英語の母音の長さを測定する(2) 調査課題 「母音の生起環境と継続時間の関係」 英語の母音は、同一であればほぼ同じ長さで 発音されるだろうか、それとも、それらが生じる 環境(条件)によって発音の長さが異なるだろう か? 実際に母音の長さを計測して、そのデータを統 計的に判定しなさい。 作業の過程と結論をレポートで報告しなさい。 課題作業 準備:対象の母音を含む語をリストする。 (1)WEB上で利用できる英語辞書等で対象の英単 語を検索し、その音声を再生する。 Weblio http://ejje.weblio.jp/ Oxford Learner’s Dictionaries http://www.oxfordlearnersdictionaries.com/ The American Heritage Dictionary (アメリカ英語に特化された辞書、DL可) www.ahdictionary.com 課題作業 (2)音声録音ソフトで録音し、ファイルに保存す る。(録音した英単語をファイル名にする) (3)Praatを使って、音声ファイルを開き、母音の 継続時間を測定し、Excel上でデータを記録する。 課題作業 3-1 Praatを起動し、[Open]から[Read from file] で対象音声ファイルを選択 3-2 オブジェクトウィンドウにおいて、[View and Edit] ボタンを押して、ファイルを開く →サウンドスペクトログラフが表示される →対象の母音の部分を選択し、継続時間を小 数点以下第3位まで読み取り、Excelにデータを 転記する。(例:0.345456→347) サウンドスペクトログラフ 周波数 フォルマント 時間 サウンドスペクトログラフ 母音はフォルマント(黒い部分)が明瞭 子音はフォルマントが不明瞭 (わたり音 [j][w]にはフォルマントが見える) 子音の音響的特徴 閉鎖音(例 [p], [b], [t], [d], [k], [g]) 閉鎖の持続中は無音⇒声紋に完全な空白 子音の音響的特徴 摩擦音(例 [f], [v], [s], [z], [ʃ], [h]) 低周波が空白、高い周波数域にノイズ特有の縞模様 子音の音響的特徴 鼻音(例 [m], [n], [ŋ]) 300Hz以下の低周波域に特有の「鼻音フォルマント」 子音の音響的特徴 接近音(例 [w], [j]) 母音と同様のフォルマントが現れるが、 母音よりも時間的変化が急。 子音の音響的特徴 唇音(例 [p], [b]) F2 F1 F2のフォルマント・ローカスの周波数が低い。 子音の音響的特徴 軟口蓋音(例 [k], [g], [ŋ) F3 F2 F2のフォルマント・ローカスの周波数が非常に高く、 F3に近い。 子音の音響的特徴 歯茎音(例 [t], [d], [s], [z], [n]) F3 F2 フォルマント・ローカスが低くも高くもない中間的値。 子音の音響的特徴 硬口蓋音(例 [ʃ], [j]) F2 F1 [i]のように、F1とF2のフォルマント・ローカスが広く空く。 母音の継続時間を計測する 母音の継続時間を計測する 課題作業(統計解析) 次の条件(要因)によって、当該の母音の長さ に有意な差があると言えるかどうか、統計的に 検討(t検定)する。 (a) 開音節か閉音節か (b) 後続する1個の子音が有声か無声か (c) 後続する子音の数が1個か2個か 課題作業(統計解析) (1) Excel上にデータを入力する 対象母音を含む語(word) 開音節/閉音節(syllable) open/closed 有声音/無声音(voiced) voiced/unvoiced 音節末子音数(nCons) 0, 1, 2 継続時間(duration) 単位ms 課題作業(統計解析) (2)母音が生じる環境条件ごとにグループ化し、 グループごとに、データ数と母音継続時間 の平均を算出する。 ・開音節、閉音節 ・有声音、無声音 ・音節末子音数1, 2 課題作業(統計解析) (3) t検定を行って、2グループの母音継続時間 の母平均が同じと言えるかどうかを検定する ・等分散性の検定(F検定) ↓ ・等分散を仮定するt検定 または、等分散を仮定しないt検定 作業課題(レポート) 一連の作業を目的、方法、結果と考察、結論に分 けてレポートで報告しなしさい。表紙(タイトル、氏 名、学生番号、提出年月日)を付ける。 提出先:[email protected] 提出方法:元データを記載したExcelファイル(学生 番号vowel_length.xlsx)とWord等で作成したレ ポートファイル(学生番号言語学最終レポー ト.docx)の2つをファイル添付して提出。件名: 提出締切:2月12日(火)18:00(必着)
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