それでは 31歳女性 主訴:頭痛 2~3年前から月に10~15日間くらいは肩こり、頭 重感を伴う頭痛がある 頭痛は片側性のことが多く、重たい感じの痛み 天気の悪い時に悪化しやすい 甘草を含有する方剤を飲むと浮腫を来す 脈:滑 舌:淡白・白苔 肩こりとあるのでそれだけだと(よく話を聞いて いた人は)パターン③にとりたくもなりますが、 これはミスディレクションです 悪天候で増悪、浮腫、頭重感を伴う重たい感 じの痛み、滑脈、舌:白苔という辺りからパター ン①(証:水飲) 処方は五苓散(甘草で浮腫が増悪することか らも、甘草を含む葛根湯は避けるべき) 37歳女性 数年前から常に頭重感を伴う肩こり、側頭部痛、 後頭部痛~背筋痛 疲労と悪天候、寒冷でいずれの症状も悪化 月に2~3回、頭痛が悪化した時には拍動性に やせ気味で食も細い 脈:やや細 舌:胖大・白苔 症例としては合わせ技一本なので、完答正解 まで辿り着くのは難しいです 食が細く、痩せており、疲労で悪化する点、脈 がやや細い点から気虚を取って下さい ここでさらに悪天候や寒冷による後頭部痛~ 背筋痛、肩こりの悪化が気虚によって容易に 風寒を感受していることが分かれば、証を経 輸不利ととり、葛根湯の処方となります ここまで出来ていたら正解とします 悪天候で悪化する頭重感を伴う頭痛や、舌: 胖大・白苔は痰飲の証です 単純には五苓散でも良さそうですが、この人 は根本に気虚がありそうなので、半夏白朮天 麻湯の方がベターです ここまでとれたらカンペキです 60歳女性 主訴:慢性頭痛、不眠 数年前から連日起こる頭痛がある 常に頭重感があり、焦燥で悪化する 後頭部から側頭部にかけて締め付けられるような 痛みが起こり、時に拍動性 倦怠感、顔ののぼせ、耳鳴りを伴う 焦燥とのぼせを伴う不眠もある 脈:弦 舌:偏紅・瘀点・白苔 焦燥感や、焦燥感で悪化する締め付けられる ような頭痛、弦脈は肝気鬱結の症状 つまり肝鬱が化熱し、上炎して、のぼせや耳 鳴り、不眠を引き起こしています(肝気鬱結・ 肝鬱化熱・肝火上炎) よって処方は加味逍遙散です(パターン③の 追加分)
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