チョット知っとこ ゲインを上げるアンテナのスタックとは no-32 V,UHF

チョット知っとこ
ゲインを上げるアンテナのスタックとは
no-32
V,UHF帯でDXをされて居る局は殆どが、八木アンテナを使って居られます。 最低2枚、アンテナの枚数を増やす事をスタック化と言
いますが スタックとは、2枚に限りません、2枚に組んだ物を、更に2段、または4枚(4パラ)並べ、更に更に4枚を2段に、と言ったビッ
グアンテナを、固定局のタワーに、 さすが、移動運用では、4パラ2段は無いでしょう。 変わった所では、2,4.2と言った組み方も有り
ます。 2枚のスタックと2枚のスタックの間に4パラを挟む形で3段に成りますが、一般的にすべてをスタックと呼んでいます。 では、ア
ンテナをスタック化する事で、ゲインはどの程度上がるのでしよう? 判りやすい様に、例えば、10dbのアンテナを2枚スタック化したと
しましょう。
ゲインは1枚分の電力分が約2倍です、デシベルで言うと約3db増える事に成り、合計13dbです。 4枚に成ると約6db増える事に成り
合計は16dbです。 なぜ約と言ったかと言うと、全てのアンテナの位相が合っての事です。 それに加え、アンテナの給電点から、同軸
のロス、分配器のロス、コネクターのロスを、それぞれ損失を差し引かねば成りません。 ですから、正確には計算通りの利得が上がる
と言う事は無いのですが、ここにも、もう一つ問題が有ります。 それはスタック間隔(アンテナとアンテナの間隔)です。
広すぎても、狭すぎてもダメで、又、それぞれのアンテナの持つゲインにも依ります。 ゲインの高いアンテナは広く、低いアンテナは狭
く成ります。 フロント(前)方向に最高のゲインを引き出す間隔です。 しかし、アマチュア無線の場合、フロントに集中するあまり、サイド
方向から呼ばれても聞こえない現象が起きます。 これをフロントビームのパターンと言います、最高なゲインを引き出した為にパターン
がシャープに成り、サイド方向から入って来る電波の受信が弱く成ります。 当然通信の相手方の方向に向けた場合は最高のゲインで
相手に届く事に成ります。 八木アンテナの指向性の優れた所でしょう。 ここで、又問題が有ります。 交信の相手方よりズレた方向か
ら、BK(ブレーク)が入った場合、そのBKが聞こえない事も発生します、アマチュア無線の通信の相手方は、不特定で有って、いろんな
方向で交信する訳ですから、このスタック間隔をワザとズラせて、有る程度の再度ロープからの信号も聞こえるようにしなければ成りま
せん。 そのため、スタック化の方法も考えなくては成りません。 4パラに組むと、水平面で指向性がシャープに成り2段に組むと垂直面
で指向性がシャープに成ります。 フロントゲインは同じですが、ビームパターでの水平面と垂直面が変わって来ます。
アマチュア無線の場合は、どちらもシャープさは必要ですが、水平面だけでは無く、垂直面も必用で、4パラより、スタック2段にした方が
両方兼ね備える事に成り、ゲインは同じですが、使いやすい利点が有りますネ。 スタック2段にするとアンテナ正面から見た時、四角の
形に成ります、いわゆる開口面積と言いますが、これによっても使いやすいアンテナと成ります。 話の方向を少し変えますがアンテナ
の給電点からの損失を先に述べて居ますが、いくらゲインの高いアンテナを使って居ても、同軸のロスや、コネクターのロス、そして分配
器のロスが大きければ、アンテナの威力をフルに発揮出来ません。 これらロスの話は以前にも部分的な事を書いて来ましたので、ある
程度の理解をして頂けると思います。 同軸の損失も同軸の種類でロスは減らす事が出来ますし、コネクターも工夫次第で減らす事も出
来ます。 分配器に至っては、コネクターを沢山必要とするQマッチセクションでは無く、アンテナの枚数分一括分配で、しかも同軸を使用
しない、空洞管タイプ等、有ります。 V,UHF帯でDXを追っかける局では、当然プリアンプやリニアーも必用でしょう、分配器から、直下
のプリアンプ迄も同軸のジャンパーが必要ですネ、 ロスを少なくするため、分配器をプリアンプを同軸を使わないで直結すれば、短い同
軸ですが同軸のロスやコネクターは必要無く成ります。 次回は、そんなチョットした工夫を考えて見ましょう。