5
65.6%
45.8%
要介護1.2
54.2%
52.0%
要支援1.2
0%
20%
48.0%
40%
60%
80%
12
100%
出典:ネスレ日本株式会社
13
【現状2】
・自立では、誤嚥性肺炎と診断された人は1%弱います。
・85 歳以上は1.6%と増加し、要介護3・4・5は15.2%と多くなります。
・介護度や年齢が高い人は食べる機能や飲み込む機能が低下している傾向があります。
誤嚥性肺炎と診断された人の日野市の推計人数
自立:60 歳以上 495 人(47,205 人×0.9%)
要支援 1.2: 49 人(2,911 人×1.7%)
要介護 1.2: 130 人(2,773 人×4.7%)
要介護 3.4.5: 385 人(2,538 人×15.2%)
計
1,059 人
*人口及び要介護認定数推計人数は第 2 期日野市高齢者福祉総合計画平成 27 年度推計値を使用
(60~64 歳の人口は、住民基本台帳による東京都の世帯と人口(日野市)平成26年 1 月 第6表)
<自立>(市民アンケートから)
年齢(歳)
60-64
65-74
75-84
85以上
人数(人) 人数(人) 人数(人) 人数(人)
合計(人)
割合
ある
1
3
1
1
6
0.9%
ない
95
274
195
62
626
99.1%
合計(人)
96
277
196
63
632
100%
60 歳-64 歳
14
<要支援、要介護>
(市民アンケートから)
要支援1.2
人数(人)
要介護1.2
割合
人数(人)
要介護3.4.5
割合
人数(人)
割合
16
4.7%
35
15.2%
474
1.7%
98.3%
322
95.3%
196
84.8%
482
100%
338
100%
231
100%
ある
8
ない
合計
【現状3】
・薬を飲み込みにくいことがある人は、自立の84歳以下では約10%います。
・要支援、要介護1・2では約23%ですが、要介護3・4・5では38%に増加しま
す。
・自立の65歳未満で11%いることから、薬の飲み込みにくさは、嚥下機能の低下に
関わらずみられることがわかります。
<自立> (市民アンケートから)
60-64
15
<要支援、要介護>
(市民アンケートから)
薬を飲む時に飲み込みにくい
ことがありますか
項目
要介護3,4,5
要介護1,2
要支援
ある
38%
23%
24%
0%
20%
ない
62%
77%
76%
40%
60%
80%
100%
【現状4】
・当てはまる食事形態では、自立の人は 100%普通食でしたが、要介護3・4・5に
なると普通食は 55.7%であり、44.3%の方は食事形態がやわらか食や刻み食になっ
ています。
<要支援、要介護>
要支援
普通食
やわらか食
刻み食
ミキサー食
経管栄養
(市民アンケートから)
要介護1,2 要介護3,4,5
93.6%
6.0%
83.9%
12.2%
55.7%
21.3%
0.2%
2.5%
13.1%
0.0%
0.2%
0.6%
0.8%
5.0%
5.0%
16
3.在宅で受けられるサービスの利用状況について
【現状】
・自立で85歳以上では3%の人が専門職の訪問を受けています。
・要介護者は、介護度が上がるにつれて専門職による訪問を受けている割合が増えます。
・専門職の職種は医師や看護師や歯科医師が多いです。理学療法士、管理栄養士、薬剤
師、歯科衛生士、作業療養士、言語聴覚士もいます。
<自立> (市民アンケートから)
60-64
<要支援、要介護>
(市民アンケートから)
17
4.施設・事業所利用者の口腔内の把握状況について
(施設アンケートから)
【現状1】
・7施設は入所者の口腔内の状況を把握していますが、4施設が必要と思われた入所者
しか把握しておらず、すべての利用者の口腔内状況が把握されているわけではありま
せん。
(施設数)
原則全員把握している
7
必要と思われた入所者のみ把握している
4
ほとんど把握していない
0
(事業所アンケートから)
【現状2】
・事業所の規模は、6人から 100 人以上までと様々です。
・利用者の口腔内をほとんど把握していないところが7事業所あり、事業所の利用人数
による差はみられませんでした。
(事業所数)
原則全員把握している
31
必要と思われた利用者のみ把握している
38
ほとんど把握していない
7
18
5.誤嚥性肺炎の状況について
(施設・事業所アンケートから)
【現状】
・種別に関わらず、入所・利用者の中に誤嚥性肺炎と診断された人がいます。
<施設>
(施設数)
1人
2
2人
3
3人
2
4人
1
5人
1
12 人
1
25 人
1
(施設数)
(人)
<事業所>
(事業所数)
0人
49
1人
13
2人
6
3人
6
4人
1
5人
1
20 人
1
(事業所数)
(人)
【注意すべき視点】
・誤嚥性肺炎の原因の一つに摂食・嚥下機能の低下があげられることから、施設・事業
所には食べる機能や飲み込む機能が低下した人がいることが考えられます。
19
6.在宅医療の取り組みについて
(医療機関アンケートから)
【現状1】
・回答いただいた中で、訪問診療を行っているが、患者がいないと回答された医療機関
が24%でした。
(医療機関数)
いる
15
いない
12
行っていない
24
(歯科診療所アンケートから)
【現状2】
・回答いただいた中で、訪問診療を行っているが、患者がいないと回答された歯科診療
所が23%でした。
(歯科診療所数)
いる
23
いない
13
行っていない
20
訪問歯科診療の患者の有無
行っていな
い
36%
いない
23%
20
いる
41%
(医療機関アンケートから)
【現状3】
・回答いただいた医療機関の45%は、患者又は家族から、摂食・嚥下機能について相
談されたことがあります。
(医療機関数)
ある
23
ない
28
(歯科診療所アンケートから)
【現状4】
・回答いただいた歯科診療所の32%は、患者又は家族から、摂食・嚥下機能について
相談されたことがあります。
(歯科診療所数)
ある
18
ない
38
患者または家族から摂食・嚥下
機能について相談されたことは
ありますか
ある
32%
なし
68%
21
(医療機関アンケートから)
【現状5】
・回答いただいた医療機関の36%は、摂食・嚥下障害の診察をした患者がいます。
(医療機関数)
いる
18
いない
32
(歯科診療所アンケートから)
【現状6】
・回答いただいた歯科診療所の16%は、摂食・嚥下障害の診察をした患者がいます。
(歯科診療所数)
いる
9
いない
46
摂食・嚥下障害の診察をした
患者はいますか
いる
16%
いない
84%
≪調査から見えた課題≫
食べる機能や飲み込む機能の低下に気づいていない
※市民アンケートから、介護度の高い人(本人)だけでなく、家族や
介助者が口の中の困りごとに気付いていない可能性が考えられました。
医療機関、歯科診療所では摂食・嚥下機能について患者から相談され
ていることから、医療と介護(在宅含む)に係わるすべての人が、早
期に食べる機能や飲み込む機能の低下を発見し、対応することが必要
です。
22
2
調査分析結果②
支える側の連携について
1. 歯や口の悩みの相談先について
【現状】
・歯や口の悩みは、歯科医師に相談している人が圧倒的に多いですが、誰にも相談して
いない人が多くいます。
(市民アンケートから)
自立 要支援 要介護
医師
31
50
54
看護師
2
2
39
歯科医師
363 281
267
歯科衛生士
25
25
33
言語聴覚士
1
0
8
ケアマネジャー 1
5
41
ヘルパー
1
3
22
その他
7
10
35
相談していない 188 122
167
相談先がない
10
11
6
23
2.施設・事業所の連携先や連携状況について
(施設アンケートから)
【現状1】
・施設の82%が専門職に相談したことがあり、相談先はすべて歯科診療所とその関係
者でした。
(施設数)
ある
9
ない
2
(相談先)
歯科医師、
大学病院の歯科、
歯科衛生士
(事業所アンケートから)
【現状2】
・事業所の44%が専門職に相談したことがあり、相談先は多岐にわたってます。
(事業所数)
ある
33
ない
42
(相談先)
ケアマネジャー、主治医、訪
問介護士、訪問看護、
言語聴覚士、歯科医、栄養士、
歯科衛生士、歯科大学病院等
24
3.ケアマネジャーの連携先や連携状況について
(ケアマネジャーアンケートから)
【現状1】
・88%のケアマネジャーが口腔に関する相談を受けており、内容は入れ歯の相談が多
いですが、「飲み込み」
、
「むせ」など食べる機能や飲み込む機能に関わる相談も多く受
けています。
(人)
ある
113
ない
15
(紹介先)
歯科医、訪問専門歯科医、歯科衛生士
訪問看護、言語聴覚士
栄養士、歯科大学病院等
複数回答(人)
むし歯の治療
43
入れ歯のこと
77
歯磨きのこと
18
食事のこと
53
飲み込み
65
むせ
61
歯科医院について
55
その他
7
(人)
25
【現状 2】
・利用者の摂食・嚥下障害について、専門職に相談したことがあるのは6割でした。
(人)
ある
76
ない
47
【注意すべき視点】
・ケアマネジャーには医療と介護をつなぐ重要な役割がありますが、すべてのケアマネ
ジャーが摂食・嚥下機能の問題について、適切な専門職に相談ができているわけではな
いようです。
4.摂食・嚥下に関する支援の必要な方の有無について
(医療機関アンケートから)
【現状1】
・回答医療機関のうち 2 割が専門機関での治療が必要な患者がいると回答しています
対応した医療機関はすべて紹介先を知っており、適切な支援が行われているといえま
す。
(医療機関数)
いる
11
いない
39
26
(医療機関数)
ある
10
どこに紹介して
良いか分からな
0
い
(紹介先)
日本歯科大学多摩クリニック、
日野市立病院、訪問看護ステー
ション、訪問歯科、東海大学八
王子病院等
(歯科診療所アンケートから)
【現状2】
・歯科診療所においては、紹介先の医療機関が限定されています。
(歯科診療所数)
いる
専門機関での摂食・嚥下機能
支援が必要な方はいますか。
9
いない
46
いる
16%
い ない
84%
(歯科診療所数)
ある
どこに紹介してよい
か分からない
3
紹介している医療機関は
ありますか
6
(紹介先)
ある
33%
日本歯科大学多摩クリニック
どこに紹介
して良いか
わからない
67%
【注意すべき視点】
・歯科診療所の67%は、どこに紹介してよいか分からないと回答しています。
摂食・嚥下機能が低下した患者が適切な支援を受けられていない可能性があります。
27
5.薬局の相談先や連携状況について
(薬局アンケートから)
【現状】
・28%の薬局で薬以外のことで相談を受けており、その多くは医師に相談しています
が、相談先がない薬局が7か所あります。
(薬局数)
はい
13
いいえ
33
(薬局数)
医師
22
相談先
歯科医師
5
ケアマネジャー
4
25
訪問看護ステーション
2
20
地域包括支援センター
1
15
相談先がない
7
10
その他
4
(人)
22
5
5
7
4
2
4
1
0
【注意すべき視点】
・相談先がない場合には、摂食・嚥下機能が低下した患者が適切な支援を受けられてい
ない可能性があります。
28
6.連携について
【現状】
・日野市の摂食・嚥下機能支援の推進に何が必要か聞いたところ、連携強化や勉強会を
求める意見が多くありました。
《アンケートの自由記載より連携に関する意見を抜粋.》
(事業所アンケートから)
・事業所と在宅とでは食事形態に大きな差異が生じないように努めているが、食事形態
の変更があった時に、主治医やケアマネジャーとのスムーズな連携が必要。
.・研修会と関係者間の連携の実践の両方が必要。
(ケアマネジャーアンケートから)
・気軽に同行して頂き、説明を受けるシステムがあれば助かる。サービス機関との連携
はもとより、後押ししてほしい時がある。判断しにくいため、気軽に相談できる体制
が欲しい。
・歯科医会などとの連携強化や勉強会などの実施。
(医療機関アンケートから)
・医科と歯科及び病・診連携が必要。
・摂食嚥下機能※評価医(できれば耳鼻科医)を増やす。
※評価医とは、東京都の養成研修を受講した医師及び歯科医師(摂食・嚥下機能の評
価を行い、指示及び訓練の指示ができる。
)
(歯科診療所アンケートから)
・現状の把握と評価医との連携が必要。
・医療と介護との連携、評価医、リハビリチームの養成、市の積極的な対応と支援。
・現在日野市が進めている「関係者との連携」を今後も発展充実させ、患者さんにとっ
て良いリハビリ、予防、治療ができるようなシステムを市がコーディネートして多職
種によって構築することが重要。
(薬局アンケートから)
・医師、薬局、ケアマネジャー等各ポジションの方との連携強化が必要。
・医歯薬看のもっと密な連携はとれないものか。月1回の合同勉強会等が必要。
【注意すべき視点】
・対象者に対応するための連携体制がありません。
29
≪調査から見えた課題≫
食べる機能や飲み込む機能の低下した人を支える仕組みがない
※事業所、施設、ケアマネジャーいずれも専門職への相談をしたこと
があると回答している一方、相談先が分からないと回答しているとこ
ろがあります。また、支援が必要な患者をもつ医療機関はすべて紹介
先がありますが、歯科診療所は67%がどこに紹介してよいか分から
ないと回答しています。患者から相談を受けても、その後の相談先が
ないと回答した薬局も複数あります。介護分野、医療分野のいずれに
おいても、相談(紹介)先を知り、適切な支援につなぐことが必要で
す。
30
3
調査分析結果③
食事の形態について
1.高齢者に提供されている食事形態の現状について
【現状】
・当てはまる食事形態では、自立の人は 100%普通食でしたが、要介護3・4・5に
なると普通食は 55.7%であり、44.3%の方は食事形態がやわらか食や刻み食になっ
ています。
<要支援、要介護>
要支援
普通食
やわらか食
刻み食
ミキサー食
経管栄養
(市民アンケートから)
(P16再掲)
要介護1,2 要介護3,4,5
93.6%
6.0%
83.9%
12.2%
55.7%
21.3%
0.2%
2.5%
13.1%
0.0%
0.2%
0.6%
0.8%
5.0%
5.0%
2.弁当宅配サービスの利用状況について
【現状】
・弁当宅配サービスの利用は、自立では高齢になるほど利用する人の割合が高くなりま
す。
・自立の人に比べて介護が必要な人のほうが弁当宅配サービスを利用する人の割合が高
くなります。
・介護度別では要介護 1・2の人が多く弁当宅配サービスを利用しています。
31
<自立>(市民アンケートから)
60-64
<要支援、要介護>
(市民アンケートから)
3. 弁当宅配サービスの現状について
【現状】
・主食については、8 事業者が軟飯を提供しており、9 事業者が粥を提供しています。
・おかずについては 6 事業者が一口大・刻みの対応をしていますが、ソフト食を提供
しているのは1事業者のみです。
・弁当宅配サービスを申し込む経緯は、本人や家族からの申し込み以外に、ケアマネジ
ャーからの勧めもあります。
・申し込み時に把握している利用者情報としては、食事療法の有無や健康状態に比べ、
咀嚼機能・嚥下機能については、少ない現状があります。また、いずれの情報も把握
していない事業者もあります。
・食事形態の変更は、本人や家族の申し出によって行われるケースが多く、医師や訪問
看護師の勧めによるものは多くはありません。
32
(弁当宅配サービスアンケートから)
調査対象:市内配食サービス事業者
10社
回答:10社(うち市配食サービス委託業者7社)
33
【注意すべき視点】
・弁当宅配サービスにおいて、一口大・きざみの対応をしている業者は半数程度であり、
利用者の咀嚼機能・嚥下機能の把握も十分に行われていないことから、個人の摂食・
嚥下の状態に適した食事が提供されていない可能性があります。
34
4.施設・事業所・配食サービスにおいて提供されている食事の形態について
【現状】
・主食・副食とも※コード 3(全粥つぶし・全粥粒ゼリー・離水・とろみに配慮した分
粥/押しつぶし・押しつぶしゼリー食(ソフト食))に関しての提供が少ないことがわ
かりました。
・また、ミキサー後に再形成するような食事形態の提供は進んでいないか、認知されて
いないと考えられます。
(提供数)
入所施設
6
事業所
11
(通所サービス)
配食サービス
12
合計
29
※コードとは
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類によるコード番号です。
嚥下調整食とは
かたさ・付着性・凝集性を考慮し、嚥下機能と誤嚥・窒息リスクに配慮されている食事
です。
食形態の名称(主食)
主食4
軟飯・全粥
主食3
主食2
全粥つぶし/全粥粒ゼ
リー/離水・とろみに配 ミキサー粥
慮した分粥
提供あり 28 提供あり 2
やわらかご飯(8) やわらか(1)
やわらか(4)
その他(1)
軟飯(9)
お粥(5)
かゆ(3)
全粥(12)
おかゆ(5)
その他
提供あり 4
パン粥ミキサー(1)
ペースト粥(1)
ミキサー粥(1)
その他(1)
主食1j
ミキサー粥ゼリー
提供あり 12
粥ミキサー(5)
粥ゼリー(2)
ミキサーがゆ(2)
かゆソフト(1)
ペースト粥(1)
粥ゼリー(粥ペースト)(1)
35
食形態の名称(副食)
副食4
副食3
副食2
副食1j
軟菜(カットな
押しつぶし/押しつ
し)~軟菜(カッ
ミキサー/ペースト食(不 ゼリー食(タンパク質含
ぶしゼリー食(ソフ
ト小…1㎝未満)
均質)~(均質)
む)
ト食)
+とろみ・あん
提供あり 19
常食(4)
常菜(3)
通常(1)
軟菜(2)
常軟菜(1)
常菜(食)(1)
その他(1)
提供あり 5
一口大(3)
キザミ(2)
キザミ食(2)
きざみ食(2)
軟菜刻一口大(1)
常菜ひとくち大(1)
常軟一口大(1)
きさみ食(1)
その他
提供あり 20
極きさみ食(2)
極きざみ食(1)
キザミあんだれかけ(1)
極刻み(1)
キザミあんだれかけ(1)
5mm大(1)
キザミすべり食(1)
その他
提供あり 6
ムース(2)
ソフト食(1)
ゼリー食(1)
少量高カロリー食(1)
5.施設・事業所における摂食・嚥下障害が疑われる方の対応について
【現状1】
・すべての施設において摂食・嚥下障害が疑われる入所者に対応をしています。
・介護老人福祉施設・介護老人保健施設では、食事形態の調整を中心に、食事環境(食
具・配膳・介助・姿勢)の調整や専門職との連携が行われています。
・特定施設入居者生活介護では、口腔体操やトロミ剤の利用で対応をしています。
(施設アンケートから)
(施設数)
対応している
11
対応していない
0
【現状2】
・食事は、食器や色どりによってもおいしさが違ってしまう、形態に配慮しても味が良
くないと食べてもらえない、介助者の対応によっても変わってしまうなど、食事形態
以外の配慮も必要との意見がありました。
【注意すべき視点】
・食事の形態だけでなく食事環境(食具・配膳・介助・姿勢)についても配慮が必要で
す。
36
(事業所アンケートから)
(事業所数)
対応している
67
対応していない
9
【現状3】
事業所の種別に関わらず、以下の対応を行っています。
・嚥下機能検査、嚥下評価、ST 評価、主治医、訪問歯科、リハビリ等、医療と連携
・毎食後の※口腔ケア、口腔体操、口腔マッサージ
・食事環境(食具・配膳・介助・姿勢)の調整
・食事介助(見守り、声かけ、配膳方法、食具の調整等)
・トロミ剤の利用
・食事の形態の調整
※口腔ケアとは
歯みがきにより口の中を清潔に保つことだけでなく、食べたり、飲み込んだりするこ
とや会話を楽しむことなど口のあらゆる動きを維持する、回復するための包括的なケ
アです。
【現状4】
・事業所と在宅の間での食事形態の差異を生じさせないために、関係者がスムーズに連
携できる体制を望む意見がありました。
37
6.ケアプラン作成時における食べることや飲み込むことに関する意識につい
て
【現状】
・ケアマネジャーは、摂食・嚥下機能を意識したケアプランを作成する際に、施設・事
業所と同様の対応(医療との連携、口腔ケア、食事形態の調整など)を取り入れていま
す。また、関係者の共通認識の重要性や介助者への指導の必要性についての意見があり
ました。
(ケアマネジャーアンケートから)
(人)
作成している
8
必要に応じて
88
作成していない
29
【注意すべき視点】
・正しい食事形態や食事の姿勢については、家族や介助者に認識されていないようです。
38
7.薬局におけるやわらか食の販売状況について
【現状】
・15%の薬局で介護食の販売を行っています。
(薬局アンケートから)
(薬局数)
はい
7
いいえ
39
【注意すべき視点】
・すべての薬局で販売してないため、※やわらか食を必要とする人が手に入れにくい可
能性があります。
※やわらか食とは
かむことや飲み込むことが困難になった方向けに食物をやわらかくしたり、まとめやす
くなるように配慮した食事の形態のこと
≪調査から見えた課題≫
食べる機能や飲み込む機能に適した食事がとれていない
※食事を提供している施設や事業所、弁当宅配サービスにおいて、「一
口大」や「きざみ」の対応をしている業者は半数程度であり、利用者の
かむ機能や飲み込む機能の把握も十分に行われていないことから、個人
の食べる機能や飲み込む機能に適した食事が提供されていない可能性
があります。食事の提供にあたっては、食事形態に加え、姿勢や介助の
方法などについても配慮することが必要です。
39
4
調査分析結果④
とについて
食べる機能、飲み込む機能を知るこ
1.口腔内に関することについて
【現状】
・自立では、84 歳までは口の中で困っている人は 36.6%から 38.6%でした。
・85 歳以上になると 43.8%に増えています。
・介護が必要な方の半数は口の中の困りごとはありますが、介護度による差はほとんど
みられませんでした。
<自立> (市民アンケートから再掲 P8)
年齢(歳)
ある
ない
合計(人)
60-64
40
64
104
65-74
104
180
284
75-84
85以上
78
124
202
60-64
40
合計(人)
32
254
41
409
73
663
割合
38.3%
61.6%
100%
<要支援、要介護>
(市民アンケートから再掲 P9)
要支援1.2
人数(人)
要介護1.2
割合
人数(人)
要介護3.4.5
割合
人数(人)
割合
合計(人)
割合
ある
260
51.1%
182
49.7%
112
46.9%
554
49.7%
ない
249
48.9%
184
50.3%
127
53.1%
560
50.3%
合計
509
100%
366
100%
239
100%
1.114
100%
【注意すべき視点】
・一般に介護度が上がると口腔内の状況は悪化し、口の中の困りごとが増えます。
しかし、日野市では介護度の高い人の方が口の中の困っている人の割合が少ないです。
アンケート調査記入者の内訳をみると、介護度が上がると本人ではなく家族が多く回答
していることから、介護度の高い人が口の中の困りごとに気づいていないだけでなく、
まわりの家族・介助者も気づいていないことが考えられます。
2. 施設・事業所における食べることや飲み込むことに障害が疑われる方の
支援の必要性に対する認識について
【現状】
・施設は支援の必要性について全ての施設が認識しています。
・ほとんどの事業所が認識していますが、一部認識していない事業所もありました。
(施設アンケートから)
(施設数)
はい
11
いいえ
0
41
(事業所アンケートから)
(事業所数)
はい
75
いいえ
2
3. 施設・事業所における食べることや飲み込むことの障害の症状の認知度
について
(施設アンケートから)
【現状1】
・施設や事業所の職員全員が知っているわけではありません。
・施設や事業所によって職員の認知度にばらつきがあるようです。
(施設数)
ほとんどの職員が知っている
5
半数程度は知っている
4
一部の職員は知っている
2
ほとんど知らない
0
42
(事業所アンケートから)
【現状2】
・事業所においては64%がほとんどの職員が知っていると回答している一方で、職員
が十分に理解していない事業所が 36%ありました。
(事業所数)
ほとんどの職員が知っている
48
半数程度は知っている
10
一部の職員は知っている
16
ほとんど知らない
1
(ケアマネジャーアンケートから)
【現状3】
・地域包括支援センターと事業所ケアマネジャーでの差は見られませんでした。
・よく知っていると回答したケアマネジャーは 32%でした。
(人)
よく知っている
41
少し知っている
86
ほとんど知らない
0
全く知らない
0
43
4.事業所・施設における食べることや飲み込むことに障害が疑われる方の対
応について
【現状1】
・全ての施設で対応しています。
・施設では自由記載に食事の形態やトロミに関する意見が多くありました。
(施設アンケートから)
(施設数)
対応している
11
対応していない
0
【現状2】
・対応していない事業所は、対象となる利用者がいないと回答しており、摂食・嚥下障
害が疑われる利用者がいれば対応しています。
・一部、他職種(介護関係者、ケアマネジャー等)と連携している事業所があります。
(事業所アンケートから)
(事業所数)
対応している
67
対応していない
9
【注意すべき視点】
・対象となる利用者がいないと回答した事業所は、食べる機能や飲み込む機能が低下し
た人に気づいていない可能性があります。
44
5.施設・事業所における口腔や食べる機能や飲み込む機能に関するマニュア
ルの有無について
【現状1】
・口腔ケアに関するマニュアルがある施設が 8 割ある一方、嚥下機能に関するマニュ
アルがある施設は 5 割程度しかありません。
(施設アンケートから)
(施設数)
ある
9
ない
2
(施設数)
ある
6
ない
5
【注意すべき視点】
・嚥下機能に関するマニュアルの作成がない施設が 5 割程度あります。
観察度数
口腔に関するマニュアルはありますか?
(施設数)
摂食嚥下に関してどれくらいの はい
いいえ
合計
職員が知っているか?
ほとんどの職員
3
2
5
半数程度知っている
4
0
4
一部の職員が知っている
2
0
2
合計
9
2
11
【注意すべき視点】
・また、口腔ケアに関するマニュアル・嚥下機能に関するマニュアルがあっても、摂食・
嚥下障害の症状について「一部の職員しか知らない」と回答している施設もあります。
45
【現状2】
・口腔ケアマニュアルがあるのが 7 割、嚥下機能のマニュアルは 5 割程度の事業所し
かありません。
(事業所アンケートから)
(事業所数)
ある
52
ない
22
(事業所数)
ある
41
ない
32
【注意すべき視点】
・マニュアルがない施設では、利用者の摂食・嚥下の状況をあまり把握できていない可
能性があります。
6.ケアプラン作成時における摂食・嚥下や口腔ケアに関する意識について
(ケアマネジャーアンケートから)
【現状1】
・摂食・嚥下を意識したケアプランを作成しているケアマネジャーは 6%、必要に応じ
て作成しているケアマネジャーが71%でした。
・包括支援センターと事業所ケアマネジャーの内訳に差はみられませんでした。
46
(人)
作成している
8
必要に応じて
88
作成していない
29
【注意すべき視点】
・摂食・嚥下を意識したケアプランを作成していないケアマネジャーが2割います
【現状2】
・口腔ケアに関することを取り入れているケアマネジャーは 12%、必要に応じて取り
入れているケアマネジャーは60%でした。
・包括支援センターと事業所ケアマネジャーの内訳に差はみられませんでした。
(人)
取り入れている
15
必要に応じて取
り入れている
73
取り入れていな
い
34
【注意すべき視点】
・ケアプランの作成において、口腔内に関する問題の優先順位が低くなっている可能性
があります。
47
7.薬局における飲み込みの状況確認の実施状況について
【現状】
・36%の薬局が、処方された薬について、むせずに飲み込めているかの確認をしてい
ません。
(薬局アンケートから)
(薬局数)
はい
29
いいえ
16
【注意すべき視点】
・薬局では、患者の食べる機能や飲み込む機能の低下の発見が期待できますが、36%
の薬局では、薬の処方の際に飲み込みの状況を確認していません。食べる機能や飲み
込む機能の障害についての認識が高くないことが予想されます。
8.研修の実施状況や研修の希望について
【現状1】
・7割の施設で研修を実施しており、意識が高いことがわかります。しかし3割の施設
は実施していません。
(施設アンケートから)
(施設数)
はい
8
いいえ
3
【注意すべき視点】
・施設職員に対して、摂食・嚥下機能の知識と技術向上の職員研修が必要と考えます。
48
【現状2】
・実施していない事業所は 45%あり、事業所の種別は様々でした。
・口腔ケアや摂食・嚥下に関する研修が低い現状があります。
(事業所アンケートから)
(事業所数)
はい
41
いいえ
34
【注意すべき視点】
・事業所職員に対して、摂食・嚥下機能の知識と技術向上の職員研修が必要と考えます。
【現状3】
・ケアマネジャーの7割は、口腔ケアに関する研修を受講する機会があります。
(ケアマネジャーアンケートから)
(人)
ある
87
ない
39
【注意すべき視点】
・ケアマネジャーは、医療と介護の連携づくりの重要な役割を担っています。
ケアプラン作成時に口腔ケアを意識してもらう為には、3 割のケアマネジャーに研修
の機会がないのは課題といえます。
49
【現状4】
・施設はケアやリハビリ、嚥下の仕組みに関する研修希望が多くあります。
(施設アンケートから)
(施設数)
【現状5】
・事業所は窒息時の対応や食事介助など実際の対応に関する研修の希望が多くあります。
(事業所アンケートから)
(事業所数)
50
【現状6】
・ケアマネジャーはケアやリハビリについての関心が最も高く、「嚥下の仕組み」を除
きどのテーマも同数程度の研修の希望があります。
・連携の必要性を感じているケアマネジャーが多くいます。
(ケアマネジャーアンケートから)
取り上げて欲しいテーマ
嚥下の仕組み
(人)
22
摂食・嚥下障害の症状
50
食事形態や食事介助の方法
54
窒息時の対応方法
57
誤嚥性肺炎の症状
55
ケアやリハビリについて
83
関係者の連携について
51
その他
5
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
【現状7】
・医療機関は食事形態や食事介助の方法についての研修の希望が最も多く、続いて関係
者の連携についての希望が多くあります。
(医療機関アンケートから)
取り上げて欲しいテーマ
嚥下の仕組み
(医療機関数)
4
摂食・嚥下障害の症状
11
食事形態や食事介助の方法
16
窒息時の対応方法
11
誤嚥性肺炎の症状
9
ケアやリハビリについて
13
関係者の連携について
14
その他 0
0
2
4
6
8
51
10
12
14
16
18
【現状8】
・歯科診療所は食事形態や食事介助の方法についての研修の希望が最も多く、続いて関
係者の連携についての希望が多くあります。
・摂食・嚥下の患者を持っていなくても、食事や連携について知りたいと考えている歯
科診療所が多くあります。
(歯科診療所アンケートから)
取り上げて欲しいテーマ
嚥下の仕組み
(歯科診療所数)
10
摂食・嚥下障害の症状
23
食事形態や食事介助の方法
28
窒息時の対応法
18
誤嚥性肺炎の症状
13
ケアやリハビリについて
22
関係者の連携について
その他
0
23
1
5
10
15
20
25
30
【現状9】
・薬局は窒息時の対応法についての研修の希望が最も多く、回答した薬局の半数以上
が取り上げてほしいと希望しています。
・誤嚥性肺炎の症状、食事形態や食事介助の方法、摂食・嚥下障害の症状、ケアやリハ
ビリについては、半数近くの薬局が希望しています。
・病気の基礎知識から専門的な知識まで幅広い希望があります。
(薬局アンケートから)
(薬局数)
52
9.日野市の摂食・嚥下機能支援の推進のために必要なことについて
(施設アンケートから)
・施設に入所されてくる方が、すでに嚥下状態が低下されているため、在宅時に摂食・
嚥下機能を下げないような対応が必要との意見があります。
(事業所アンケートから)
・家族への普及啓発に関する希望があります。
・事業所と在宅とでは食事形態に大きな差異が生じないように努めているが、食事形態
の変更があった時に、主治医やケアマネジャーとのスムーズな連携が必要との意見が
あります。
(ケアマネジャーアンケートから)
・摂食・嚥下機能支援に関して相談を受けたり、実際の評価や訓練を実施してくれる関
係機関の情報をとりまとめて提供してほしいとの意見があります。
・専門職だけではなく、一般市民に向けた普及啓発を望む声があります。
・連携システムの構築の必要性について意見があります。
(医療機関アンケートから)
・専門医を増やし、更なる連携を図る必要性について意見があります。
(歯科診療所アンケートから)
・医師、歯科医師の意識と知識が必要との意見があります。
・一般市民向けにも、簡単な摂食・嚥下の話などを、折にふれてするべきとの意見があ
ります。
・専門医を中心とした関係者の連携の必要性について意見があります。
(薬局アンケートから)
・嚥下障害を診てくれる地域の医療機関がわからないとの意見があります。
53
≪調査から見えた課題≫
食べる機能や飲み込む機能の正しい知識や情報が不足している
※本人・家族が食べる機能や飲み込む機能の低下に気づいていない
可能性があります。事業所・施設では、食べることや飲み込むことに
障害が疑われる方には対応をしていますが、全ての職員が食べること
や飲み込むことの障害について知っているわけではありません。要介
護者を適切なサービスにつなげる役割をするケアマネジャーも、全て
のケアマネジャーが食べることや飲み込むことの障害について「よく
知っている」わけではありません。薬局では高齢者から飲み込みに関
する相談を受けることがあります。食べる機能や飲み込む機能の低下
に、早期に気づき、支援するために、医療・介護に関わる全ての人が、
正しい知識を持つことが必要です。
【今後の取り組み】
今後は、報告結果に基づき協議会において課題への取り組みの検討
をし、一部取り組みについては、平成28年度より着手してまいりま
す。
54