93. 高齢社会

93. 高齢社会
人口はなぜ、増えたり減ったりするのだろう
か?
たとえば、社会が成長する段階にあるときは、
産業技術も急速に発達して、その社会が養うこと
のできる人数が増えるため、人口は増える。
 人口為什麼會一下下增加一下下減少呢
 例如、當社會處於成長階段的時候,產業技術也
快速的發展,因為那個社會能養育的人數增加,
所以人口增加。
急速に【きゅうそくに】迅速、快速
 養う【やしなう】養育、扶養

しかし、大人になれば身体の成長が止まるよう
に、社会がある程度成長して人々が今の生活に満
足するようになると、やがて技術の進歩も止まり、
社会が受け入れられる人口の数も少なくなる。
やがて社会全体の人口も、自然に減っていくの
である。
 可是、為了變成大人的話身體就會停止成長,社
會有某種程度的成長讓人們變得滿足於現在的生
活,最後技術的進步也停止,社會可以接受的人
口數也變少了。
 最近社會全體的人口也自然地在減少
日本でも江戸時代の初期のころは、社会が安定
していて、農業の技術も急速に進歩した。人口は
1200万人から120年の間に3100万人ま
で、一気に3倍近くになたと言われている。
 在日本江戶時代初期的時候,社會很安定,農業
的技術也快速地進步。據說在120年期間人口從
1200人萬到3100萬人,一口氣增加了3倍。
が、中期になって、技術が一定レベルに達すると
人口が減少し始めて、明治維新までほとんど増えな
かなったのである。その後、近代工業文明が発展し、
一定レベルに達した現在も、人口が増えなくなった
状態だと言われている。



但是,到了中期,技術到達一定的程度和人口開始
減少,到明治維新幾乎沒有再增加的狀態。在那之
後,近代工業文明的發展,達到一定的等級,據說
現在人口沒有再增加的狀態
明治維新【めいじいしん】明治維新
減少する【げんしょうする】減少
そして、2005年、ついに日本の人口は減少
し始めた。このまま行けば、50年後には、半分
の人口になってしまうと言われている。確かに、
これまで以上に日本の経済が発展することは考え
られないだろう。
 而且,終於在2005年日本的人口開始減少。就這
樣進展的話,也有人說50年以後會變成一半的人
口。確實,比起以前到現在日本的經濟發展無法
想像。
厚生労働省の発表では、2004年の合計特
殊出生率は1.289で、過去最低の記録であった。
少子化は進む一方で、反対に65歳以上の高齢者
は増える一方だ。5人に1人は高齢者と言われる日
本は、まさに少子高齢化社会なのである。
 在厚生勞動省的發表,2004年的出生率是
1.289,是過去最低的紀錄。少子化增加的另
一方面,相反的65歲以上的高齡者增加。據說5
個裡面就有一位是高齡者的日本,即將變成少
子高齡化社會。

厚生労働省【こうせいろうどうしょう】厚生勞動省
このように人口が減少していく社会では、考え
方を変える必要がある。
「少子高齢化ではなく、『増子中年化』と考え
よう」と提案するのは古田隆彥、青森大学教授。
 在像這樣人口減少的社會,
改變想法是必要的
 青森大學教授古田隆彥提出「不是考慮少子高齡
化而是要一起來思考『增子中年化』」
高齢化といっても、平均寿命が大きく延びている
ため、今の60歳の人の体力や知力は、昔の人の4
0~50歳ぐらいと同じである。 〈 ① 〉、6
0歳を過ぎてもまだ老人ではなく、中年だというこ
とだ。また、寿命が延びている分だけ、少年期も延
びる。
 雖說是高齡化,可是因為平均壽命大大延長,所
以現在60歲的人,體力和智力跟以前40到50歲
的人是一樣的。也就是說,超過60歲還不能稱為
老人而是中年。另外正因為壽命延長這個部分少
年期也要跟著延長


知力【ちりょく】智力
寿命【じゅみょう】壽命
つまり、生まれてから25歳ぐらいまでが
「子供」になるというのである。 それまでは、
社会に出る前の勉強をしなければならないとい
うことだ。
 也就是說
,會變成從出生到25歲左右被稱之為
「孩子」。到那之前,出社會前的學習是必須的
増えた「中年たち」には働く場所を用意すれば、
労働力は減らないだろう。また、増えた「こども
たち」がじっくり学べる場所を用意すれば、専門
知識も高まり、日本経済の競争力も高まるにちが
いない。
 為增加的「中年們」準備工作場所的話,勞動力
不會減少吧。另外,為增加的「小孩們」準備能
踏實地學習場所的話,也能提高專業知識,對日
本經濟的競爭力也一定會提高
 じっくり
慢慢地;仔细地;不慌不忙;踏實地
出生率の低下についても、男性の育児参加を
進めて、女性が仕事と子育ての両方を安心して
できるようにすれば、男女差別のない社会を作
るきっかけになるだろう。
 關於出生率的下降,如果能隨著男生一起幫忙
養育小孩,女性可以放心的養育孩子和工作的
話,這將成為創造出無性別歧視社會的契機。

育児【いくじ】 育兒
少子高齢化の進んだ日本が、新しいシステム
を作ることができれば、きっと国際影響力も増す
ことだろう。日本の社会は、今、大きく変わろう
としているのである。
 在少子高齡化日趨嚴重的日本,如果可以創造一
個新的制度的話,一定也會增加國際影響力吧。
在日本的社會,現在正有著巨大的變化

システム 組織、制度
 問1
筆者は、人口が増える原因は何だと言っているか。
1.人々が今の生活に満足するから
2.産業技術が急速に発達するから
3.社会が受け入れられる人の数が減るから
4.技術の進歩はやがて止まるから
A: 2
たとえば、社会が成長する段階にあるときは、産業技
術も急速に発達して、その社会が養うことのできる人数
が増えるため、人口は増える。

問2
江戸時代の日本の人口はどうだったか。
1.初期から終わりまで増えつづけた
2.初期から中期まで急速に増え、
その後もゆっくり増えつづけた
3.初期から中期まで急速に増えたが、
その後は増えなかった
4.初期から中期まで増えつづけたが、
その後は減る一方だった
A: 3
日本でも江戸時代の初期のころは、社会が安定していて、農業の技術も
急速に進歩した。人口は1200万人から120年の間に3100万人ま
で、一気に3倍近くになたと言われている。 が、中期になって、技術が
一定レベルに達すると人口が減少し始めて、明治維新までほとんど増えな
くなったの状態だと言われている。
 問3
現在の日本の人口は、どのような状態か。
1.子どもも高齢者も減る一方で、
ついに全体の人口が減少に転じた
2.子どもも高齢者も増える一方なので、
全体の人口は増えつづけている
3.子どもは減る一方だが、高齢者は増えつづけているた
め、全体の人口は増えつづけている
4.高齢者は増えつづけているが、子どもが減る一方のた
め、ついに全体の人口が減少に転じた
A: 4
そして、2005年、ついに日本の人口は減少し始めた。
このまま行けば、50年後には、半分の人口になってしま
うと言われている。
少子化は進む一方で、反対に65歳以上の高齢化社会な
のである。
問4
「増子中年化」とは、どういう意味か。
1.子どもを増やし、老人だけでなく中年も増やすべき
だという考え方
2.寿命が延びているため、少年期も中年期も延びてい
るという考え方
3.都市では、少年の人口も中年の人口も実際に増えてい
るということ
4.少子高齢化社会はやがて増子中年化社会に変わるだろ
うということ

A: 2
高齢化といっても、平均寿命が大きく延びているため、今の6
0歳の人の体力や知力は、昔の人の40~50歳ぐらいと同じ
である。 しかも、60歳を過ぎてもまだ老人ではなく、中年だ
ということだ。また、寿命が延びている分だけ、少年期も延び
る。
 問5
〈 ①
〉に入る最も適当な言葉はどれか。
1.つまり
2.それが
3.さて
4.しかも
A: 1
問6
筆者の主張と合っているものはどれか。
1.今後、労働人口が減少するため、日本経済の競争力
は弱まるにちがいない。
2.人口が減少していく社会では、新しい考え方が必要
である
3.女性差別のない社会を作れば、子どもの数も増える
にちがいない
4.少子高齢化を解決するためには、女性が子育てをし
なければならない

A: 2
少子高齢化の進んだ日本が、新しいシステムを作ることが
できれば、きっと国際影響力も増すことだろう。日本の社会
は、今、大きく変わろうとしているのである。