地域資源を活用した都市との交流による地域の活性化 西部農林事務所 活動期間:平成26年~27年 ○ 取組の背景 浜松市天竜地域では、地場産業(茶業・林業)の衰退により、過疎化、耕作放棄地 の増加、集落機能の低下が進行している。このため、地元住民等が活性化施設を核に、 都市との交流により地場産品やサービスの販売を進めてきたが、利用者の高齢化や類 似施設等の増加により、来客数や販売額が伸び悩んでいる。 一方、地域には山の暮らしに根づいた特色ある農産物・文化が残されている。そこ で、地域資源を見直し、グリーン・ツーリズム(以下GT)施設を核として、交流によ り経済価値を高めるとともに地元住民の生活意欲の向上を図る。 ○ 課題・目標 GT北遠支部会員施設を拠点として埋もれている地域資源を調査し、この地域でしか得 られない特産物やサービスを商品として開発する。 さらに、イベントや体験ツアー等により情報を発信し、開発した商品の経済価値を高 め、原材料等の供給体制の強化や交流人口の増加につなげる。 また、GT施設間の連携を進め、相乗効果を図る。 推進方向1「地域資源の商品化(平成26年~29年) ○普及指導員の活動 ■地域資源の確保 1 水窪町及び龍山町において、在来作物の現状把握及び特性調査を実施し、地域資源とし ての活用の可能性を探った。 水窪じゃがた 在来小豆 在来大豆 白キビ 主要な在来作物 紫とうもろこし アカメイモ 2 龍山町内の在来作物アカメイモの系統による品質の違いを調査し、優良系統の選抜に 取り組んだ。 ■地域資源の商品化(アカメイモ) 1 新たな活用用法の検討として、加 工品の試作を行った。 試作したドーナツ、スィートポテト 2 知名度向上及びファン作りのため、体 験ツアーを実施した。 「アカメ丸ごと体験ツアー」の様子 作った串いも ○ 具体的な成果 1 水窪じゃがた、赤キビ、紫とうもろこし、アカメイモ等10種類の在来作物の特性が把握 できた。 2 水窪じゃがたの生産安定に向けた栽培指針を作成した。 3 アカメイモの生産拡大に 食味特性(抜粋) 向けた種いもが確保できた。 4 アカメイモの商品化(地 域活性化のための加工品や 体験ツアー)を図ることが できた。 アカメイモは、甘みが強い傾向 で、おいしいとの評価。 水窪じゃがた栽培指針 体験ツアー参加者満足度 ○ 今後の取組 1 水窪町では、明らかとなった在来作物の特性を活かした地域活性化策を検討する。 2 龍山町では、アカメイモの優良系統の生産拡大に向けた選抜・増殖を行うとともに、 試作した加工品の改良による商品価値の向上と知名度向上に取り組む。 推進方向2「都市との交流による活性化」(平成26~29年) ○ 普及指導員の活動 ■GT北遠支部取組体制の強化 1 会報誌「北遠だより」の発行(年2回)及 びHPの更新により、会員による情報の共同発 信を行った。 2 会員の資質向上、意識改革を図るため研究 会(年2回)を開催した。 【テーマ】顧客が共感できる情報発信、 施設間連携の成功事例から学ぶ 会報誌「北遠だより」 情報発信研究会の様子 3 施設間連携を推進するため、施設への聞き取り及び顧客へのアンケート調査を実施し た。 4 旅行会社へGT施設を紹介し、施設間連携企画の実施を働きかけた。 ○ 具体的な成果 1 GT支部会員施設 の情報を定期的に 発信できた。 2 聞き取り及びア ンケート結果から 現状と課題が明ら かになり、施設間 連携の具体的な実 行策の検討を始め た。 顧客のGT施設に関する情報入手先 施設に来た目的 3 3施設が連携し た体験ツアーを初 めて実施できた。 施設間連携により実施した体験ツアーの様子(薪割り、箸づくり、お茶の淹れ方教室) ○ 今後の取組 GT施設が連携した企画を実施し、交流促進と地域の活性化を図る。
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