ハッピー数に関する擬似概念 白柳研究室 5511022 岡本 亮佑 研究の背景 ハッピー数・・・与えられた自然数の各桁を1桁ずつに分 解し、その2乗和を取る操作を繰り返して、最終的に1に 到達する数字のことである。 (例)19の場合 12 + 92 = 82 → 82 + 22 = 68 → 62 + 82 = 100 → → 12 + 02 + 02 = 1 → 12 = 1… ハッピー数について初めて考えられたのは、1970年代の ロシアにおいてであると言われている。10進数の場合、 ある自然数がハッピー数である確率はおおよそ1/7であ ることが知られている。 最初の100個のハッピー数 昨年度,先輩の研究 ・2乗交互ハッピー数・・・ハッピー数では、すべてを加算し ているところを、加算と減算を交互に行う。 ・ステップワイズハッピー数・・・各桁を2乗したものに、 一の位から1,2,3,…とかけたものを加算する。 3 ・ 2乗ハッピー数・・・各桁に分解した後に、2乗ではなく 3 2乗する。 → 定理を発見 ハッピー数に関する擬似概念 n進ハッピー数・・・与えられた10進数を他のn進数に変換 し、ハッピー数と同様の変換を行う。これを繰り返し、最 終的に1に到達する数字がn進ハッピー数である。 (例)2進ハッピー数の場合 [ ]内は2進表示 9 [1001] → 12 +02 +02 +12 = 2 [10] → → 12 +02 = 1 [1] ⇒ 9は2進ハッピー数である。 計算機実験 数式処理システムMaple 14を用いて、さまざまな擬 似ハッピー数を出力する。 時間短縮のため範囲を設定する。 本研究では、1000以下の数で実験を行った。 2進ハッピー数~9進ハッピー数まで実験。 3進ハッピー数の出力結果 1 3 9 13 17 23 25 27 31 35 37 39 47 51 53 59 61 65 69 71 73 75 77 79 81 85 89 91 93 101 105 107 109 111 117 137 141 143 153 155 159 161 167 169 173 177 179 181 183 185 187 191 195 197 207 209 213 215 217 219 221 223 225 227 231 233 235 237 239 241 243 247 251 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 859 877 893 897 899 909 911 915 917 931 945 947 953 963 965 969 973 975 981 999 1以外のサイクルに到達する場合 3進ハッピー数の実験の場合 サイクル 到達する個数 4⇒2⇒4 425 5⇒5 273 8⇒8 75 4進ハッピー数の出力結果 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 981 982 983 984 985 986 987 988 989 990 991 992 993 994 995 996 997 998 999 1000 予想と証明 予想・・・任意の自然数が4進ハッピー数である。 ⇒①1桁の自然数がループを起こさずに1に到達する。 ②2桁以上の自然数が1桁に収束する。 この2つをいうことにより、 任意の自然数が4進ハッピー数であることを証明できる。 新定理 任意の自然数は4進ハッピー数である。 他のn進ハッピー数 実験結果 3進:偶数は3進ハッピー数ではない。 4進:任意の自然数が4進ハッピー数である。 5進:偶数は5進ハッピー数ではない。 6進:2連続項(1295,1296)(3194,3195)(3554,3555)等 7進:偶数は7進ハッピー数ではない。 8進:1000以下の2連続項(76,77)(524,525)(580,581) 9進:偶数は9進ハッピー数ではない。 まとめと考察 1000以下のn進ハッピー数 出現個数一覧表 ・任意の自然数は4進ハッピー数である。 n進ハッピー数 10 2 3 4 5 6 7 8 9 個数 143 1000 227 1000 265 56 26 59 64 ・1000以下の偶数は2n+1進ハッピー数 (n=1,2,3,4)でない。 ・6進ハッピー数,8進ハッピー数については連続項を発見。 連続項の他に、高さやサイクルについても考察を行った が規則性などは見つけられなかった。 今後の課題 すべての偶数が2n+1進ハッピー数(n=1,2,3,4)にならな いであろうという予想の証明。 n進ハッピー数の高さやサイクルに到達する個数、連続 項の出現パターンについて規則性があるかどうか。 1以外のサイクルに到達する場合 ・10進: 4→16 →37 →58 →89 →145 →42 →20 →4 (857) ・3進: 4 →2 →4 (425), 5 →5 (273), 8 →8 (75) ・5進: 4 →16 →10 →4 (419), 13 →13 (235), 18 →18 (81) ・6進: 20 →13 →5 →25 →17 →29 →41 →26 →20 (944) ・7進: 25 →25 (266), 32 →32 (3), 2 →4 →16 →8 →2 (220) 17 →13 →37 →29 →17 (149), 10 →10 (277) ・8進: 4 →16 →4 (269), 5 →25 →10 →5 (348), 13 →26 →13 (175), 20 →20 (110), 52 →52 (39) ・9進: 50 →50 (273), 53 →89 →65 →53 (386), 41 →41 (50), 68 →74 →68 (227)
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