10.3 Theory of quantum error

10.3 Theory of quantum
error-correction
量子輪講
2003年10月30日
担当:徳本
[email protected]
この節の流れ






量子誤り訂正の基本的な性質,定義など
訂正が成功するための条件
連続的なエラーを離散的なエラー(例えば
Pauli行列)で表現
Fidelityで誤り訂正を議論. Depolarizing
channelの場合から一般化
Degenerate code(量子符号の性質)
Quantum Hamming code
Basic idea
1.
2.
3.
4.
量子状態をユニタリ変換して量子誤り訂正
符号Cへ符号化(部分空間Cへの射影) .
noiseが入る.
シンドロームからエラーの形を特定.
(syndrome measurement)
Recovery operationでエラー訂正し,元の状
態へ戻す.
Code space
Code space(全体のヒルベルト空間の部分空
間)同士は必ず直行していなければならない.
なぜなら,
直行していない
→distinguishableではなくなる
→一意に復号できない.
例.
Two assumptions
1.
2.
ノイズはquantum operation で記述できる.
(ノイズの形などの仮定は必要ない)
完全な誤り訂正はtrace-preserving quantum
operation で表せる.
(detectionとrecoveryの2つに分けて考える
必要はなく,1つのoperationで2つとも処理す
る)
誤り訂正の成功とは
任意のρにおいて,
であれば,誤り訂正は成功である.
※ =ではなく∝なのは がnon-trace-preserving
operationの場合も考えられるから.
Theorem 10.1
Quantum error-correction condition
Cを量子符号,PをCへの射影とする. を
operation elements {Ei}であるquantum
operationとする. を訂正する量子訂正演算
子 が存在するための必要十分条件は
複素数のエルミート行列αにおいて
(このような が存在するとき, {Ei}を訂正可能
な誤りの集合(correctable set of errors)という.)
Proof of Theorem 10.1(十分性)
式(10.16)が成立→式(10.15)が成立
方針
1. Theorem 8.2を用いて,式(10.16)を
simplifcationする.
2. syndrome measurement Pkを定義し,code
spaceが直交なことを示す.
3. recovery operationをUkとして,式(10.15)の成
立を示す
1. 式(10.16)のsimplification
αがエルミート行列であることから
と対角化が
可能.ここでuはユニタリ行列でdは対角行列.
operator
と定義すると,theorem 8.2よ
り{Fk}も のoperation elementsである.これより,
であり,式(10.16)より
る.
であることを考えると
とな
が得られる.これは式(10.16)のsimplificationと考え
られる.
2. syndrome measurement Pk
極分解より,あるユニタリ行列Ukにおいて
であるのでFkの効果というのはcoding subspace
からprojector
で定義さ
れるsubspaceへの回転である.このような
subspaceは
であるので直交である.
3. 式(10.15)の成立を示す
syndrome measurementはcompleteness relation
を満たすようPkを定義し,recoveryは によって
なされる.よってdetection-recoveryを一つにし
たquantum operationは
となる.ここで
3. 式(10.15)の成立を示す
これより
が得られる.
Proof of Theorem 10.1(必要性)
式(10.15)が成立→式(10.16)が成立
operation elementsが{Ri}の で完全に訂正できる
エラーを{Ei}とする.ここでquantum operation
を定義する.PρPはcode spaceの
中にあるので
これを比例定数cとoperation elementsを使って書き
直すと
Proof of Theorem 10.1(必要性)
これからoperation elements {RjEi}のquantum
operationはoperation element
のquantum
operationと等しいことがわかる.ここから
これの共役をとると
なので
である.しかし はtracepreserving operationなので
.
これより
ここで
なのでαはエルミート.
Exercise 10.7
とする.
i≠jのとき
i=j≠0のとき
i=j=0のとき
これよりαはエルミート行列なので,quantum
error-correction conditionは成り立つ.
Box 10.1: Quantum error-correction
without measurement
現実的にはerror-detectionで行うような
measurementを行うのは難しいので,代わり
となるprocedureが必要.
unitary operationとancilla systemで可能!
10.3.1 Discretization of the errors
この節では・・・
Error-correction operation で訂正できるエ
ラーはquantum operation だけではなく,そ
のoperation elements {Ei}の線形結合で書け
るものすべてである.
連続的なエラーを考えるのも,有限のエラー
の集合{Ei}を訂正する符号を考えればよい.
Theorem 10.2
量子符号をC,operation elements {Ei}のnoise
process を誤り訂正するoperationを とする.
ここでEiの線形結合であるoperation elements
{Fi}のoperation を考える.これは複素数行
列mjiとして
と表せる.このとき
は同じようにnoise process を符号Cで訂正で
きる.
Proof of Theorem 10.2
theorem 10.1の十分性を示した証明を少し変
形するだけ.{Ei}はquantum error-correction
conditionを満たすとき,式(10.23)より
である.
であることより
Proof of Theorem 10.2
よって
が得られる.
Shor codeによる例(Exercise 10.10)
{Ei}はPauli matricesσjの線形結合.
よって
を満たすか確かめれば第1qubitの任意の
1qubit errorがcorrectableかわかる.ここで
は第1qubitにかかるPauli行列.
Shor code
Discretize quantum error
連続的なエラーに対する訂正は,離散的な
エラーに対する訂正を考えるだけでよい.
(例.Pauli matricesを訂正できる符号なら任
意のsingle qubit errorを訂正可能)
10.3.2 Independent error models
qubitごとにエラーの種類,起こる確率が独
立である場合を考える.
Depolarizing channelの場合
でI,X,Y,Zの誤り訂正を考えればよい.
fidelityの最小値は
depolarizing channelを通したときのsingle
qubitのfidelity
single qubitを1qubit誤り訂正可能なn qubitの符号
にする.これをdepolarizing channelに通すと
これを誤り訂正すると
これよりfidelityは
Amplitude dumpingの場合
他のnoisy channelのときでもPauli matricesを
エラー訂正できることでOKか?
Amplitude dumpingのときを示す.
となるが
が訂正時に消
えるようなコードを考えると,
10.3.2の結論
一般的に他のnoisy channelのときでもPauli
matricesをエラー訂正できるコードでエラー訂
正可能!
10.3.3 Degenerate codes
例.Shor codeにZ1とZ2のエラーが起きたこと
を考えると,どちらのエラーが起きても同じ状
態になる.


これは古典符号ではありえないこと.
デメリットとして古典の証明テクニックが使え
ない.(例として次節で紹介するquantum
Hamming boundはdegenerateのとき不成立.
メリットとして情報がより多く詰められる.
10.3.4 The quantum Hamming bound
k qubitsの情報をt誤り訂正可能なn qubitsの
non-degenerate codeにエンコードすることを
考える.エラーの種類の総数は,
エラーの種類(X,Y,Z)
nqubit中,jヶ所のエ
ラーが起こる組合せ
それぞれのエラーは2k次元の直交する部分
空間に対応して, 2k次元空間内にあるので
例.1qubitsの情報を1誤り訂正可能な
n qubitsのnon-degenerate code
のとき成立
Degenerate code,例えば
なら空間が節約できるが,
式が成り立たなくなる