開啟檔案

P.47-48
暖かな師走の一日、小さな墓地の横
を散歩していた。
12月裡某個溫暖的一天,在一片小墓
地旁散步。
▪師走(しわす):臘月,陰曆12月
すると、身の丈に余るほうきで、墓の
周りを掃いている男の子がいた。
這時候,有個拿著比自己身高還高的掃
帚,掃著墓地周圍的男孩。
▪身の丈(みのたけ):身高
▪箒(ほうき):掃帚
近付いて「ボクえらいね。だれのお
墓?」と聞くと、「母さんの」と答えた。
上着に小2の名札がある。
靠近問他「真了不起呢,是誰的墓啊?」,
「母親的」這樣回答。上衣上有著小二
的名牌。
▪名札(なふだ):姓名牌
「魂のすみかと信じいるごとく7歳の子
は母の墓掃く。」何かの本に載っていた、
心を揺さぶられた短歌を思い出した。
「相信靈魂的棲身之所的7歲孩子,掃
著母親的墓。」想起了在某本書裡記載
著的,動人心弦的短歌。
▪ごとく:如同
▪揺さぶる(ゆさぶる):震撼,搖動,搖晃
そこへ桶に花束を入れた父親が現われた。頭
を下げ「いじらしいですね」というと、「雨
の日、この子の雨靴を持って学校へ行く途中、
車にはねられました。33歳でした」
這時把花放入桶子裡的父親出現了。對他鞠躬
說道「真是惹人憐愛的孩子啊」,「雨天,幫
這孩子送雨鞋去學校的途中被車撞到了。那時
候才33歲。」
▪そこへ:這時
▪いじらしい:惹人憐愛的
▪撥ねる(はねる):撞飛
私は若いお母さんの墓に手を合わせた。
父親と並んで立った少年が「ありがと
うございました」ときっぱり言う。
我對著年輕母親的墳墓合手作揖。和
父親站在一起的少年清楚的說了「謝
謝」。
クリスマス、お正月と子供にとって
楽しい季節がやってくる。でも、こ
の子には母親を思い出す悲しい日々
になるだろう。
聖誕節、過年對小孩子來說是快樂
的季節,但對這個孩子來說卻是回
憶起母親的悲傷的日子吧。
男の子に「元気を出してお父さんと
仲良くね」と声をかけ、墓を後にし
た。
和男孩子說「打起精神來,要和爸爸
好好相處喔」,便離開墓地。
▪後にする(あとにする):離開
いい話だ。しかし、それにしても以前見たことが
ある短歌とそっくりのシーンが目の前に展開した、
そのことに驚く。きっと偶然なんだろうけど、
ちょっと出来過ぎた話だ、なーんて思ってしまう
のは私のひねくれた根性です。
很好的故事。但是,即使如此和以前看過的短歌
裡一模一樣的場景在眼前展開,真的很令人驚訝。
雖然一定是偶然的吧,但我仍覺得這真是難以置
信的故事,這就是我乖僻的性格。
▪出来過ぎる(できすぎる):好得過分
▪捻くれる(ひねくれる):乖僻,不合情理
①.「師走」とは何月か。
1.正月
2.四月
3.六月
4.十二月
▪師走(しわす):臘月,陰曆12月
②.「墓を後にした」とは、ここで
どういう意味か。
1.墓の後ろへ行った。
2..墓の後ろを掃除した。
3.墓の後ろに立った。
4.墓から離れた。
▪後にする(あとにする):離開
③.「以前見たことがある短歌とそっくりのシー
ン」とは、どのようなシーンか。
1.少年は父親と一緒に墓の前に並んで立ったシー
ン。
2.男の子が母の墓の周りを掃いているシーン。
3.私が若いお母さんの墓に手を合わるシーン。
4.何かの本に載っていた心を揺さぶられた短歌を思
い出したシーン。
▪「魂のすみかと信じいるごとく7歳の子は母の墓掃く。」
何かの本に載っていた、心を揺さぶられた短歌を思い出し
た。
④.「そのこと」とあるが、どういうことか。
1.ほかの子供にとって楽しい季節が、この子に
とって母親を思い出す悲しい日々になること。
2.暖かな師走の一日、男の子が墓に周りを掃いて
いたこと。
3.「魂のすみかと信じいるごとく7歳の子は母の
墓掃く」という短歌を思い出したこと。
4.以前見たことある短歌とそっくりの場面を見た。
▪しかし、それにしても以前見たことがある短歌とそっくり
のシーンが目の前に展開した、そのことに驚く。