社会保険ワンポイント情報

株式会社
2015.07.20
全就連
社会保険ワンポイント情報
6号
今月のテーマ
算定基礎届
算定基礎届とは被保険者が実際に受ける報
酬と、すでに決定されている「標準報酬月額」
に大きな差が出ないように、毎年1回、標準報
酬月額を見直す作業をいいます。
原則として7月1日現在の被保険者全員につ
いて、4月・5月・6月に受けた報酬の届出を行
い、その年の9月以降の標準報酬月額を決定
します。 この決定を「定時決定」といい、定時
決定を行うために年金事務所に提出する届書
を「算定基礎届」といいます。
算定基礎届のポイント!
●算定基礎届の対象者
7月1日現在の被保険者全員です。
ただし、つぎに該当する人は、対象から除か
れますので、本年度の「算定基礎届」の提出
は必要ありません。
・本年6月1日以降に被保険者の資格を取得
した人。
・4月~6月の固定的賃金の変動により、標準
報酬月額が2等級以上の差が生じ、随時改
定に該当した人。
●標準報酬月額の決定方法
4月・5月・6月(これを算定基礎月といいま
す)に受けた報酬の平均月額を標準報酬等
級区分にあてはめて、標準報酬月額を決定し
ます。この標準報酬月額の決定には、4月・5
月・6月の報酬の「支払基礎日数」が17日以
上あることが必要とされていますので、17日
未満の月がある場合には、その月を除いて決
定します。
● 社会保険における報酬の範囲
社会保険上の「報酬」とは、「賃金」「給料」「手
当」「賞与」などの名称を問わず、労働者が労
働の対償として受けるすべてのものとなりま
す。もちろん金銭(通貨)に限らず現物で支給
されるものも含まれます。下記のように報酬に
該当するものと該当しないものがあります。
<報酬に該当するもの>
基本給、諸手当(残業手当、通勤手当、住宅
手当、家族手当、役付手当、 勤務地手当、
日・宿直手当、勤務手当、能率手当、精勤手
当など)、賞与(年4回以上のもの)、現物で支
給される食事・食券、通勤定期券、社宅など
<報酬に該当しないもの>
賞与(年3回以下のもの→標準賞与額の対
象) 大入袋、見舞金、解雇予告手当、退職
金、出張旅費、交際費、慶弔費など
年金事務所の定時決定時調査
算定手続きの際に、日本年金機構が数年
に一度実施する定時決定時調査がありま
す。この調査は社会保険の適用が適正に
行われているかを確認するためのもので、
該当する事業所には、算定基礎届提出日
が指定されたご案内が送付されています。
この調査では主に以下の内容について確
認されます。
(1)パート・アルバイト等の取得漏れ
(2)入社日と資格取得日の相違
(3)年金受給者の取得漏れ
(4)随時改定(月額変動届)の手続き漏れ
(5)資格取得時決定時の標準報酬月額と実
際の賃金額との差異