テフロンGEM

テフロンGEM
宇野 彰二
KEK
2015.12.05
MPGD研究会
壊れないGEM
• GEMには、放電により両面間で導通してしまって、使えなくなる
という問題がある。
• 小さな放電がきっかけとなり、大きな放電が起こり、破壊につながる。
• 解決策
• 動作電圧を下げて、安全なところで使用する。
• 電圧を印加する領域を分割して、大きな電流が流れないようにする。
• 高抵抗素材を利用して、小さな放電が大きな放電に至らないようにする。
• 計数率に制限が出る。
• 新しい絶縁素材を利用したGEM
• ガラスGEM
• テフロンGEM
• それ以外 -> 小宮さんの講演
小宮一毅
小宮一毅
小宮一毅
テフロンGEM
• KEK-サイエナジー
• 水素がない。 中性子散乱が小さい。
• 数年前にトライ
• 銅箔とテフロンとの密着性が低い → 断念
• テフロン基板の再調査
• 現在は、よいものがある。
• 密着性がよくなっている。
• ガラスクロスが入って、強度が増している。
• GEMの製作へ
市販テフロン基板
• 厚み >~100mm
テフロンGEMの製作
10cm×10cm
試験
• まだ放電は多いが、確かに損傷に至ることはない。
• Gain測定
別の素材
• ガラスクロスに代わるものを使った新しいテフロン基板
の調査
• フィラーといわれるものを混ぜたテフロン基板が米国に見つ
かった。
Gain
• R-PTFEはN-PTFEよりも絶縁層が厚いため、より高い電圧を印
加しなければ同程度のGainは得られない
孔径
ピッチ
電極の厚み
絶縁層の厚み
強度補強材
N-PTFE
70
140
10
80
ガラスクロス
R-PTFE
70
140
7
〜100
フィラー
Effective Gas Gain
10000
Ar-CO2(70/30)
これ以上は放電が多くなる。
2層にしても、全体にGainは
上がらない。
N-PTFE
R-PTFE
1000
100
530
580
630
680
ΔVGEM (V)
730
780
テフロンGEM (50um厚)
• 薄いもの 50um厚のものの製作
• 局所的に高い電場ができるのをさける。
• 1枚で高い増幅度がでることにこだわらない。
• 市販品の材料はなさそう。
• テフロンに銅を付けるところから依頼
• 50um厚のGEMの製作
• レーザーで穴加工
• サイエナジー 越牟田さん
• 薄くなってもやはり難しい
• 何とか製作
• 最初のトライ
• 2枚のみ納品
ー>市販品有
穴の出来具合
テフロンGEM
穴内がきれいでない
完全にテフロンが取り切れていない
LCP-GEM
テフロンGEM 2枚構成
55Fe
(5.9 keV X-ray)
Ar-CO2(70/30)
6 mm
DRIFT(1.6kV/cm)
2 mm
TRANSFER (2.0kV/cm)
2 mm
INDUCTION(4.0kV/cm)
テフロン-GEM
テフロン-GEM
パッド
AMP
オシロ
Fe-55の信号
Double GEM structure
放電多数 ー>放置 ー>放電少 ー> 電圧上げ
の繰り返し (1週間)
最終的に
ΔVGEM = 430V
Gain ~ 2000
もっと時間をかければ、
さらに、上げられる?
いくら放電させても
今のところ壊れない。
まとめ
• 絶縁素材にテフロンを使用したGEMを製作して、試験
を行っている。
• 100um厚 (当初)
• 50um厚 (昨年度~今年度)
• 放電により壊れないことは確かでありそう。
• 穴の加工をきれいにする努力をしている(サイエナ
ジー)
• 今後、新しいものが入手できれば、3枚構成をテストす
る予定。