2012年度法情報学講義 第4回 リーガル・リサーチ① 2012年5月2日(水) 東北大学法学研究科 金谷吉成 <[email protected]> 2012年度法情報学講義 1 2012年5月2日 法情報学?情報法学? 法情報学 – 情報科学の立場から「法とは何か」(法の存在論と認 識論)を明らかにしようとする cf. 法哲学、法社会学、法史学 – 「法情報」そのものの存在論の解明 法学教育における法情報検索と法情報処理 リーガル・リサーチ、リーガル・ライティング 情報法学 – 情報をとりまく環境の変化が、法律や制度にどのよう な影響を与えるかを明らかにしようとする – 情報にかかわる法制度の検討 インターネット法、サイバー法 2012年5月2日 2 2012年度法情報学講義 リーガル・リサーチとは レポート 報告書 答案 課題 問題 自分の考えのよりどころ 裏づけ 資料 文献 リーガル・リサーチの場合、 講義テキストの他、法令、判例、文献など 2012年5月2日 3 2012年度法情報学講義 法令・判例・文献の関係 法令 法令が適用された 判例を探す 文献に 引用されている 法令条文を探す 適用された 法令を探す 法令の解釈、 解説を探す 判例の解説を探す 判例 文献 文献中の判例を探す 出典:いしかわまりこ他『リーガル・リサーチ』3頁(日本評論社,第3版,2008年) 2012年5月2日 4 2012年度法情報学講義 リサーチの方法 1. 存在の調査…どんなものがあるか? 2. 所在の調査…どこにあるか? 3. 入手…どうしたらよいか? – 法令、判例、文献について – タイトル、著者(編者)、出版社、出版年月、 掲載誌、掲載ページ、URL 2012年5月2日 5 2012年度法情報学講義 検索対象を明らかにする 資料の種類、媒体、内容 – 種類:図書・雑誌・新聞記事など – 媒体:印刷物、CD-ROM、インターネットなど – 内容:論文、教科書、コンメンタール(逐条解説 書)など それぞれに特徴がある – 課題・問題にあった資料を選ぶことが大事 2012年5月2日 6 2012年度法情報学講義 索引と目録 索引(index) – 入手すべき資料を特定する 例) 『法律判例文献情報』 『法律時報』「文献月報」 「法律文献総合INDEX」 目録(catalog) – 特定した資料の物理的所在を明らかにする 例) OPAC 国立情報学研究所 Webcat Plus 国立国会図書館 NDL-OPAC 2012年5月2日 7 2012年度法情報学講義 入手 図書館 – 法学部図書室 – 東北大学附属図書館 – 他大学の大学図書館 – 公立図書館 – 国立国会図書館 オンラインデータベース CD-ROM/DVD(オフラインデータベース) ウェブサイト 2012年5月2日 8 2012年度法情報学講義 資料の種類、媒体、内容 種類:図書・雑誌・新聞記事など 媒体:印刷体資料、デジタル資料 内容: – 法令集、判例集など、公の記録や文書 – 研究書、論文、教科書、コンメンタール(逐条解 説書)、新聞記事など – 辞典・事典、統計、白書、年表、年鑑などの参 考資料 – 探すためのツール(索引、目録) 2012年5月2日 9 2012年度法情報学講義 図書 単行本 – 研究書、概説書・体系書、教科書、論文集 全集・選集 – 特定の分野やテーマについて編集された図書、個人 論文集 叢書・双書・講座もの – 一定のテーマのもと、シリーズとして編集され、継続し て刊行される出版物 差し替え式図書(加除式図書、ルーズリーフ式図書) – 追加・削除・書き換えがあったページを差し替えること で、最新の内容を保つようにされた図書 2012年5月2日 10 2012年度法情報学講義 図書に関する注意点 奥付を確認する – 書名、著者名・編者名・訳者名、出版社、印刷 会社、発行年月日、版数、価格等 改訂版 – 改訂・改版:前の版に加筆や修正をして印刷 – 増刷:同じ内容で印刷。誤植が修正されること がある。原則として内容の改変はない。 – 引用する場合には、版(場合によっては刷も) を明らかにすることが重要 2012年5月2日 11 2012年度法情報学講義 雑誌 商業誌 – 『ジュリスト』『法律時報』『法学教室』『法学セミナー』『法曹時報』 – 『判例時報』『判例タイムズ』 公的刊行物 – 最高裁判所の判例集 – 『時の法令』『法令全書』 大学紀要 – 『法学』(東北大学法学会) – 『法学論叢』『一橋論叢』『早稲田法学』『法学研究』『法学協会雑 誌』『国家学会雑誌』 学会誌 – 『公法研究』『私法』『刑法雑誌』 『情報ネットワーク・ローレビュー』『法とコンピュータ』 法学関係以外の雑誌 – 『文藝春秋』『中央公論』 – 『週刊ダイヤモンド』『週刊東洋経済』『日経ビジネス』 2012年5月2日 12 2012年度法情報学講義 新聞 日刊紙 – 全国紙、ブロック紙、地方紙 – 同じ日付でも版数によって、内容・構成が異なっている 場合がある 国、各種団体、政党が発行する新聞、機関紙 – 『官報』『裁判所時報』 – 『日弁連新聞』 過去の新聞に関しては、省スペース化を図る目 的から、縮刷版を発行しているものもある – マイクロフィルム – CD-ROM/DVD 2012年5月2日 13 2012年度法情報学講義 デジタル資料 オフラインデータベース(CD-ROM等) オンラインデータベース(TKC、有斐閣Vpass等) ウェブサイト 利点 – データの検索や取り出し、コピーが簡単 – 膨大なデータの中から、必要な部分を短時間に探し出 せる – リスト化、並べ替え、プリントアウト、編集加工も容易 欠点 – 過去のすべての資料がデジタル化されているわけで はない – データの更新頻度によっては、タイムラグができる – 内容の信頼性に問題がある場合もある 2012年5月2日 14 2012年度法情報学講義 ウェブサイトの利用上の注意点 最新情報の収集に優れている しかし、その一方で、リーガル・リサーチが対象と する資料は紙媒体のものが大半であり、網羅的 な情報収集を行うには、インターネットと印刷体資 料の両方を検索する必要がある。 また、内容が確かでない情報、発信元や発信時 が不明な情報、更新がされず放置されたままの 情報もあり、利用に値するかどうかの吟味が必要。 – 政府機関、国会、裁判所、地方公共団体のウェブサイ トを利用する – ドメイン名に注意する(例:○○○.go.jp) ウェブ上の資料の引用方法については、後述 2012年5月2日 15 2012年度法情報学講義 リサーチの目的 何のためにリーガル・リサーチをするのか – – – – – 講義の予習・復習をする レポートを書く ゼミ発表の準備をする 論文を書く 具体的な法律問題を解決する 目的によって、できるだけ詳しく調べたい、論点を理解 するために2~3冊程度の図書を読んでおきたい、最新 の資料だけ読みたいなどのレベルがそれぞれある リサーチの目的に応じて方法を使い分けることが大切 2012年5月2日 16 2012年度法情報学講義 リサーチの方法 インターネットやデータベースを利用する – 手軽で便利。ただし、オールマイティではない。 研究書・体系書・教科書の注を利用する – 芋づる式 – 参考となる資料を効率よく知ることができる – ただし、あくまでも著者の視点で選ばれた資料に限定され、必ず しも網羅的ではない。 – 執筆時点以降に発表された新しい資料の情報は得られない。 図書館や書店の書棚で選ぶ – 書棚を見渡すことで、関連がありそうな資料がわかる – 目次を見ることで、資料の要・不要の判断ができる – ただし、貸出中、売切れ、絶版の本は見落としてしまう問題もある 索引を利用する 2012年5月2日 17 2012年度法情報学講義 リサーチの手順 問題を整理する – ことばの意味を確認しておく – どのような資料を入手したいのか、明らかにしておく (法令なのか判例なのか文献なのか、図書なのか雑 誌なのか新聞なのか) 索引を用いて適切な資料を見つけ出し、資料リス トを作成する – 資料の検索・特定ができたら、資料の書誌情報をリス トにしておく 目録を用いてどこの図書館で入手できるかを調 べる – 大学の図書館にない場合でも、他大学の図書館や公 立図書館から、図書館間の相互協力によって、複写依 頼、貸出し依頼ができることもある 2012年5月2日 18 2012年度法情報学講義 データベース検索 キーワード、日付、タイトル、著者名などを 用いて検索を行う – データベースによって、キーワードを収録デー タの全文から探すもの、見出しから探すもの、 抄録から探すもの、又は氏名の間に空白を入 れるもの入れないものなど、“癖”が存在する。 – 採録対象や更新頻度にも注意が必要 – 説明書やマニュアルを確認すること 2012年5月2日 19 2012年度法情報学講義 and検索、or検索、not検索 and検索 – 複数のキーワードがすべて含まれる検索 – 対象を絞り込むための検索 or検索 – 複数のキーワードのいずれかが含まれる検索 – 対象を拡大するための検索 not検索 – 指定したキーワードが含まれないものにヒットする and検索 2012年5月2日 or検索 not検索 20 2012年度法情報学講義 and検索、or検索、not検索の例 名誉毀損による不法行為の事例 “不法行為” and “名誉毀損” “不法行為” and “名誉毀損” and “ネットワーク” 自然災害と公害のいずれか “自然災害” or “公害” 製造物責任 “製造物責任” or “PL” or “プロダクトライアビリティ” さらに、“欠陥” “リコール” などのキーワードを追加 「自動車」または「オートバイ」と「歩行者」が関係 した「交通事故」で、「交差点」以外の場所で発生 した事件 ( “交通事故” and ( “自動車” or “オートバイ” ) and “歩行者” ) not “交差点” 2012年5月2日 21 2012年度法情報学講義 キーワード入力 OR → AND ↓ NOT cf. 東北大学附属図書館オンライン目録 Google 検索オプション 2012年5月2日 22 2012年度法情報学講義 部分一致検索、完全一致検索 部分一致検索 – andやorなどの条件による検索の他に重要 – キーワードがあいまいだったり、キーワード入力を省略したりする ために利用できる – 最近は部分一致検索が多いが、完全一致検索のデータベースも 存在する 前方一致検索 – あるキーワードで始まる単語すべてを検索対象とする – 「時効*」→時効中断、時効期間などがヒット – 「最高裁*」→最高裁判所にも最高裁にもヒット 後方一致検索 – あるキーワードで終わる単語すべてを検索対象とする – 「*時効」→取得時効、消滅時効などがヒット 完全一致検索 – キーワードと完全に一致する単語のみを検索対象とする 2012年5月2日 23 2012年度法情報学講義 うまく検索できないときは 検索結果が少ない、又はゼロの場合 – キーワードを単語に切り分けてみる 例) 「ごともの権利条約」 →「こども」and「権利」and「条約」 – 同義語をor検索に指定してみる 検索結果が多い場合 – 専門用語や複合語に変えてみる 例) 「損害」and「賠償」→「損害賠償」 「放送」or「有線放送」or「ウェブ」→「公衆送信」 適切なキーワードを思いつかない場合 – その事例を特徴づける最も個有な概念をまず1語だけ 指定してみる – 固有名詞をキーワードとすることが可能な場合は、固 有名詞を指定してみるのが有効 2012年5月2日 24 2012年度法情報学講義 検索サイト Yahoo! JAPAN http://www.yahoo.co.jp/ – 検索の他、ニュースや天気予報など各種のサービスを 提供するサイト。検索では、カテゴリ検索が特徴的。 トップ > カテゴリ一覧 > 政治 > 法 トップ > カテゴリ一覧 > 社会科学 > 法学 Google http://www.google.co.jp/ – 現在、最も広く使われている検索サイト。インターネット 上にある膨大な情報を素早く検索することができる。リ ンク切れサイトであっても、「キャッシュ」機能によってリ ンク切れ前の情報を確認することができる。 goo http://www.goo.ne.jp/ – 一般的な検索サイト。国語・英和・和英・専門用語集な どの各種事典の検索サービスが利用できる。 2012年5月2日 25 2012年度法情報学講義 その他の検索サイト(国内・海外) 国内の検索サイト – インフォシーク http://www.infoseek.co.jp/ – フレッシュアイ http://www.fresheye.com/ – Excite http://www.excite.co.jp/ 海外の検索サイト – – – – – 2012年5月2日 Yahoo! http://www.yahoo.com/ AltaVista http://www.altavista.com/ Excite http://www.excite.com/ Lycos http://www.lycos.com/ Webcrawler http://www.webcrawler.com/ 26 2012年度法情報学講義 ウィキペディア(Wikipedia) ウィキペディア http://ja.wikipedia.org/wiki/ – インターネット上で無料で利用できる百科事典 – 誰もが参加して執筆、編集できる – 使い方 検索ボックスにキーワードを入力 ウィキポータル「社会科学-法学」 カテゴリ「社会-法」 – 新語の取り入れが速い – サブカルチャー、人物プロフィール、芸能、流行などジ ャンルが限定されていない 2012年5月2日 27 2012年度法情報学講義 ウィキペディア利用上の注意 ウィキペディアの問題点 – 項目の選定や内容が恣意的であったり、不正確だった りするものがある – 執筆者名が不明であることも多い – 項目の中には、時間をかけ練り直されて生成された記 事がある一方で、項目が作成されはじめたばかりで、 幅広い見地から書かれていないものもある – ウィキペディアの内容をそのままコピーして大学等の レポートを作成する例がしばしば問題となっている 必ず法令や判例、教科書や論文等の原典にあた ること 2012年5月2日 28 2012年度法情報学講義 その他、役立つウェブサイト 韋駄天(名古屋大学) http://www.kl.i.is.nagoya-u.ac.jp/idaten/ – 大審院判例を読みやすくするソフト – カタカナをひらがなにし、濁点、句点・読点を付け、 旧字体を新字体にする 法律用語辞書(岡口裁判官) http://okaguchi.at.infoseek.co.jp/jisyo.htm – パソコンの漢字変換(IMEやATOK)に法律用語を まとめて登録できる漢字変換辞書 – http://www.vector.co.jp/soft/dl/win95/business/ se136961.html からダウンロードできる。 2012年5月2日 29 2012年度法情報学講義 法学部で利用できるオンラインデータベース D1-Law.com第一法規法情報総合データベース(学内限定) http://tul.library.tohoku.ac.jp/modules/newdb/detail.php?id=190 – 現行法規 履歴検索 – 判例体系 – 法律判例文献情報 LEX/DBインターネット(法学部内限定,同時アクセス10 http://www.tkclex.ne.jp/lexbin/ACLogin.aspx 法律文献総合INDEX(法学部内限定,同時アクセス5) http://www.horitsujiho.jp/hobsgateway/GatewayAuth.aspx?method=03 Hein-On-Line(法学部内限定) http://HeinOnline.org/ Westlaw International(学内限定又は要パスワード) http://tul.library.tohoku.ac.jp/modules/newdb/detail.php?id=17 Lexis.com(要パスワード) http://www.lexis.com/research/ 2012年5月2日 30 2012年度法情報学講義 はじめに 1. 文献の存在の調査…どんなものがある か? 2. 文献の所在の調査…どこにあるか? 3. 文献の入手…どうしたらよいか? 2012年5月2日 31 2012年度法情報学講義 文献調査の例 1. 課題・問題を整理する – ことばの意味を調べる – 法令、判例を探す必要があれば、法令の公布・施行 年月日、判決の言渡し日の確認 2. 3. 4. 5. 6. 7. 法令・判例を探す 図書を探す 雑誌を探す 新聞記事を探す インターネットで探す その他の情報を探す – 人物・団体を調べる – 白書・統計資料を調べる 2012年5月2日 32 2012年度法情報学講義 文献の種類 種類:図書・雑誌・新聞記事など 媒体:印刷物、CD-ROM、インターネットな ど 内容:論文、教科書、コンメンタール(逐条 解説書)など 2012年5月2日 33 2012年度法情報学講義 ことばの意味・概念を調べる 『法律学小辞典 第4版補訂版』(金子宏ほ か編、有斐閣) 2008年 『有斐閣法律用語辞典 第3版』(法令用語 研究会編、有斐閣) 2006年 『新法律学辞典 第3版』(竹内昭夫ほか編、 有斐閣) 1989年 『現代法律百科大辞典』(伊藤正己ほか編、 全8巻、ぎょうせい) 2000年 『図解による法律用語辞典 補訂4版』(自由 国民社) 2011年 2012年5月2日 34 2012年度法情報学講義 新しいことばを調べる現代用語集 『現代用語の基礎知識』(自由国民社)年刊 『知恵蔵』(朝日新聞社)休刊 『イミダス』(集英社)休刊 – 『知恵蔵』と『イミダス』は、2006年11月発行の2007 年版を最後に休刊となった。2007年以降は、Web サイトとして存続している。 http://kotobank.jp/dictionary/chiezo/ http://imidas.jp/ – 東北大学では、附属図書館の「データベース・ツー ルインデックス」から『現代用語の基礎知識』と『知 恵蔵』の利用が可能(それぞれ、「JapanKnowledge +」「聞蔵IIビジュアル for Libraries/朝日新聞デー タベース」からアクセス) 2012年5月2日 35 2012年度法情報学講義 読み方がわからない用語、難読語、法律用語 パソコンの「手書き文字入力」を利用する 例) 心神耗弱(刑法39条など) 囲繞地通行権(民法210条など) – 法令の現代語化が進んでいるので、読みの難 しいことばは少なくなってきている – しかし、判例などを読むときは、古い言い方に ついても知っておく必要がある 法律用語としての意味を知る 例) 「善意」「悪意」 「送付」「送達」「送致」 2012年5月2日 36 2012年度法情報学講義 論文はどこに掲載される? 論文は雑誌や紀要などの定期刊行物、図 書である学術書や記念論文集に収録され るなどして公刊される。 論文を探して入手するためにはその論文 が掲載されている雑誌名・巻号、または図 書名を特定する必要がある。 2012年5月2日 37 2012年度法情報学講義 法学総合雑誌 『ジュリスト』(有斐閣) 月刊(2011年までは月2回刊) – 臨時増刊: 「平成○○年度重要判例解説」(年刊) 、 「学説展望」「判例展望」(適宜)など – 別冊ジュリスト: 「判例百選シリーズ」 – 『論究ジュリスト』季刊(2012年5月に創刊) 『法律時報』(日本評論社) 月刊 – 12月号「○○年学界回顧」 – 別冊: 「判例回顧と展望」「私法判例リマークス」 『法学教室』(有斐閣) 月刊 – 別冊: 「基本問題シリーズ」「基本判例シリーズ」 『法学セミナー』(日本評論社) 月刊 – 別冊: 「基本法コンメンタール」「基本判例シリーズ」 – 増刊: 「新司法試験の問題と解説○○年」 『法曹時報』(法曹会)月刊 – 最高裁判所調査官解説 2012年5月2日 38 2012年度法情報学講義 判例雑誌 『判例時報』(判例時報社) 旬刊 『判例タイムズ』(判例タイムズ社) 月2回刊 – 判例タイムズ社ホームページ http://www.hanta.co.jp/ – 『判例タイムズDVD』 2012年5月2日 39 2012年度法情報学講義 分野別法学雑誌 『民商法雑誌』(有斐閣) 月刊 『民事月報』(法務省民事局/法曹会)月刊 『刑事法ジャーナル』(イウス出版/成文堂)季刊 『現代刑事法』(現代法律出版発行、立花書房発 売) 月刊 → 2005年に廃刊 『警察学論集』(警察大学校編、立花書房) 月刊 『旬刊 商事法務』(商事法務) 月3回刊 『NBL』(商事法務) 月2回刊 2012年5月2日 40 2012年度法情報学講義 大学紀要 『法学』(東北大学) 『法学論叢』(京都大学) 『一橋論叢』(一橋大学) 『早稲田法学』(早稲田大学) 『法学研究』(慶應義塾大学) 『法学協会雑誌』(法学協会) 『国家学会雑誌』(国家学会) 2012年5月2日 41 2012年度法情報学講義 学会誌 『公法研究』(日本公法学会,有斐閣) 『私法』(日本私法学会,有斐閣) 『刑法雑誌』(日本刑法学会,有斐閣) 『情報ネットワーク・ローレビュー』(情報ネットワー ク法学会,商事法務) 『法とコンピュータ』(法とコンピュータ学会、第一 法規) – その他 日本医事法学会、金融法学会、日本家族<社会と法>学会、 企業法学会、日本経済法学会、日本公証法学会、 日本工業所有権法学会、日本交通法学会、国際法学会、 日本国際経済法学会、信託法学会、租税法学会、著作権学会、 比較法学会、日米法学会、日仏法学会、日独法学会、 日本教育法学会、農業法学会、法制史学会、日本法社会学会、 法と心理学会、法と精神医療学会、日本法哲学会、 日本労働法学会、民事訴訟学会、日本空法学会など 2012年5月2日 42 2012年度法情報学講義 「記念論文集」に注意 論文が「記念論文集」に掲載されることもある – 個々の研究者の退職や長寿(還暦、古稀など)を記念 して発行する記念論文集 – 大学、学部、研究所、研修所などの研究機関の記念 論文集 – 特定のテーマの記念誌 藤田宙靖・高橋和之編『憲法論集――樋口陽一先生古稀記 念』(創文社、2004年) 稲葉馨・亘理格編『行政法の思考様式――藤田宙靖博士東 北大学退職記念』(青林書院、2008年) – 記念論文集に掲載されている論文は、雑誌論文の データベース、たとえば国立国会図書館の「雑誌記事 索引」には収録されていないので、注意が必要 2012年5月2日 43 2012年度法情報学講義 論文をどのようなツールで探すか 『法律判例文献情報』(法律判例文献情報研究会 編、国立国会図書館専門資料部監修、第一法規 出版刊) 『法律時報』「文献月報」(日本評論社) 月刊 – 『戦後法学文献総目録』(法律時報編集部編、日本評 論社) – 『法学文献総目録』(法律時報編集部編、日本評論社) 『法律関係雑誌記事索引』(法務図書館) 休刊 – 法務図書館 検索ページ(蔵書・法律雑誌記事索引) http://lib.moj.go.jp/opac/wopc/pc/pages/TopPage.jsp 『最高裁判所図書館邦文法律雑誌記事索引』(最 高裁判所図書館) 休刊 – 最高裁判所図書館 蔵書検索システム http://www.opac8.com/user/courts/court.html 2012年5月2日 44 2012年度法情報学講義 データベースを用いた文献検索 『法律判例文献情報』(第一法規) http://tul.library.tohoku.ac.jp/modules/newdb/detail.php?id=190 『法律文献総合INDEX』(日本評論社) http://www.horitsujiho.jp/hobsgateway/GatewayAuth.aspx?method=03 雑誌記事索引(国立国会図書館)略称「雑索(ザッサク)」 http://opac.ndl.go.jp/ CiNii(サイニィ) http://tul.library.tohoku.ac.jp/modules/newdb/detail.php?id=8 MAGAZINEPLUS http://tul.library.tohoku.ac.jp/modules/newdb/detail.php?id=9 聞蔵IIビジュアル for Libraries(朝日新聞データベース) http://tul.library.tohoku.ac.jp/modules/newdb/detail.php?id=36 河北新報データベース KD http://tul.library.tohoku.ac.jp/modules/newdb/detail.php?id=37 日経テレコン21 http://tul.library.tohoku.ac.jp/modules/newdb/detail.php?id=83 JapanKnowledge+ http://tul.library.tohoku.ac.jp/modules/newdb/detail.php?id=188 2012年5月2日 45 2012年度法情報学講義 図書を探す 書名がわからない、どんな本を読んだらよいのか わからないときは、まず索引で探す – 『法律判例文献情報』(第一法規) – 『法律時報法律文献総合INDEX』(日本評論社) – 『雑誌記事索引』(国立国会図書館) 書名がわかったら、目録で探す – – – – 東北大学法学部図書室文献目録 東北大学附属図書館蔵書検索 国立情報学研究所 Webcat Plus 国立国会図書館 NDL-OPAC 書誌情報がわかったら、図書館や書店で入手す る 2012年5月2日 46 2012年度法情報学講義 文献の所在の調査 … どこにあるか? 東北大学法学部図書室文献目録 http://www.law.tohoku.ac.jp/library/mokuroku.ht ml 東北大学附属図書館蔵書検索 http://www.library.tohoku.ac.jp/opac/ Webcat Plus http://webcatplus.nii.ac.jp/ 大学図書館やその他研究教育機関の図書館 国立国会図書館 NDL-OPAC(国立国会図書館) http://opac.ndl.go.jp/ Books(日本書籍出版協会) http://www.books.or.jp/ 2012年5月2日 47 2012年度法情報学講義 大学図書館やその他研究教育機関の図書館 日本の図書館(筑波大学附属図書館) http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/other/japan.html 日本国内の大学図書館関係WWWサーバ(東京 工業大学附属図書館) http://www.libra.titech.ac.jp/libraries_Japan.html 日本の図書館と目録サービスへジャンプ!!(農林 水産研究情報センター) http://ss.cc.affrc.go.jp/ric/opac/opac.html 図書館リンク集(日本図書館協会) http://www.jla.or.jp/link/ 2012年5月2日 48 2012年度法情報学講義 東北大学附属図書館 My Library 東北大学附属図書館 My Library https://www.library.tohoku.ac.jp/myopac/ – 文献の「予約/取寄」「複写・借用申込」 – キャンパス間資料搬送サービス 2012年5月2日 49 2012年度法情報学講義 文献の入手 … どうしたらよいか? 法学部図書室の利用 附属図書館の利用 他の図書館からの取り寄せ オンラインブックストアの利用 2012年5月2日 50 2012年度法情報学講義 オンラインブックストア 東北大生協 http://www.coop.org.tohoku.ac.jp/ 丸善 → ジュンク堂書店 紀伊國屋書店 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/ 三省堂書店 http://www.books-sanseido.co.jp/ ジュンク堂書店 http://www.junkudo.co.jp/ TRC図書館流通センター http://www.trc.co.jp/ HonyaClub http://www.honyaclub.com/ Amazon.co.jp http://www.amazon.co.jp/ オンライン書店ビーケーワン http://www.bk1.co.jp/ セブンアンドワイ http://www.7andy.jp/ 2012年5月2日 51 2012年度法情報学講義 その他 新刊書籍のチェック – 有斐閣 http://www.yuhikaku.co.jp/ – 日本評論社 http://www.nippyo.co.jp/ – 判例タイムズ社 http://www.hanta.co.jp/ 分野毎に文献データベースが作成されているケースもあ る – 国際法文献検索システム(広島大学法学部西谷研究室)→サー ビス終了 http://yamato.eco.hiroshima-u.ac.jp/illrs/ – 社会・労働関係論文データベース(法政大学大原社会問題研究 所) http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/kensaku/ronbun.html 文献速報(神戸学院大学法学部資料室)→サービス終了 http://www.law.kobegakuin.ac.jp/~hogakubu/siryositu/bu nken/bunken.html 2012年5月2日 52 2012年度法情報学講義 補論:出典の表示方法 法律編集者懇話会 「法律文献等の出典の表示方法」 http://www.law.kobe-u.ac.jp/citation/mokuji.htm 2012年5月2日 53 2012年度法情報学講義 著作物の「引用」 「引用」とは – 著作権法32条1項「公表された著作物は、引用 して利用することができる。この場合において、 その引用は、公正な慣行に合致するものであ り、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目 的上正当な範囲内で行なわれるものでなけれ ばならない。 」 2012年5月2日 54 2012年度法情報学講義 適法な「引用」とは 公正な慣行に合致するものであり、かつ引 用の目的上正当な範囲内で行われるもの であること(著32条1項) カギ括弧を付けるなど、自分の著作物と引 用部分を区別すること(明瞭区別性)* 自分の著作物が主で、引用される他人の 著作物が従であること(主従の関係)* 出所(出典)を明示すること(著48条) * 最判昭和55年3月28日民集34巻3号244頁。 2012年5月2日 55 2012年度法情報学講義 論文の構成 <例1> 章・節・款・項・目 <例2> はじめに 1. 問題意識 2. 本稿の構成 第1章 ○○○○ 第1節 ×××× 1. 2. 第2節 ×××× はじめに 第4節 小括 第2章 ○○○○ 4 ×××× Ⅱ ○○○○ 終章 **総括と今後の課題 Ⅴ 総括と課題 2012年5月2日 Ⅰ ○○○○ 1 ×××× (1) (2) 2 ×××× 56 2012年度法情報学講義 注の付け方 頁毎 章毎 巻末 第2章 ○○○○ 1. 総説 ~~~~~~~~ ~~~~1)、~~~ ~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~ ~~~~2)。 ~~~~~~~~ ~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~ ~~~~24)。 参考文献 1) ~~~~~~。 2) ~~~。 2012年5月2日 注 1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) ~~~~~~。 ~~~~~~。 ~~~~~~。 ~~~~~~。 ~~~~~~。 ~~~~~~。 ~~~~~~。 ~~~~~~。 57 <第1章> ○○『××』(△、2007) ○○『××』(△、2007) ○○『××』(△、2007) ○○『××』(△、2007) <第2章> <第3章> 2012年度法情報学講義 出典の表示方法(雑誌論文) 執筆者名「論文名」雑誌名 巻 号 頁(発行年) 執筆者名「論文名」雑誌名 巻 号(発行年) 頁 例: ① 横田喜三郎「条約の違憲審査権砂川事件判決を 中心として」国家73巻7=8号1頁以下(1960) ② 末弘厳太郎「物権的請求権理論の再検討」法時 11巻5号(1939)1頁以下〔民法雑記帳(上)(日本 評論社),1953)所収,238頁以下〕 2012年5月2日 58 2012年度法情報学講義 出典の表示方法(単行本:単著) 執筆者名『書名』 頁(発行所,版表示,発行年) 執筆者名『書名』 (発行所,版表示,発行年) 頁 例: 三ヶ月章『民事訴訟法』125頁(弘文堂,第3版,1992) 三ヶ月章・民事訴訟法(弘文堂,第3版,1992)125頁 2012年5月2日 59 2012年度法情報学講義 出典の表示方法(単行本:共著) 執筆者名「論文名」共著者名『書名』 頁(発行所,発行年) 共著者名『書名』 頁〔執筆者名〕(発行所,発行年) 例: ① 竹内昭夫「消費者保護」竹内昭夫ほか『現代の経 済構造と法』397頁(筑摩書房,1975) ②林良平ほか『債権総論』124頁以下〔林〕(青林書院, 1978) 2012年5月2日 60 2012年度法情報学講義 出典の表示方法(単行本:講座もの) 執筆者名「論文名」編者名『書名』 頁(発行所,発行年) 例: ① 金沢良雄「独占禁止法の理論――構造(目的)」経 済法学会編『独占禁止法講座Ⅰ総論』159頁(商事 法務研究会,1974) ② 平野龍一「現代における刑法の権能」『岩波講座・ 現代法(11)』9頁(岩波書店,1965) 2012年5月2日 61 2012年度法情報学講義 出典の表示方法(単行本:コンメンタール) 編者名『書名』 頁〔執筆者名〕(発行所,版表示,発行年) 執筆者名『書名』 頁〔編者名〕(発行所,版表示,発行年) 例: ① 幾代通編『注釈民法(15)』205頁〔広中俊雄〕(有斐 閣,昭41) ② 広中俊雄『注釈民法(15)』205頁〔幾代通編〕(有斐 閣,昭41) 2012年5月2日 62 2012年度法情報学講義 出典の表示方法(単行本:記念論文集、翻訳書) 執筆者名「論文名」献呈名『書名』 頁(発行所,発行年) 例: 我妻栄「公共の福祉・信義則・権利濫用相互の関係」 末川先生古稀記念『権利の濫用(上)』46頁(有斐閣, 昭37) 〔民法研究Ⅱ,21頁以下(有斐閣,昭41)所収〕 原著者名(訳者名)『書名』 頁(発行所,発行年) 例: ヴォン・メーレン編(日米法学会訳)『日本の法(上)』 153頁(東京大学出版会,昭53) 2012年5月2日 63 2012年度法情報学講義 出典の表示方法(判例研究) 執筆者名「判批」雑誌名 巻 号 頁(発行年) 執筆者名「判批」雑誌名 巻 号(発行年) 頁 例: 大隅健一郎「判批」商事140号7頁(昭34) 執筆者名『書名』 事件(発行所,発行年) 執筆者名『書名』 頁(発行所,発行年) 例:鈴木竹雄・判例民事法昭41年度18事件評釈(有斐閣, 昭52) 2012年5月2日 64 2012年度法情報学講義 出典の表示方法(座談会等) 出席者名「テーマ」雑誌名or書名 巻 号 頁〔○○ 発言〕(発行年) 出席者名「テーマ」雑誌名or書名 巻 号(発行年) 頁〔○○発言〕 例: 池原季雄ほか「法例改正をめぐる諸問題と今後の課 題」ジュリ943号19頁〔溜池発言〕(平1) 2012年5月2日 65 2012年度法情報学講義 出典の表示方法(文中の表記) 前掲文献、注番号の扱い 例: 文中に次のような注が付されているとする。 (28) 三ヶ月章『民事訴訟法』125頁(弘文堂,第3版,1992)。 (30)我妻栄『近代法における債権の優越的地位』 50頁(有斐閣,1953) 、 高柳賢三「司法的憲法保障制(4)」国家45巻6号15頁(1931) 。 この場合、前掲注の表記は次のようになる。 (32) 前掲注(28)126頁。 (33) 高柳・前掲注(30)「憲法保障(4)」15頁。 (34) 我妻・前掲注(30)優越的地位50頁。 2012年5月2日 66 2012年度法情報学講義 出典の表示方法(判例、先例、通達) 判例 最判昭和58年10月7日民集37巻8号1282頁〔1285頁〕 東京地八王子支判昭37・11・28下民13・11・2395 大判大12・4・30刑集2巻378頁 先例、通達 昭41・6・8民甲1213号民事局長回答 昭45年9月7日付民事甲第3691号法務省民事局長通達 2012年5月2日 67 2012年度法情報学講義 出典の表示方法(インターネット) The Bluebook: A Uniform System of Citation (Harvard Law Review Association in conjunction with the Columbia Law Review, the University of Pennsylvania Law Review, and the Yale Law Journal, 18th ed.) (2005). – 冊子体のものが存在しない、あるいは一般的 なデータベースにない場合だけ – 冊子体と同じ情報がインターネットにあり、アク セスの便利のために並行して引用する場合: available at ... として引用する。 2012年5月2日 68 2012年度法情報学講義 出典の表示方法(インターネット) 著者名、タイトル、ページ番号(あれば) 、日付に 続いてURL(インターネット・アドレス)を示す。 スタイルは冊子体の表示に準じる。 William Henry Gates III, General Partnar, Micro-Soft, An Open Letter to Hobbyists (Feb. 3, 1976), http://www.blinkenlights.com/classiccmp/gateswhine.html. 日付のないものは、URLの後ろに括弧書きで (last visited date) のように表示する。 JusticeDaily.com, Weird and Dumb International Laws, http://www.justicedaily.com/weird/part2.html (last visited May 21, 2004). 2012年5月2日 69 2012年度法情報学講義 出典の表示方法(インターネット) 著者名が不明のときは、タイトルのみを表示 Dunkin’ Donuts, http://www.dunkindonuts.com (last visited Dec. 18, 2003). タイトルが不明のときは説明を表示 Archive of Columns by William Safire, http://www.nytimes. com/top/opinion/editorialsandoped/oped/columnists/william safire/ (last visited Jan. 17, 2004). 日本語での出典表示方法は確立したものはない が、ブルーブックに準ずるのがよいと思われる。 2012年5月2日 70 2012年度法情報学講義 参考文献 いしかわまりこ,藤井康子,村井のり子『リーガ ル・リサーチ(第3版)』(日本評論社,2008年) 西野喜一『法律文献学入門――法令・判例・文献 の調べ方』(成文堂,2002年) 加賀山茂,松山好治編『法情報学(第2版補訂 版)』(有斐閣,2006年) 吉田利宏『法律を読む技術・学ぶ技術(第2版)』 (ダイヤモンド社,2007年) 弥永真生『法律学習マニュアル(第3版)』(有斐閣, 2009年) 指宿信,米丸恒治編『インターネット法情報ガイ ド』(日本評論社,2004年) 2012年5月2日 71 2012年度法情報学講義 おしまい この資料は、2012年度法情報学講義の ページからダウンロードすることができます。 http://www.law.tohoku.ac.jp/~kanaya/infolaw2012/ 2012年5月2日 72 2012年度法情報学講義
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