Metacognitive control of action: Preparation for aiming reflects knowledge of Fitts’s law JASON S. AUGUSTYN University of Virginia, Charlottesville, Virginia DAVID A. ROSENBAUM Pennsylvania State University, University Park, Pennsylvania Authority : Psychonomic Bulletin & Review Volume 12, Issue 5 , pp 911-916 背景 • メタ認知制御は知的技能では研究されているが知的運動技能では あまり研究されていない • 知的運動技能 • 感覚系と運動系の協応関係を伴う動作の技能 • 運動、楽器の演奏 • 今までのメタ認知研究 • 最近学習した情報を思い出す能力を自己評価しその評価から試験結果を 予測(Koriat & Gold-smith, 1996; Nelson & Dunlosky, 1991, 1992) • 難しくない勉強よりも難しい勉強に学習時間を割く(Metcalfe & Kornell, 2003) 背景 • メタ認知制御は高レベルの意思と知的技能戦略の決定を支配 (Gollwitzer &Schaal,1998) • 知的技能と知覚運動技能間に類似の成長評価が存在(Logan, 1992; Newell, Liu, & Mayer-Kress, 2001; but see Heathcote, Brown, & Mewhort, 2000) • 両方の種類のスキルの学習速度は、べき関数で近似可能 • 知覚運動技能の意思決定に知的技能と同じようにメタ認知を適用? アプローチ • 移動速度と精度のトレードオフに着目 • フィッツの法則に関連する知覚運動能力のメタ認知制御を探るため にプロトタイプの手動タスクを用いて観察 • フィッツの法則 • マンマシンインタフェースにおける人間の動作をモデル化したもの • 対象の領域に移動するのに必要な時間が対象部までの距離と対象物の大 きさの関数となることを予測 • 時間𝑇,距離𝐷,移動対象の円の幅𝑊,正の定数𝑎,𝑏 プロトタイプタスク • 実験方法 • • • • • • 被験者は直線で接続された2つの円を見る 円と円の直線状にカーソルを位置付け 二つのリングのいずれかがランダムに消失 制限時間内に残ったリング内にカーソルを移動 制限時間は回数ごとに減少 1つの実験では提示リングの相対的な幅を変更 • 被験者が捕捉時間内にターゲットリングを捕捉する確率の最大化位 置を選択するために、フィッツの法則、または暗黙のアナログの知識 を動員できたという仮説を検証 プロトタイプタスク(図) カーソルの位置と円の幅からの難易度指標 • 円を標的とする時の距離と円の幅からの困難さを𝐼𝐷 • IDが高いほど(円が遠い、または小さい)到達する時間がかかる • 円の幅それぞれ𝑊𝑞 , 𝑊𝑝 の円PとQ それぞれのカーソルからの距離を 𝐷𝑝 , 𝐷𝑞 とした時の困難さが等しいときカーソルの位置は最適 • その時の困難さは以下の式を解くことで算出 実験概要 • 目的 • 被験者がフィッツの法則にみあった独自の知覚運動機能をもっているか検証 • 被験者 • ペンシルバニア大学の学生16人 • 装置 • 赤外発光ダイオード(IRED)付き手袋 • Optotrakモーション記録システム(Northern Digital Corporation, Waterloo, ON) • 方法 • • • • リングを結ぶ線上にカーソルを移動させスタート 手を動かして画面上のドットを移動させ青いリング内に移動 24回のうち12回は4回ごとに制限時間を変更(1250ms,700ms,550ms) 12回のうち1回ごとにリングの大きさを変更(1:1,1:2,1:3,1;4) 結果 • 分散分析法を用いてカーソルと下部リングの距離を分析 • 下部リングの幅 • 制限時間 • 分散分析法 • 意味のない変動(誤差変動)と意味のある変動(要因によって変化した部分) の分散を分け要因による変動が誤差に比べて十分に大きければ要因によ る変動があると判定する方法 結果 • 分析結果 • 下部リングの幅 • 影響あり(F(1,15)=93.55,p<.01) • F(条件差の自由度,誤差の自由度) • 自由度:自由に変化させることのできるものの数 • P(確率値):全く相関のない数字を組み合わせたときにその値が出る確率 • 下部リングの相対的な幅 • 影響あり(F(3,45)=65.14,p<.01) • 制限時間 • 影響なし 結果 • 観測された値と予測された値の 最小二乗法は優れた結果 (𝑟 2 = .99; 𝑡 6 = 26.33, 𝑝 < 0.001) • 𝑟 2 :相関係数 • 2つの確率変数の間の相関示す統計学的指標 • 𝑡 自由度 :t値 • 観測サンプル統計量とその仮説母集団パラメータの差を測定するt検定の検定統計量 結果 • 失敗、成功の要因でのカーソル開始位置の変化 • 有意性なし • リングの大きさの比が大きいほど制限時間内にリング内に入る確率 は高い リングの幅の比率 平均成功率 分散 1:1(1.5cm:1,5cm) 0.62 0.08 1:2(1.5cm:3.0cm) 0.72 0.10 1:3(1.5cm:4.5cm) 0.77 0.12 1:4(1.5cm:6.0cm) 0.80 0.08 • 制限時間が長いほど成功率は高い 考察 • 被験者の選択肢はフィッツの法則に基づく予測と一致 • 被験者の開始位置の選択は実験開始から最適 • 成功または失敗に依存しなかったという事実から自分の過去の経験か らこの知識を獲得 • 本実験の結果は、意図的な意思決定が実際に発生する可能性を示唆 評価 • 良かった点 • 知覚運動技能と知的技能の類似点に着目し知的技能に用いられるメタ認知 制御を適用しようとした点 • 悪かった点 • 無意識な意思決定か理由をもった意思決定か判別できない点 • 使えそうな部分 • 悪かった点から言語化の良さがいえそう?
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