平成26年6月21日 日本産科婦人科学会総会フォーラム 「わが国の周産期医療の持続的発展のため 産婦人科医勤務体制の抜本的改善を目指す」 わが国の周産期医療システム の現状と展望 海野信也 日本産科婦人科学会医療改革委員会委員長 (北里大学病院長) 日本産科婦人科学会 性別年齢別会員数 2005年11月 450 400 350 300 女性 男性 250 200 150 100 50 0 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 2 日本産科婦人科学会 性別年齢別会員数 2013年11月 450 400 350 女性 男性 300 250 200 150 100 50 0 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 3 600 日本産科婦人科学会 年度別入会者数(産婦人科医) 2014年3月31日現在 500 400 262 300 214 238 200 100 0 241 299 274 243 231 213 202 93 190 192 176 177 159 161 152 137 53 116 133 48 50 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 女性 男性 主たる診療科が産婦人科+産科の医師数 全体・年齢別推移(平成8年ー24年) 12000 244 924 1136 991 804 728 1410 1217 1406 376 1058 917 808 710 1071 1215 1290 1379 1154 1182 1070 1066 H8 H10 538 945 788 711 658 1287 1123 1351 1244 681 744 672 610 876 1201 1139 1370 1170 1202 1212 1001 1109 H12 H14 85歳以上 80-84 670 609 561 600 1066 1069 1210 369 349 650 427 467 476 878 404 422 477 1048 1013 995 1012 1174 1067 1231 1257 1046 1120 1271 1158 1133 505 534 503 589 1264 1127 1090 1154 1191 1145 1230 1250 1294 1213 1263 1283 1429 837 550 612 705 701 H16 H18 H20 H22 H24 1282 1144 1238 10000 75-79 70-74 8000 65-69 60-64 6000 55-59 50-54 4000 45-49 40-44 35-39 2000 30-34 25-29 0 医師・歯科医師・薬剤師調査より 24歳以下 主たる診療科が産婦人科+産科の医師数 男性・全体・年齢別推移(平成8年ー24年) 12000 85歳以上 80-84 77 202 836 1011 916 762 676 1310 1081 1177 10000 72 324 948 826 749 670 993 1115 1135 1119 111 507 834 725 673 617 1195 1001 136 610 658 629 571 812 1109 1015 1169 1138 958 875 581 825 545 778 460 887 694 441 H8 H10 H12 H14 75-79 70-74 204 589 558 528 564 990 985 1066 1006 802 653 285 H16 300 433 495 468 549 1099 8000 340 369 431 442 805 306 356 391 442 970 231 343 322 596 942 980 895 897 65-69 60-64 6000 55-59 50-54 4000 45-49 938 981 1080 1058 40-44 1076 1048 796 738 476 195 H20 855 725 600 528 222 H24 35-39 872 735 575 148 H18 898 778 666 479 228 H22 2000 30-34 25-29 0 医師・歯科医師・薬剤師調査より 24歳以下 主たる診療科が産婦人科+産科の医師数 女性・全体・年齢別推移(平成8年ー24年) 4000 24 42 88 125 75 42 52 100 136 229 279 489 30 52 110 91 59 40 78 100 155 260 357 521 11 31 111 63 38 41 92 122 182 286 424 541 26 71 86 43 39 64 92 124 232 283 518 668 31 81 51 33 36 76 84 144 276 43 72 39 35 40 75 108 188 255 342 410 585 638 43 58 36 34 73 87 139 223 294 492 787 56 48 31 35 78 100 151 260 39 26 27 54 71 115 199 278 804 3000 2500 2000 1500 1000 402 417 477 479 0 H8 H10 H12 H14 H16 H18 H20 H22 65-69 60-64 55-59 45-49 40-44 35-39 500 552 70-74 50-54 694 901 80-84 75-79 466 376 584 3500 85歳以上 H24 医師・歯科医師・薬剤師調査より 30-34 25-29 24歳以下 主たる診療科が産婦人科+産科の医師数 都道府県別・全体・平成24年と平成18年の間の変化 250 208 200 150 113 100 84 50 31 53 23 10 8 14 15 30 15 0 3 30 17 2 7 9 16 2 1 8 3 -10 2 -9 12 2 4 20 -4 -15 道 森 手 城 田 形 島 城 木 馬 玉 葉 京 川 潟 山 川 井 梨 野 阜 岡 知 重 賀 都 阪 庫 良 山 取 根 山 島 口 島 川 媛 知 岡 賀 崎 本 分 崎 島 縄 -8 30 01 北 海 02 青 03 岩 04 宮 05 秋 06 山 07 福 08 茨 09 栃 10 群 11 埼 12 千 13 東 14 神 奈 15 新 16 富 17 石 18 福 19 山 20 長 21 岐 22 静 23 愛 24 三 25 滋 26 京 27 大 28 兵 29 奈 30 和 歌 31 鳥 32 島 33 岡 34 広 35 山 36 徳 37 香 38 愛 39 高 40 福 41 佐 42 長 43 熊 44 大 45 宮 46 鹿 児 47 沖 -50 -3 -11-12 -22 191114 6717 4 47 6年間に全体として794名の増加が認められていますが、このうち505名、64%が東京、大 阪、神奈川、名古屋、福岡という大都市圏5都府県での増加でした。その一方、山形、福島、 栃木、群馬、山梨、鳥取、高知、長崎、熊本の9県では産婦人科医は減少していることがわ かりました。 医師・歯科医師・薬剤師調査より 分娩取扱医療施設数の変化 (厚生労働省・医療施設静態調査) 5000 診療所 病院 4500 4000 3500 3000 2490 2271 2500 2072 1803 1612 2000 1441 1357 1500 1000 1796 1720 1625 500 1503 1321 1126 1070 2002 2005 2008 2011 0 1993 1996 1999 2011年の数値には、医療施設調査では欠けている石巻医療圏、気仙 沼医療圏、福島県全域の施設数を「周産期医療の広場」調査から 加えて表示した。 2010年4月22日 産婦人科医療改革グランドデザイン2010 ー骨子ー http://shusanki.org 日本産科婦人科学会医療改革委員会 グランドデザインにおける目標 • 20年後、90万分娩に対応する。 • 地域で分娩場所が確保されている。 • 病院において労働関連法令を遵守した医師の勤務 条件が確保されている。 • 女性医師がそのライフサイクルに応じた勤務形態で 継続的に就労することが可能になっている。 • 産婦人科医及び助産師不足が発生していない。 • 世界最高水準の産婦人科医療提供が安定的に確 保されている。 産婦人科医療改革グランドデザイン2010:骨子(案) その1 • 本グランドデザインは、単なる将来の産婦人科医療体制の予測ではな く、より望ましい産婦人科医療体制を実現するための現時点における 行動指針として検討されたものである。 • 産婦人科医師数:年間最低500名の新規産婦人科専攻医を確保す る。 – 社会の理解と協力を要請するとともに、行政(国、地方自治体)、学会、医学 部産婦人科、研修指定病院が中心となって新規専攻医増加のための協力体 制を構築する。 – 産婦人科医の質の向上のため、産婦人科専門医育成制度の改革を着実に 進めていく。 • 助産師数:助産師養成数を年間2000名以上まで増員する。 – 助産師養成システムの再検討を行う。 – 助産師がすべての分娩施設で分娩のケアにあたる体制を整備するため、特 に診療所への助産師の配置に対してincentiveを付与する。 産婦人科医療改革グランドデザイン2010:骨子(案) その2 • 勤務環境: – 分娩取扱病院:勤務医数を年間分娩500件あたり6-8名とす る。 • 月間在院時間240時間未満を当面の目標とする。 • 勤務医の勤務条件緩和、処遇改善策を推進する。 • 特に女性医師の継続的就労率の増加を図る。 – 産科診療所: • 複数医師勤務、助産師雇用増等により、診療所医師の負担を軽減す るとともに 診療の質の確保と向上を図る。 • 勤務環境の改善と診療の質の向上のために、診療規模の拡大を志 向していく 産婦人科医療改革グランドデザイン2010:骨子(案) その3 • 地域周産期医療体制: – 地域の周産期医療体制整備を推進し安全性を確保する。 – 分娩管理の効率化と多様性を確保するため分娩数全体の2分 の1から3分の2を産科診療所または産科専門施設*で担当す る。 • 地域分娩環境を確保するため、産科診療所の新規開業、継承、事業 拡大、事業継続への積極的incentive付与を行う。 • 産科診療所の事業拡大を促進するため、新たな施設形態としての「産 科病院」の導入を検討する。 • 産科専門施設*:低リスク妊娠分娩管理を中心とする医療施設。妊産 婦の多様なニーズに効率的に対応する。複数の医師が勤務し、緊急 帝王切開が実施可能であることが望ましい。 • 直近の診療所の出生の割合は都道府県によって幅があり26%から 73%(全体では48%)となっている(2008年人口動態調査)。 産婦人科医療改革グランドデザイン2010:骨子(案) その4 • 地域周産期医療体制(続き): – 地域ごとに、その地域の実情に即した医療施設の配置等を 検討し、現実的でかつ安全な分娩取扱が可能な地域周産 期医療体制を構築する。 – 限られた医療資源を最大限に活用するため、診療機能及び 妊産婦・患者のバランスのとれた集約化と分散により、安 全、安心、効率化の同時実現を目指していく。 – 麻酔科、新生児科、救急関係諸診療部門を擁する周産期セ ンターを中心とした周産期医療システムを各地域に整備す る。 – 施設内連携を強化する。 産婦人科医療改革グランドデザイン2010:骨子(案) その5 • 地域周産期医療体制(続き): – 地域における一次施設から三次施設までの施設間連携を 強化し、周産期医療における安全性の向上を図る。 – 診療ガイドラインの作成やその普及等により周産期医療の 標準化を推進し、周産期医療の質の向上に寄与する。 • 上記施策を5年間継続し、成果を確認した上で、計画 の再評価を行う。 女性人口10万人当たりの平均産婦人科医師数 0 チェコ共和国 ギリシャ イタリア スロヴァキア共和国 ドイツ オーストリア イスラエル エストニア スイス メキシコ スロヴェニア ルクセンブルク ポルトガル スウェーデン OECD34 アメリカ ポーランド スペイン ベルギー フランス イギリス アイスランド ハンガリー 韓国 フィンランド ノルウェー デンマーク オーストラリア トルコ 日本 オランダ チリ アイルランド カナダ ニュージーランド 10 20 30 40 50 60 (女性人口10万あたり人数) 41.9 40.0 38.8 38.1 37.2 37.1 35.7 33.8 32.4 30.8 28.8 28.3 27.3 26.5 26.0 24.7 24.1 24.0 23.8 23.3 23.2 22.6 21.8 19.7 18.7 18.4 17.1 15.6 15.4 15.3 15.3 14.9 14.5 49.5 49.3 「Gynecologists and obstetricians per 100000 women,2011」 OECD Health at a Glance 2013 OECD INDICATORS 90万分娩に対応可能な 産婦人科医療提供体制(試算2) • 仮定 – 90万分娩を、病院で30万件、診療所で60万件担当するものと仮定する。 – 診療所医師は年間200分娩を担当するものとする。 – 病院には当直者を500分娩に一人おくものとする。 • 病院には全体で600名以上の当直者、診療所医師は全体で3000名以 上必要になる。 分娩取扱診療所医師数の現状 500分娩あ たりの当直 月間在院時間 担当者数 5 274 6 255 施設 数 医師数 周産期セン ター・特定機 能病院 150 2000 400 7 241 一般病院 8 231 診療所 合計 36004800 1500 3000 2050 86009800 年齢 医師数 30-39 141 40-49 513 50-59 671 60-69 422 70-79 233 80- 127 合計 2107 わが国の産婦人科workforce予測 その2 学会員の医療従事率72%、女性医師の実働率75%、 今後新規学会員が年間男性200名、女性300名として試) Workforceは10年で13%、20年で28%増加する 従事医師数(2008 年) 大学病院 一般病院 診療所 現在 (2009年) 10年後 30歳代 40歳代 50歳代 918 1281 294 418 1081 837 171 837 1179(60歳代880) 学会員数(男性 1473; 女性1897) 学会員数(男性 2670; 女性393) Workforce試算値 Workforce試算値 Workforce試算値 2085 学会員数(男性 2000; 女性3000) 2127 学会員数(男性 1473; 女性1897) 学会員数(男性 2000; 女性3000) 2085 学会員数(男性 2000; 女性3000) 学会員数(男性 2248; 女性941) 2955 7167 2127 学会員数(男性 1473; 女性1897) Workforce試算値 Workforce試算値 Workforce試算値 3060 6347 2135 Workforce試算値 Workforce試算値 Workforce試算値 2955 20年後 学会員数(男性 2248; 女性941) Workforce合計 2085 8100 600 日本産科婦人科学会 年度別入会者数(産婦人科医) 2014年3月31日現在 500 400 262 300 214 238 200 100 0 241 299 274 243 231 213 202 93 190 192 176 177 159 161 152 137 53 116 133 48 50 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 女性 男性 産婦人科常勤医師数の推移 2006年比(昨年比) 10902 10947 11049 総数 +984 (+102) 2671 2606 2546 +200 (-60) 472 483 478 +86 (-5) 2188 2172 2145 -125 (-27) 12000 10212 10065 10000 10525 9879 9208 2619 2580 2346 2444 2271 8000 392 451 449 408 373 6000 2270 2213 2256 2112 2079 +823 (+194) 4000 5057 2000 4485 4927 4915 5242 2008 2009 2010 5571 5686 5880 2011 2012 2013 0 2006 病院(産科) 2007 診療所(産科) 病院(婦人科) 診療所(婦人科) 昨年比で分娩取 扱い病院以外、 全ての施設で医 師数が減少し、全 体では100名の増 加に止まる。 21 日本産婦人科医会施設情報調査2006-2013 分娩取扱い病院勤務医師の就労環境 1カ月当たりの平均当直回数の推移 平成12年 7 平成20年 6.3 5.9 6 平成21年 6 5.8 5.7 平成22年 5.6 平成23年 5 4.7 平成24年 4.7 4.6 4.5 4.2 平成25年 4.1 4.2 4.2 4.1 4.1 4.2 4 4.1 4 3.7 3.9 3.7 3.5 3.5 3.4 3.3 3.2 3.1 2.9 3 3 3 3 2.7 2.3 2.1 2 当直回数は院内トップ 就労環境は改善していない 1 0 産婦 救急 小児 内科 外科 22 日本産婦人科医会勤務医部会調査2008-2013 1カ月の推定在院時間 350 300 317 28 317 314 28 30 304 300 296 28 28 28 250 労働基準法 (週40時間) 200 150 過労死の 認定基準 289 288 284 276 272 268 当直中睡眠時間 100 実労働 50 1ヶ月の在院時間は300時間を下回る 0 2008 2009 2010 2011 2012 2013 23 日本産婦人科医会勤務医部会調査2008-2013 分娩取扱病院の常勤医師の内訳 5000 4500 932 375 4000 934 424 413 768 1028 3500 846 1015 1061 878 860 3000 男性はほぼ横ばい 女性は1.5倍に増加 2500 2000 1500 妊娠・育児 3123 2862 2732 2823 2939 女性医師は30% 1000 妊娠育児中10% 女性 男性 3019 女性医師は40% 妊娠育児中20% 500 0 2008 2009 2010 2011 2012 2013 24 日本産婦人科医会勤務医部会調査2008-2013 2007年~2013年全国アンケート調査の比較 2013年 2012年 1103 1,112 対象施設 795(72.2) 793(71.3) 有効回答(%) 分娩数 510.8 501.0 1施設あたり 81.8 83.6 常勤医1名あたり 1施設あたりの医師数 6.2 6.0 常勤医 2.5 2.4 非常勤医師 296 300 推定平均在院時間(1カ月) 当直 5.6 5.7 回数(/月) 193(24.3) 172(21.7) 翌日勤務緩和(%) NA NA 手当増額(%) 463(58.2) 467(58.9) 分娩手当(%) NA 122(15.4) 特殊手当(%) 57(12.1)** ハイリスク加算の還元(%) 59(10.2)** * 2006年度定点調査より換算 **ハイリスク加算の請求がある施設における頻度 NA: not applicable. アンケート結果冊子36ページ表23参照 2011年 1,118 754 (67.4) 2010年 1,142 769 (67.3) 2009年 1,157 823 (71.1) 2008年 1,177 853 (72.5) 2007年 1,281 794 (62.0) 507.0 85.9 498.3 90.9 499.8 88.9 474.8 98.3 446.3 98.4 5.9 2.0 304 5.5 1.9 314 5.6 1.9 317 4.9 1.9 317 4.5 1.5 NA 5.8 163(21.6) NA 427(56.6) 139(18.4) 6.3 156 (20.3) 130 (16.9) 416 (54.1) 154 (20.0) 6.0 156 (19.0) 144 (17.5) 339 (41.2) 143 (17.4) 5.9 142 (16.7) 124 (14.5) 230 (27.0) 110 (12.9) 6.3* 58(7.3) 73 (9.2) 61 (7.7) 41 (5.2) 47(10.3)** 42 (9.5)** 39 (8.2)** 66 (7.7) 5 (0.6) 25 日本産婦人科医会勤務医部会調査2008-2013 アンケート結果冊子37ページ表24参照 女性医師支援に関する調査結果の比較 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 1103 1,112 1,118 1,142 1,157 1,177 対象施設 795(72.0) 793(71.3) 754(67.4) 769 (67.3) 823 (71.1) 853 (72.5) 有効回答率(%) 1,947(39.2) 1,812(38.1) 1,628(36.6) 1,485(35.2) 1,503(32.5) 1,259(30.6) 集計された女性医師数(%)** 妊娠・育児中の女性医師数 932(47.9) 934(51.5) 768(47.2)* 424 (28.5) 475 (31.6) 413 (32.8) (%)*** 院内保育所の設置状況 526(66.2) 494(62.3) 457(60.6) 426 (55.4) 436 (53.0) 399 (46.8) 設置施設数(%)**** 190(23.9) 149(18.8) 122(16.2) 92 (12.0) 85 (10.3) 80 (9.4) 病児保育(%)**** 183(23.0) 151(19.0) 114(15.1) 135 (17.6) 134 (16.3) 111 (13.0) 24時間保育(%)**** 198 174 190 172 163 163 利用者数 101(12.7) 104(13.1) 86(11.4) 72 (9.4) 79 (9.6) 110 (12.9) 代替医師派遣制度(%)**** 妊娠中の勤務緩和 375(47.2) 384(48.4) 363(48.1) 359 (46.7) 378 (45.9) 388 (45.5) 制度がある(%)**** 22.9 21.9 21.8 22.0 22.5 23.3 緩和される週数 育児中の勤務緩和 345(43.4) 338(42.6) 314(41.6) 338 (44.0) 363 (44.1) 346 (40.6) 制度がある(%)**** 20.5 17.9 20.6 14.7 17.5 15.3 緩和される期間(月) *妊娠中:123人(7.6%)、育児中(就学前):477人(29.3%)、育児中(小学生):168人(10.3%)を別に集計(重複有り) **全医師数に対する頻度 ***全女性医師数に対する頻度 ****全施設に対する頻度 NA: not applicable. 26 日本産婦人科医会勤務医部会調査2013 わが国の産婦人科医の経験年数別 分娩取り扱い施設勤務率‐男女 2006年調査 (%) 100 89.3 81.6 80 82.0 80.0 6年~10年 (n=833) 11年~15年 (n=963) 61.2 52.2 60 40 20 0 2年~5年 (n=670) 6年~10年 (n=747) 11年~15年 (n=502) 16~22年 (経験年数) 2年~5年 (n=466) 女性 16~22年 (経験年数) 男性 ※n数は医師数 2013年調査 (%) 100 約10%増加 94.6 93.1 80 87.2 82.0 80.7 11年~15年 (n=573) 16~22年 (n=958) 76.8 62.8 60 55.0 40 20 0 2年~5年 (n=627) 6年~10年 (n=463) 11年~15年 (n=400) 女性 16~22年 (n=469) (経験年数) 2年~5年 (n=426) 6年~10年 (n=431) 男性 (経験年数) ※n数は医師数 日医総研ワーキングペーパー No. 314 第2回女性医師を中心とした産婦人科医の就労状況についての調査 現状の評価 • 産婦人科数は微増している。男性医師は減少し、女性医師が増 加している。 • 産婦人科医が増加しているのは大都市圏に限られ、減少している 県も多い。 • 病院の産婦人科診療現場は若い女性医師が多数派となっている。 • 病院勤務女性医師の中で、妊娠・育児中の女性医師が増加して いる。 • 院内保育所や妊娠・育児中の女性医師に対するさまざまな勤務 緩和制度の整備は進んできている。 • 女性医師の分娩取扱施設からの離脱傾向については、7年前と比 較して10%程度の減少が認められるようになった。 • 新規専攻医は一時的に増加したが、直近の3年間は連続して減少 しており、目標の500名には全く達していない。 • 産婦人科勤務医の過酷な勤務実態に、明確な改善傾向は認めら れていない。 – 評価指標:在院時間・当直業務従事医の当直回数 勤務環境の改善のために 産婦人科として取り組めること • 分娩取扱病院の集約化・大規模化 – 当直できる医師数を増やし、当直回数を減少させる。 – 交代勤務制を導入する。 • 主治医制の廃止 – グループ診療を行うことにより、個々の医師の負担を軽減す る。(当直者以外の時間外業務を減少させる) • 地域産婦人科施設間連携の強化 – オープンシステム・セミオープンシステムの導入促進 • 診療科間、職種間の業務分担の見直し – 助産師外来・院内助産の導入促進 平成25年4月12日 産婦人科勤務医の勤務条件改善のための提言 公益社団法人 日本産科婦人科学会 理事長 小西 郁生 • 産婦人科医は、分娩取扱施設の大規模化と交代勤務制の導入 を推進すること。 • 産婦人科医は、他の診療科の医師および他職種との連携を強化 することを通じて、勤務環境の改善に努力し、産婦人科医として の本来業務の遂行に支障のない体制の整備に努力すること。 • 医療機関の責任者は、産婦人科医の労働実態を正確に把握し、 医師及び医師以外の職種の職員の増員を行うこと等によってそ の勤務条件の緩和のために最大限の努力を行うとともに、時間 外労働に対して適正な割増賃金を支払う等、適切な処遇を行うこ と。 • 国は、医療機関が赤字に陥ることなく適正な時間外割増賃金を 支払うことが可能なよう、診療報酬等の対応を適切に行うこと。 平成26年度 医療改革委員会の取り組み • 全国の産婦人科医の勤務実態を詳細に調査する。 – 個別医師の年齢と性別による分娩および当直業務従事 実態を把握する。 – 将来にわたるワークフォース把握をより精緻化する。 • 産婦人科医療改革グランドデザイン2015の策定 – 地域分娩環境確保の方策を検討。 – 地方における持続可能な産婦人科医療提供のあり方に ついて再検討する。 – 大都市圏における分娩取扱病院の集約化の進め方に関 する学会としてのガイドラインを示す。 – 産婦人科専攻医を再び増加させるための方策の検討。 – 産婦人科診療領域の診療科間役割分担の見直し。 方向性を明確に • 現状維持で満足してはならない。 • 産婦人科医の勤務環境をより魅力あるものとす るために、学会として主体的に取り組んでいく。 • 原則は、分娩取扱病院の集約化・大規模化の推 進を通じて、柔軟でゆとりのある勤務環境を確 保すること。 – 特に大都市圏の分娩取扱病院の集約化・大規模化 を推進する。 – 分娩取扱病院数を現状の1100施設から600施設まで 減少させる。 • 地域分娩環境は、産科開業医、産科専門病院 等の一次施設との密接な連携を通じて確保して いく。
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