当事者宣言の社会学 コメント 〜ジェンダー研究の経験から〜 上野千鶴子 立命館大学特別招聘教授 当事者+宣言 • • • • • • • Q「当事者」とは誰か? =社会的少数者 スティグマ化、排除、抑圧、差別の対象 Q「宣言」とは何か? =カテゴリーへの同一化Identification, Identity Q IDとは何か? =存在証明(支配者からの要求に応える「お前は 何者か?」への答、マジョリティには要求されな い) Qカテゴリーとは何か? • 「カテゴリー」とは集合的なものである • 「カテゴリー」へは、同一化することもしないこ ともできる • 「カテゴリー」はつくりかえることも、再定義す ることもできる カテゴリー×同一化 集合的カテゴリー 否定的 孤立、不 安、パッ シング 排除、抑 圧、差別 同一化+ 同一化ー 自尊、自 由、解放 SHG、ピ ア、対抗、 社会変革 集合的カテゴリー 肯定的 事例1 同性愛者 集合的カテゴリー 否定的 違和感 おかま、 同性愛 同一化+ 同一化ー クイア カミング アウト・ ゲイ 集合的カテゴリー 肯定的 事例2 障がい者 集合的カテゴリー 否定的 孤立 同一化ー 差別、不 自由 同一化+ アブノーマ ライぜー ション ノーマライ ゼーション 集合的カテゴリー 肯定的 事例3 性暴力被害者 集合的カテゴリー 否定的 違和感、 PTSD 自責、自 罰、自己 嫌悪 同一化+ 同一化ー 自尊、回 復 告発、訴 訟、申し 立て 集合的カテゴリー 肯定的 事例4 慰安婦 集合的カテゴリー 否定的 沈黙 同一化ー 慰安婦 同一化+ 個人補 償、国 籍離脱 日本軍 性奴隷 集合的カテゴリー 肯定的 移行過程? 集合的カテゴリー 否定的 孤立 同一化ー 差別 同一化+ ユニバー サル・デ ザイン 対抗 集合的カテゴリー 肯定的 集合的カテゴリーへの同一化の効果 • • • • • 社会的可視性visibility 統合的なアイデンティティの獲得 ピア・サポート 社会的承認 社会変革のための実践 Qピアとは誰か? • =集合的カテゴリーへの同一化を果たした者 たちの集団 • 効果)集団外との境界の維持/集団内の差 異の抑圧 • =カテゴリーによる言説遂行的実践の効果 • Cf. Sisterhood is global. (ジェンダー本質主義 ではない) Q集合的カテゴリーへの同一化なしに クレイム申し立ては可能か? • • • • • Q誰が?WHO Q誰に?TO WHOM Q何を?WHAT Qいかに?HOW Q何を獲得したいのか?GOAL
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