テキスト

技を伝える
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考えたことありますか? 災害時のトイレ問題
困難さを体験します。
!
学
指導ポイント
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自主防災組織の関わり方
子どもたちに負担をかけすぎない程度で、状況に応じた制限を設定し、協力することの重要性を感じてもらいましょう。
トイレの水洗機能を使用せず、プールや決められた水道から汲んだ水のみを使用し、災害時のトイレの水の確保の
習の目標
☞
リヤカー、バケツなどの資機材の準備やプールなどからの汲み上げ時の指導をお願いします。
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トイレ用水の確保を自分たちで行い、避難所生活の不便さ、水
の大切さなどを学びます。
小学校高学年、
中学生以上
実技
屋内・屋外
両方可
60分
時間軸
実施内容
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対象人数★ 5 〜40 人(1グループ 5 〜 6 人)
1 事前準備
➡資料 41-1
❶ 資料41-1「トイレ用水確保の実施例」に基づき事前計画を立て、準備品を手配しま
す。
❷ トイレの水道栓を閉め、トイレの前にはこの体験学習の趣旨を書いた注意書きを貼
ります。(このメニューは学校を挙げて実施する必要があります。)
❸ 通常どおりに使用できるトイレも決めておきましょう。
準備するもの(目安)
準備品
数
備考
□資料「トイレ用水確保の実施例」
人数分
資料41-1(指導者用)
□リヤカー
必要数
□大型ポリバケツ
必要数
□バケツ
必要数
□ロープ(輸送時固定用)
必要数
□サルベージシート
必要数
プールから水を汲みあげる
2 導入 (10分)
今日の体験学習の趣旨を説明します。災害時の避難所生活と同じように、トイレの
水を出ないようにしてあること、トイレの水は自分たちで確保することなどを説明し
ます。
<阪神・淡路大震災のときはどうだったか>
❶ 避難所等でトイレの問題が困難を極めました。
❷ 下水道が破損し流れなくなった避難所では、たまると汲み取るという手段で対応
しました。また、穴を掘ったり側溝を利用するなど工夫して、トイレ問題を乗り
切りました。
❸ トイレを流す水はプールの水などを使い、飲料水を最優先としました。
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家庭への持ち帰り
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このメニューに関する+αの知識
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ひと工夫
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注意事項
体験したことを保護者の方に話してもらうよう指導してください。災害によって断水になった場合、自宅のトイレを
どうするかについて考えてみてください。
大型ポリバケツに入れて
リヤカーで運ぶ
実際の災害時には、もともと設置されているトイレを必ず使用しなければならない訳ではありません。学校には避難所
の機能として、組み立て式の簡易トイレが用意されているところもあります。
参考:阪神・淡路大震災でのトイレの惨状☞
『当然、水洗トイレの水は出ない。ほんの先程まで出ていた水も止まった。完全に水が止まっ
た。あちこちのトイレ便器は瞬く間に糞便の山。いわゆる「糞便のてんこ盛り」状態になっ た。拭いた紙クズや持ち込んだゴミ類が散乱から堆積状態になっていった。両足を置くスペー
スもないほどに溜まった。「何だ。この便器。糞の山やで!」「ともかく、ここでするしか ないのや!」』(「トイレが大変!」山下 亨 編著 近代消防社刊から引用)
<トイレで使用する水の量>
1回のトイレで使用する水の量は10リットル程度と言われています。1日の使用
量としては、10リットル×5~6回(回数)≒50~60リットルということになりま
す。1人当たりの1日の水道使用量が約220リットルという統計もありますが(平成
16年度仙台市水道局調べ)、1日に使う水の約1/4をトイレで使用することになりま
す。
3 体験学習の実施 (50分)
他の訓練メニューと併せて実施することで、防災体験をしている実感がわくでしょう。
トイレの近くなど、適切な場所に
ポリバケツを設置
プールからリヤカーで水を運ぶときなどは、事故が起こらないよう必ず大人と一緒に行いましょう。
➡資料 41-1
資料41-1「トイレ用水確保の実施例」に基づき、トイレ用水の使用・補充方法を説
明します。安全管理等、注意事項についても適宜説明します。
「BOKOMIスクールガイド 防災教育支援ガイドブック」(神戸市、財団法人神戸市防災安全公社、NPO法人プラス・アーツ)に基づき作成
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