2020分科会報告 山本 貴史 2020分科会が目指したところと結果 閉塞感を感じる日本の現状分析を行うのではなく、10 年後の世界や、その中での日本のあり方について想像 し、今何をなすべきか考察する。 具体的には、産業・企業・働き方・行政・生活・学習と いった様々な観点で、10年後の姿を考察し、今を考え る目的を置いた。 昨年の活動だけでは、深く掘り下げるに至らなかった点 も多々あり、各分野の専門家を招いて学ぶ場とした。 外部の講師を招くことにより、得られる知識は多く、刺激 の場となったが、10年後のあり方については、相変わら ず不明瞭な状態で終わったということは否めない。 具体的な活動報告 「産学連携の10年後」 「ITやクラウドで10年後の社会はどうなるのか」 講師:櫻井豊様(シスコシステムズ 政策・CSR推進部 政策担当シニアマネージャー) 「TPPは是か非か?」 「科学技術政策の10年後」 「産業アーキテクチャの変化とベンチャー起業支援」 講師:安藤晴彦 様(内閣官房知財戦略推進事務局 参事官、電気通信大学特任教授) 「投資を引き出すためのビジネスプラン シリコンバレーでの 起業体験から 」 講師:曽我弘 様(Vision Booster, LLC CEO) 「道州制と地方分権の可能性」 10年後から今を考える 10年後の世界について考える時、明るい未来のシナリオより、 むしろ重い見通しと心配の方が現実感が強い。 昨年の活動では、これを打開するKey Wordは、「チャレンジ 精神」であった。たしかに、チャレンジ精神は、最初の一歩とし て、閉塞感からの脱却という観点では、重要なファクターであ ると思われるが、それだけでは、気運は盛り上がるものの変革 までは至らない可能性もある。ITリテラシーと英語のリテラシー が個人間格差や企業間格差を拡大する。よってこの2分野の 教育が急務であるという櫻井さんの指摘を始め、現状の大手 企業ではなく、ベンチャーが未来を変えるかもしれない可能性 を示唆した安藤さんや曽我さんの指摘も刺激的であった。また、 TPPや道州制といった仕組みの変化について議論を行うこと により、どのようなシステムが今後のより良い変革に寄与するか といった議論が行われた。 来年度は! 10年後の将来については、2年間も考えてきましたので、 そろそろ終わりにして、来年度は、ライセンス・アソシエイト 分科会を再開しようと思っています。 3年前のライセンス・アソシエイト分科会との違いは、ライセ ンスのケースメソッドだけではなく、ライセンスを取り巻く 様々な環境やベンチャー支援策や成功事例研究等につ いても議論したいと思います。
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