論理回路 第12回 http://www.fit.ac.jp/~matsuki/LCA.html 今日の内容 • 組み合わせ論理回路の設計1 • 組み合わせ論理回路の設計2 • 加算回路の設計 例題 • 以下の回路を解析せよ(論理関数fを求めよ) A + B = AB A B C B + C = BC 2 1 f = AB + BC = (AB)(BC) = (A+B)(B+C) = B + AC 論理回路の解析2(NAND/NOR) • NAND/NORゲートで構成される回路は,レベ ルが多くなると, 否定の回数が多くなるため, AND/ORゲートと同様の解析方法は難しくなる • NAND/NORゲート ⇒ AND/ORゲートに変換 A B A + B = AB f = AB + BC = B + AC C B + C = BC 論理回路の解析2(NAND/NOR) • NAND/NORゲート ⇒ AND/ORゲートに変換 (1)奇数レベルのゲートにo(odd) 印を付与 (2)偶数レベルのゲートにe(even) 印を付与 (3)o印のゲートをド・モルガンの等価ゲートに変換 (4)二重否定を削除(相殺されるため) (5)o印のNANDはORに,NORはANDに置き換わる (6)e印のNANDはANDに,NORはORに置き換わる 論理回路の解析2(NAND/NOR) A B e o f e C 2 A B C 1 ド・モルガン 等価ゲート 論理回路の解析2(NAND/NOR) A B ド・モルガン 等価ゲート C A B C f = (A+B) (B+C) = AC + B 論理回路の解析2(NAND/NOR) • もし,同じゲートの出力が奇数レベルと偶数 レベルにつながっている場合 そのゲートは特別扱いする必要がある 方法① ゲートを出力別に分割する 方法② 偶数レベルに繋がる線に インバーターを挿入する 論理回路の設計1(AND/OR回路) 入力側から見た呼び名 • AND-ORゲート構成(積和形): – レベル1:1個のORゲート – レベル2:各項の論理積を作るANDゲート • OR-ANDゲート構成(和積形): – レベル1:1個のANDゲート – レベル2:各項の論理和を作るORゲート 論理回路の設計1(AND/OR回路) (1) f = AB + AD + BCD 積和形 和積形 (2)f = (A + B)(A + C)(A + D)(B + D) 論理回路の設計1(AND/OR回路) (1) f = AB + AD + BCD (2)f = AB + D(A + BC) •ゲート数を少なくする⇒エラー率,コストの抑制 •ゲート・レベル数を小さくする⇒遅延時間の抑制 •ゲート入力数を小さくする⇒消費電力量の抑制 論理回路の設計2(NAND/NOR回路) NAND/NORゲートは,論理の完全性を持ってい る 部品の種類を減らすことが可能になる 二重否定法(double complement method)に よって,ド・モルガンの定理を利用して NAND/NORの形に式を変形 加算回路 2進数の加算を行う回路を設計する • 半加算回路(Half Adder) • 全加算回路(Full Adder) 半加算回路 2進数の1ビットの加算 0 + 0 0 1 + 0 1 0 + 1 1 1 + 1 10 桁上げ キャリー 半加算回路 10 + 10 100 1011 + 0011 1110 1 0 0 1 1 桁上げ キャリー 各桁は,各桁の加算結果に一つ下の桁 からのキャリーを加えなければならない 半加算回路 • 半加算回路(半加算器): 1桁の加算を行う論理回路で,その桁の加算 のみを行い,下位桁からのキャリーの加算を 行わない回路 A B S 半加算回路 C+ A,B:2進数の1ビット S :部分和 C+ :上位桁へのキャリー 半加算回路 • 真理値表(部分和S,キャリーC+) 入力 出力 A B S C+ 0 0 0 0 0 1 1 0 1 1 0 1 1 0 1 0 半加算回路 • カルノー図(部分和S,キャリーC+) B 0 1 0 0 1 1 1 0 A B 0 1 0 0 0 1 0 1 A (1) 部分和 S (2) キャリー C+ S=AB+AB C+ = A B 半加算回路 部分和SとキャリーCの論理式 S=AB+AB C+ = A B C+ A B S AND-ORゲート構成 半加算回路 部分和SとキャリーCの論理式 S=AB+AB C+ = A B C+ A B S AND-ORゲート構成 NANDゲート構成 半加算回路 部分和SとキャリーCの論理式 S=AB+AB C+ = A B A A = B B = 0より S=AB+AB=BB+AB+AA+AB = B( B + A ) + A( A + B ) = (A + B)(A + B) = (A + B)(A B) 半加算回路 部分和SとキャリーCの論理式(簡単化) S = (A + B)(A B) C+ = A B C+ A B S 最小ゲート構成 半加算回路 部分和SとキャリーCの論理式 排他的論理和 S=AB+AB=A+B C+ = A B A B C+ S XOR(排他的論理和)ゲートによる構成 全加算回路 • 全加算回路(全加算器): 半加算回路による部分加算に加えて,下位 桁からのキャリーをも同時に加算する回路 A B C S 全加算回路 C+ A,B:2進数の1ビット C :下位桁からのキャリー S :部分和 C+ :上位桁へのキャリー 全加算回路 • 真理値表(部分和S,キャリーC+) 入力 出力 A B C S C+ 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1 0 1 0 1 0 1 0 1 1 0 0 1 1 1 1 1 1 1 0 1 0 1 1 0 0 1 0 全加算回路 • カルノー図(部分和S,キャリーC+) C 0 1 0 0 0 1 0 1 1 1 1 1 0 AB C 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 1 1 1 1 1 1 0 1 0 0 1 AB (1) 部分和 S (2) キャリー C+ S = ABC + ABC + ABC + ABC C+ = AB + BC + AC 全加算回路 部分和SとキャリーCの論理式 S = ABC + ABC + ABC + ABC C+ = AB + BC + AC = (ABC + ABC + ABC + ABC) AND-ORゲート構成(p.94, 図4.23(a) ) NANDゲート構成(p.94, 図4.23(b) ) 注意事項 • 講義に関する質問・課題提出など: [email protected] • メールについて 件名は,学籍番号+半角スペース+氏名 (例)S09F2099 松木裕二 本文にも短いカバーレター(説明)をつける 課題はWordなどで作り,添付ファイルとして送る
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