論理値と2進数値の違い

コンピュータアーキテクチャI
#1 Introduction
平成28年4月8日
本講義の目標

ディジタル信号と物理量
– 量子化,標本化の原理を理解し,初歩的なブール代数による演算をす
ることができる

組み合わせ論理回路の設計
– 命題を論理式で記述し,これを論理回路として記述することができる

順序回路の設計
– 各種フリップフロップの動作を理解し,簡単な有限状態機械を順序回路
で記述できる

総合的な論理回路の設計
– 与えられた課題から自ら命題を設定し,それを実現するのに適切な論
理回路を設計することができる
対応するディプロマポリシー:
計算機システムの構成や動作に関する知識を習得し,
それを応用できる力
授業計画(1)
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
アナログとディジタル(4/8)
論理代数の基礎(4/15)
論理関数と論理式(4/22)
ブール演算演習,単元テスト(5/6)
カルノー図による論理式の簡単化(5/13)
論理式の簡単化演習(5/20)
組み合わせ回路の設計(5/27)
組み合わせ回路設計演習,単元テスト(6/3)
授業計画(2)
9. フリップフロップ(6/10)
10. 順序回路の設計1(6/17)
11. 順序回路の設計2(6/24)
12. 順序回路の設計演習,グループ演習(7/1)
13. コンピュータと論理回路1(7/8)
14. コンピュータと論理回路2(7/15)
15. コンピュータと論理回路3(7/22)
定期試験(8/5)
教科書について

講義中教科書を参照することがありますので,購入
しておいてください.
– 論理回路の基礎(改訂版),田丸啓吉著,工学図書,
2,200円
参考書について

入門向け
–
–
–
–

松下俊介,「基礎からわかる論理回路」,森北出版
速水治夫,「基礎から学べる論理回路第2版」,森北出版
浜辺隆二,「論理回路入門第2版」,森北出版
角山正博・中島繁雄,「ディジタル回路の基礎」,森北出版
やや上級向け
– 肥川宏臣,「ディジタル電子回路」,朝倉書店
– 原田豊,「論理回路と計算機ハードウェア」,丸善
– 柴山潔,「論理回路とその設計」,近代科学社

教科書と同レベルかちょっとだけ上級向け
– 髙木直史,「論理回路」,オーム社
– 浅川毅,「論理回路の設計」,コロナ社
成績評価

単元テスト20%
– 単元テストは40分~60分程度の試験時間
– 単元テストの回数は2回(10点満点×2回)
– 単元テストの結果に不安がある者は,次回講義開始時ま
でにレポートとして解答を提出すれば,80点を限度として
単元テスト得点とみなします
– 単元テスト・レポートは所定の表紙をつけること

グループ演習10%
– グループ課題1回(10点満点×1回)
– 自宅で解いてきた課題をグループ毎に確認,提出

定期試験は授業で扱った全範囲を対象
– 70点満点
出欠の確認について



授業時間中に確認の用紙をまわしますので,自筆サ
インを書き入れること.
サインに疑義がある場合,改めて口頭で確認すること
があります.
用紙を持ってくるのを忘れたら,口頭での確認にする
こともあります.
演習,レポート,定期試験について

演習
– 講義中の演習で解答した者には加点があります.

レポート
– 各単元テストについて自主的に出すもの以外は,今のところ考
えていません.
– 単元テスト結果があまりに悪いようだと,追加のレポートを課
すこともあります.
– レポートの提出期限は単元テスト翌週の講義開始時(チャイム
が鳴り終わるまで)とします.

定期試験
– 講義を4回以上休んだものは,定期試験の受講資格を失いま
す.
– 上記は3回までは休んでよい,との意味ではありません
レポート問題の配布について

授業で使ったスライド,単元テスト問題は以下のURL
で配布します.
http://w1.cs.miyazaki-u.ac.jp/users/yamamori/
から“講義情報”へ.
– “講義情報”は学内からのアクセスのみ許可します.


レポート用表紙も上記ウェブページにて配付します.
ウェブでの配布は基本的にPDF形式で行います.
再試験について

原則として再試験は行いません.
– レポートなどで十分補充可能と考えています.

万が一行う場合でも,以下の学生は対象としません
– 2回以上欠席がある
– 単元テストの平均点が一定値以下
オフィスアワーについて

木曜16時30分から17時30分がオフィスアワー
– オフィスアワーとは,教員がその時間に居室にいることを保
障する時間です.
– 出張等で不在の場合は,なるべく事前に連絡します.

授業内容に関する質問だけでなく,大学生活や進路
などに関する相談でもOKですので活用してください.
– 不在の場合はドアにホワイトボードがありますので,来訪の
意図と連絡先を書いておいてくれればコンタクトします.
予習復習について

授業と単位の関係
– 1単位=45時間の学習に相当する内容
– 一般の講義(2単位)は90時間の勉強
– 講義の1コマは2時間に相当する


2時間×15週=30時間にしかならない
予習・復習に使うべき時間
– トータルで90-30=60時間,週4時間!
– マジにやれるとは思ってないが,家でも1時間位は予習
復習に当ててください.
本日の講義内容

アナログとディジタルの違い
– アナログとは?
– ディジタルとは?


2進数値と論理値の違い
なぜコンピュータはディジタルなのか?
– アナログコンピュータは存在するか?
アナログ(analog)

連続した値を扱う
– 連続関数で微分可能な関数系で表現できる


滑らかに変化して,コキッと折れ曲がったり,途中で飛んだりせ
ずに表せるデータ
代表的なアナログ信号
–
–
–
–
レコードに刻まれた音楽
AM/FMラジオの電波
ギターやピアノなど楽器の音
人間の音声
ディジタル(digital)

とびとびの値を扱う→離散値,という
– グラフがカクカクしたり,途中で途切れたりする

とびとびの値はどこにある?
– アナログ信号を一定間隔でサンプリング
論理と論理値

論理とは?
– 対になる2つの値(2値)で示される情報

論理がとる値を論理値と呼ぶ
– コンピュータの世界では0と1か,F(False)とT(True)
が多い

論理の単位はビットであり,1つの論理は1ビットで
表される
論理値と2進数値の違い

類似点
– ともに2進数一桁を単位としている
– ともに単位をビットとしている

相違点
– 論理値は各桁が独立した意味をもたせることが可能
– 2進数値は全桁セットで意味を持つ
– 論理値は論理演算,2進数値は算術演算

論理演算と算術演算は後の講義で扱います
ディジタルコンピュータとアナログ情報

論理回路の膨大な組合せ
– 現在のディジタルコンピュータ

世の中にある一般の情報
– アナログ情報が多い→変換が行われる
analog
A/D
digital
digital
digital
analog
D/A
digital
コンピュータ=ディジタル?

現在のコンピュータは論理(ディジタル)回路から構成
されている
– 全ての演算,処理は論理演算として処理されている

論理回路ではない,アナログ回路(増幅回路など)を
使ったコンピュータはありえるか?
本日のまとめ
1. 授業計画等について
2. アナログとディジタル
•
•
連続量と不連続量を扱う
論理値と2進数値の違い
3. 論理回路とディジタルコンピュータ
•
ディジタル回路を用いたコンピュータ
4. 次回の予定
論理数学の基礎