クラウドだから出来る図書館改革

学校法人国士舘 理事長室参与
植田英範
協力機関
株式会社タイムインターメディア
株式会社トーコン・システムサービス
株式会社マイクロテック
学校法人国士舘
1.図書館の衰退と影響
1.1ジャパンシンドローム
就学(職)人口の激減
→経済の減衰(教育の低迷と相乗)
→社会変化加速/変わらない学校&図書館
1.2ビッグデータ
アクセス格差=情報格差
→技術格差がデータ・アクセス格差
=経済格差
→コンテンツの質・量が、スキル格差
→世代間アクセストレンドの乖離が、
世代断絶・秩序破壊の一因に
情報資源の貧弱な図
書館は無力!期待さ
れず蚊帳の外?
1億2800万人(内18歳;122万人)
9,515万人(内18歳;77万人)
100年後→2110年は4,500万人に!
1.2業態変化/アンマッチ
業態(社会)変化と学習ニーズが同期しない
→教育改革・図書館改革のタイムラグ
→読む力・創る力の必然に図書館人が無関心
(吉田松陰の松陰塾・スタンフォード大学は共にエリート育成)
着々進むオンライン講義例
内容; コンピュータサイエンス、電子回路、プログラミング、SaaS、リーン・ローンチパッド(起業家向け講座)ほか。
米国、英国などの英語圏が主だがコロンビアなど非英語圏からも受講。学校インフラが弱い新興国に African Virtual University
のようなオンライン高等教育機関が整備され始めている。
図書館信頼の欠如
→読書や創造の必然に
無理解、その結果創造
物の品質低下に…
1
マサチューセッツ工科大学
(MIT)
全開設カリキュラムのウェブ公開学長宣言 2000
無料オンライン講義プロジェクト「edX」 2012~
edX登録者:15万人(2012.10 うち中間試験受講者1万人)
2
ハーバード大学
無料オンライン講義プロジェクト「edX」
3
カーネギーメロン大学(CMU)
Open Learning Initiative
4
スタンフォード大学
リーン・ローンチパッド(スティーブ・ブランク氏による)・オンライ
ン
(氏とオンライン・デジタル大学「Udacity」と共同でオンライン化)
5
カルフォルニア大学バークレー
校
リーン・ローンチパッド・オンライン
注;テキサスシステム大学ほか徐々に参加校を増やしている…
6
コロンビア大学
リーン・ローンチパッド・オンライン
7
カルフォルニア工科大学
リーン・ローンチパッド・オンライン
8
全米科学財団(NSF)
リーン・ローンチパッド・オンライン
このプロジェクトには、「この変革にかかわりたいと感じているから」という理由だけで、無報酬で参加するグーグルやフェイスブックのトップエ
ンジニアが後を絶たないという。
2.ソリューション
インターネット
2.1クラウドだから出来る図書館改革
パブリック・クラウド
(Google Apps、Amazon EC2/S3、MS Azure, salesforce.com etc.)
学外利用
超大型データセンター
(=クラウド )
プライベー
ト・クラウド
他機関へ設置→ホスティングサービス
構内設置(オンプレミス)
クラウドとオンプレミス
はシステム形態こそ
異なるが、利用者から
みれば、違いが解らな
い。
LAN
利用者は学内サーバへ接続している
という意識は無い。
利用者はクラウドに接続している
という意識は無い。
5
本当のクラウドとは?(私見)
クラウドコンピューティングによる
図書館インフラの長所(まとめ)
事 項
メリット・デメリット
効 果
開発コスト/導入コスト
設備構築が不要。→ ただし、開発(一時コスト)必要。
DCRM, SharePoint, DODAI Azureなどのツール群&ベンダー・フレームワークなどに
よって開発費が、従前の5分の1程度に圧縮できた。
ランニングコスト
サーバ等ハードウェア不要。
また、ハードウェア、サーバ管理者が不要。
利用料(従量制課金)が必要。
システム/ソフトウェア改修等に係る保守要員は大幅削減。
エンタープライズのみでは、約25%になる見込み。
例;図書館ICT経費約4,500万/年→1,000万弱/年 に。
インフラの柔軟性
柔軟にサーバリソースを変えられる。導入・開発期間
の短縮。システム試作の自由度大。
例;初の海外入試は合格発表まで1日で処理、開発は約2週間。
例;秋期ウェブ履修マスターFエラー→並行して修正マスターで同時テスト、結果的に同
日入れ替え!
サービスレベル
SLA : 99.9%
どんなアプリにでも対応できるScalability。
ホストコンピューターからPCに至るまで、全学のあらゆるアプリケーションを再構築、約
1年でニーズ吸収できた。
セキュリティー/
安全性
堅牢なデータセンター(圧倒するセキュリティー・ボ
リューム)による不正アクセス・盗難防止。
安全確保の為の3カ所同時書き込み。
本学ステークホルダーらの信頼確保。
個人情報漏洩、データ破損など、事故・犯罪による損害や、被害者保障経費などが削減
できる。
情報活用/役立度
利用者の日常と同期する高度情報活用の実現。
構内SNS+Repository+ELMS連携という理想の教育環
境/教育のマイクロ化が実現する。
いつでも、どこからでも必要なとき必要なもの、必要な部分をタイムリーにサービスでき
る→日常生活と同期するサービスへ。
個々人のレベルや速度に適した学習環境を、生涯サービスできる。
社会貢献
学術情報共有ネットワーク実現の基盤が整った(社会
教育基盤整備という社会貢献へ参画)。
小学校教材から高度研究資料まで一元的に提供できる。
町の図書室から大学図書館、企業資料室まで効果的な横断検索を実現する可能性。
大幅な省エネに貢献できる。
2.2
強力な支援システム(1)
横断検索
国・公共機関・自治体・他大学な
ど、他館との連携による横断検索
機能
(運用環境が整えば実装)
美しい
ユーザーインターフェース
7
利用者がわかりやすく、使いたく
なる画面デザイン/操作手順
利用者同士の情報共有
読者のレビューを共有する・館員の
コメントを参考にするなど、興味関
心を高めるきっかけに
利用者目線で探せる
所蔵館検索
図書の所在だけでなくWebならで
はの地図検索で探しやすく
8
2.2
強力な支援システム(2)
登録
横断先サイトは
追加可能!
登録先
実績!!/2009
~
OPACを超える
アクセス件数
/Dropbox、
Evernote等と異な
る利便
結果
9
パーソナル検索ヒット
リスト
■マーケット
大学・学校・公共その他図書館
自治体・企業・その他の機関の資料
保存アーカイバ
各種機関の専門情報アーカイバ
■コンテンツ・デパートリー
各種ドキュメント(ファイル形式不
問)映像・画像
eラーニング・eBook(ファイル構造
不問)
教育教材・テキスト
イラスト等各種アート部材
■ユーザ支援
マルチメディア対
応
リポジトリ
リポジトリ
自己プロファイルと検索サイトの動
的マッチング
サイトスタッフ・コミュニティ
自機関
外部検索サイト連携
◎定期的にサイト特性分析
→検索時動的に最適サイト編成
し、それを対象に検索
NIIハーベスタ
Googleクロー
ル
外部システム
連携
Personal
リポジトリ
Subject
リポジトリ
リポジトリ
2.3 図書館改革
あらゆる知的資源が、生活に同期して活用できる
ように環境整備し、社会の知的生産性に寄与できる
図書館に改革する。
→ BABEL・RINGフルクラウド化の意図
ノート・作品
スクラップ
Database
Repository
Archives
本
espresso
3.SLEコンソーシアム
3.1 SLEコンソーシアムの趣旨・組織
●クラウドのICT資源利用によってユーザ間のコーペティションを促進し、近未来の最適な学習環境を提供します。
●事業および学習等のサービスツールは、SaaS型図書館システムBABELと、SaaS型学術情報リポジトリRINGです。
①生涯学習社会の基盤構築(環境整備)
②ユーザの活動成果の公開と普及(情報発信)
③ユーザや地域の知的生産性向上の支援
(知財生産)
④著作者権益の保護と関連ビジネスの創生
(著作者育成)
⑤図書資料・教材・学術情報等の充実と普及
(資料提供)
⑥ユーザ間の協働と補完による高度サービス
の実現(コーペティション促進)
⑦サービス基盤技術の開発 (ICT高度化)
3.2 コーペティション
3.2 ロードマップ
2003
•RING稼働
•事例:国士舘大学附属図書館i-Lib kissプラットフォームのkiss
2008
•RINGバージョンアップ(Personal RING/Subject RING機能追加)
•事例:同上
(※ 頒布活動を開始する)
•SaaS版RING稼働(基盤:MS Azure)
(※ メディアに大きな反応)
2011.6 •事例:同上
•SaaS版BABEL稼働
2012.6 •事例:同上
(※ SLEコンソーシアム設立準備)
•SaaS版BABEL・RINGの頒布価格体系決定
2012.12 •利用料を含むSLEコンソーシアム会費体系の決定
•SLEコンソーシアム発足(定款・組織役員等の決定・法人登記)
2013.2 •第1回総会後、参加募集開始
•本格的マーケティング展開
2013.4 •機関ユーザを国内外に拡大
ご参考資料:実稼働サイトURL
SLCコンソーシアム(スマートフォン)
→ http://smart4me.net/SLEcon12/
SaaS BABEL(OPAC)の公開サイト
→ http://opac.kokushikan.ac.jp
SaaS RING の公開サイト
→ https://kiss.kokushikan.ac.jp