14. The Basic Method 14.3 Spaces of polynomials 14.4 Combinatorics of linear spaces 14.5 The flipping cards game M1 太田圭亮 14.3 Spaces of polynomials 集合の要素数を線形代数の手法を用い てバウンドする. 要素と対応させたベクトルが線形独立 ならば,そのベクトルが存在する次元 でバウンドできる. Proposition14.2 ◦ m次元ベクトル空間に存在する が線形独立⇒ 14.3 Spaces of polynomials 集合の要素を多項式に対応させる. その多項式が関数空間の線形独立な要 素であることを示す. polynomial techniqueとして知られる. 多くの応用があるが,それらは次のシ ンプルで強力な補題に基づいている. Lemma 14.11 と要素 に対して関数 が以下を満たすとする. ◦ (a) ◦ (b) このとき, は 空間 独立な要素である. の線形 Lemma 14.11 証明 線形従属を仮定し,矛盾を導く. に対して である最小の を選び, を各 変数に代入. よって .これは(a)に矛盾. 14.3.1 Two-distance sets 各 を 上の点とする. 間の距離が全て等しいならば, となる. 条件を緩め,各 間の距離の取り得 る値が2つのとき, はどうバウンド できるか? このような集合を2-距離集合という. 14.3.1 Two-distance sets Theorem 14.12 ◦ 2-距離集合の要素数 証明 ◦ 集合の要素数を ,各2点間の距離が または であるとする. ◦ 各点 を次の多項式 に対応させる. 14.3.1 Two-distance sets 証明続き ◦ ◦ ◦ Lemma14.11より,各 は線形独立 Lemma14.11 ⇒各 ◦各 は線形独立 が存在するベクトル空間を考える. 14.3.1 Two-distance sets 証明続き ◦各 は次の多項式の線形結合で表わせる. ◦ これらの数は, ◦ よって,各 が属する空間の次元は高々 .よって 14.3.2 Sets with few intersection sizes Fisherの不等式を拡張する. ◦ Fisherの不等式(14.2.1) ◦ を 集合とする. ◦ 全ての に対して ◦ このとき, の部分を緩和する. の異なる部分 14.3.2 Sets with few intersection sizes 定義:L-intersecting ◦ 要素集合の部分集合族 がL-intersecting であるとは,整数の有限集合 があるとき, の任意の異なる要素A,B に対して であることをいう. のとき,Fisherの不等式. が与えられたとき, が言えるか? に関して何 14.3.2 Sets with few intersection sizes がuniformのとき, 一般には以下の定理が成り立つ. Theorem 14.13 ◦族 がL-intersectingであるとき, Polynomial techniqueを用いて証明する. 14.3.2 Sets with few intersection sizes 証明 ◦ ◦ (全ての取り得る共通部 分の大きさの集合)とする. ◦ つまり,任意の に対して, ◦ となる が存在. 14.3.2 Sets with few intersection sizes 証明続き ◦ 各集合 ◦ 明らかに ◦ のincidence vector に対して を定義する. 14.3.2 Sets with few intersection sizes 証明続き ◦ ◦ ◦ Lemma14.11より,各 は線形独立. ◦ 各 が存在するベクトル空間の次元を考 える. 14.3.2 Sets with few intersection sizes 証明続き ◦ の次数は高々 s ◦ {0, 1}nより, ◦ よって次数s以下の純単項式が基底となる. ◦ (純単項式は各変数が高々1回現れる式) ◦ その数は ◦ よって 14.3.2 Sets with few intersection sizes 本質的に同様の議論で,以下の定理の 成立が言える. Theorem 14.14 ◦ L:整数の集合,p:素数とする. ◦ が以下を満たす ◦ このとき, 少なくとも1つの に対して 14.3.3 Construction Ramsey graphs 定義 ◦ サイズtのクリーク t頂点の集合で任意の各頂点間に枝がある. ◦ サイズtの独立集合 t頂点の集合で各頂点間に枝がない. ◦ Ramseyグラフ あるグラフがサイズtのクリークも独立集合も 持たないとき,tに関するRamseyグラフという. 14.3.3 Construction Ramsey graphs 簡単に構成可能なRamseyグラフ ◦ t=5の例 できるだけnを大きくしたい. 14.3.3 Construction Ramsey graphs tが与えられたとき,tに関するRamsey グラフとなるようなグラフの頂点数n の最大値が知りたい. のRamseyグラフが構成 できることを,polynomial technique (から導かれた14.3と14.4)を用いて 証明している. 省略 14.3.4 Bollobas theorem – another proof Theorem14.16 ◦ ◦ :サイズrの集合と :サイズsの集合が ◦ を満たすとき, polynomial techniqueを用いて証明. 省略. 14.4 Combinatorics of linear spaces 代数的特徴を用いて様々な結果を述べ てきた. 今度はcombinatorialな特徴を用いて出 来る証明を紹介する. 14.4.1 Universal sets from linear codes 定義: (n, k)-universal (cf.11.3) ◦ が(n, k)-universalであるとは, ◦ 任意の部分集合 ◦ に対して,AのSへの射影 位を含む. 射影 が の配 14.4.1 Universal sets from linear codes (n, k)-universalの例 ◦ n=3,k=2のとき ◦ よってこのAは(3, 2)-universal 14.4.1 Universal sets from linear codes 定義: 線形符号(linear code) ◦ 長さnの(2進)線形符号 とは, の線形部分空間となる2値ベクトルの 集合 定義: 最小距離(minimal distance) ◦ Cの異なる2要素間のハミング距離最小値. 線形符号Cの最小距離は,最小重み(ハ ミング重みの最小値)と一致する. ◦ ∵線形符号には零ベクトルが含まれる 14.4.1 Universal sets from linear codes Proposition 14.17 ◦ を長さnの線形符号とし, ◦ の最小距離をk+1とする. ◦ このとき, は(n, k)-universal 証明 ◦ ◦ は とすると, の線形部分空間. 14.4.1 Universal sets from linear codes 証明続き ◦ (Proposition14.2より) ◦ が真部分空間(proper subspace)である. ◦ ⇔任意のベクトル が非自明な線形 関係 を満たし,その台 (support) が に含まれる. ◦ の要素は全ての関係 ◦ その最小距離は, 以下. ◦ より,Cは(n, k)-universal. 14.4.2 Short linear combinations 0-1ベクトルの集合Aが与えられたと き,Aの高々k個のベクトルの和で spanAの全てのベクトルが表せるよう な最小のkについて知りたい. このkをspanning diameterという. を満たすαを用いてk をバウンドする定理を証明. 省略. 14.5 The flipping cards game 線形結合や内積がベクトルの有用な情 報を符号化するために使われることが 多い. あるゲームを例にこの手法を紹介する. 14.5 The flipping cards game 長さ n の2つの0-1ベクトル 限られたビットへのアクセスで かどうか判定したい. 任意の瞬間に各 の内,高々1つし か見ることができない. この問題を次のようなゲームに対応さ せる. 14.5 The flipping cards game 表 :u 1 0 0 1 1 裏 :v 対応するビットの数字が両面に書かれ たn枚のカードがある. 全てのカードを見ることができるが, 片面しか見えない. 14.5 The flipping cards game 1 0 0 1 1 カードから得られる 情報を書き込む 1回の探査(probe) ◦ 1枚以上のカードをめくる. ◦ カードから得られる情報を再利用不可の メモリに書き込む. ◦ 次の探査後には新しいメモリを使う. 14.5 The flipping cards game 今見えているカードとメモリの情報か ら,全てのカードの両面が一致してい るかどうかわかるまで探査を繰り返す. できるだけ少ないメモリで判定したい. nビットあれば十分なことは自明. ◦ をそのままメモリに書き込み,全ての カードをめくって を見れば判定できる. 14.5 The flipping cards game Theorem 14.21 ◦ のとき, 回の探査と ビットの書き込みで判定できる. 証明(プロトコルを示す) ◦ と を長さ の要素に分割する. ◦ 初めの探査で を見て を計算し,メモ リに書き込む.( ビット使用) ( 上の演算) 14.5 The flipping cards game 証明続き ◦ 次の 回の探査を次のように行う. 回目の探査に, 番目の要素のカード( 枚) をめくる. を計算する. 得られた ◦ が と一致するか調べる. 全てが そうでなければ と一致すれば と判定する. , 14.5 The flipping cards game 証明続き ◦ このプロトコルの正しさを示す. と判定したとき,2回目の探査の後 より, となる. 以降同様の議論により, となる. 14.5 The flipping cards game Theorem14.22 ◦ 回の探査と,1回の探査当たり ビットの書き込みで判定できる 証明(概略)
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