Overthinking skilled motor performance: Or why those who teach can’t do Psychonomic Bulletin & Review 2008, 15 (5), 927-932 背景 パフォーマンスの基礎をなしている手続き的知識を記 述することは言うのはやさしいが実際に行うことは難 しい 異なる表現で支えられ、異なった根底にある神経システ ムによって調停されている(Anderson, 1982; Fitts & Posner, 1967; Gabrieli, 1998; Keele & Summers, 1976). 意識的に反省することは、パフォーマンスを低下させ るかもしれない Verbal Overshadowing 言い表せない知覚的な経験を言葉にすると記憶の 保持を損なうという先例がある 銀行強盗の顔を言葉で解説した被験者は、言葉に 置き換えなかった被験者より覚えが悪かった(Schooler and Engstler-Schooler, 1990) Verbal Overshadowing 知覚的な経験が言葉で説明することができる内容を上回 るとき起こる 言葉に表すのが簡単な場合は発生しない 視覚の記憶に限らない Verbal Overshadowing 言葉で説明することは、必ずしも経験を弱めるわけ ではない 中級者だけがワインを飲んで記述した後、正確に前に飲 んだワインを選ぶことができなかった ⇒知覚的な知識が被験者が持っている専門的な知識を上 回るとき欠陥が起こる エラーを起こした言葉の説明で覚えているため、後 の記憶を弱めてしまっている Verbal Overshadowing • 説明精度とVerbal Overshadowingは関係があまりな い(Fallshore &Schooler, l995; Schooler & EngstlerSchooler, 1990) • 顔や車を言葉にして覚えてもらうと後の認知を弱め た configural processingからfeature-based processingに切 り替わってしまったので認知を弱めてしまった モータスキルにおけるVerbal Overshadowing モータースキルの 手続き的知識 ことばで表すことが できる知識 技術に対する記憶を記述することは、知覚的な経験を 記述することに似た困難をもたらすかもしれない 熟練したゴルファーにパッティングの際に、特定の構成 要素に注意しながら実行してもらうと、パフォーマンスが低下し た(Beilock, Carr, et al, 2002) オフラインで技術を言葉で考えると後のパフォーマンス を低下させるのかは不明 実験方法 • ゴルフ経験者80人(大学生) • 無造作に言語化と非言語化グループに40人ずつ分ける • 9ホールの自己申告スコアによって、ハイスキル、ロース キルに20人ずつ分ける • パッティングの説明を受け、3回連続パッティングが入る までトライしてもらう(学習) • 言語化グループには5分間あらゆることを記述してもらう • 非言語化グループにはことばにすることの気をそらす作 業をしてもらう • 再び3回連続パッティングが入るまでトライし、成功する までの回数を記録する(保持テスト) 実験結果 2倍 ハイスキルグループ 非言語化グループは学習(M 21.4) の半分の回数(M 10.6) 言語化グループは学習(M 19.5)を 上回る結果(M 21.2) ロースキルグループ 言語化グループは非言語化グルー プより少ない試行で達成した 実験結果 分析はしたものの、他のパラダイム ( Beilock, Wierenga, & Carr, 2002)の ような言語表現内容から専門的な 知識の違いが分からなかった 原因としてはハイスキルグループの 経験不足 考察 • 実験より、記述することにより後の技術を損なうことが分 かった • 知覚的な経験におけるVerbal Overshadowingと同じよう な結果をみせた • 経験者は記述したことに意識が集中してしまい、記述し ていない手続き的知識を損なってしまっている • 知覚的な刺激の精神的なイメージがverbal overshadowingを生じさせるのに十分ではなく、言葉で 処理することがエラーにつながる(Fiore &Schooler, 2002; Schooler & Engstler-Schooler, 1990). • 指導においても、初期はサポートできるがある程度の実 力を持った人には進展の妨げになるかもしれない 自分の研究との関連 • アドバイスを言語化する際に、手続き的知識 に近づけるためによく思考させる期間が必要 がある • 指導者の意識のないアドバイス生成支援が できれば身体スキル獲得につながる • 繰り返し実行することでアドバイスを手続き的 知識に還元されると考えているので、そういっ た環境構築が必要
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