前回の演習問題の答え • 問題1(章末問題9): xは平均20,標準偏差4の正規分布に従うと仮定して,大きさ 64の標本に基づく標本平均xが次の条件を満たす確率を求 めよ.(a)21を超える,(b)19.5を超える,(c)19と21の間にあ る,(d)22を超える. 答え: 𝑋~𝑁 𝜇, 𝜎 2 = 𝑁 20, 42 つまり、 𝜇 = 20, 𝜎 = 4 大きさ64の標本は十分大きいから,中心極限定理が使える. 𝜎2 よって、 𝑥~𝑁(𝜇, ) 𝑛 𝑥は平均μ=20,標準偏差 4 64 = 0.5の正規分布に従う、𝑥~𝑁(20, 0.52 ) • 問題1(章末問題9): 𝑥~𝑁(20, 0.52 ) 標準化 : Z X 𝑥 − 20 𝑧= ~𝑁(0,1) 0.5 (a)21を超える確率: 𝑃 𝑥 > 21 = 𝑃 𝑥 − 20 21 − 20 > = 𝑃 𝑧 > 2 = 0.5 − 𝑃 0 ≤ 𝑧 ≤ 2 = 0.5 − 0.4772 ≈ 0.02 0.5 0.5 (b)19.5を超える確率: 𝑥 − 20 19.5 − 20 > = 𝑃 𝑧 > −1 = 0.5 + 𝑃 −1 ≤ 𝑧 ≤ 0 0.5 0.5 = 0.5 + 𝑃 0 ≤ 𝑧 ≤ 1 = 0.5 + 0.3413 ≈ 0.84 𝑃 𝑥 > 19.5 = 𝑃 (c)19と21の間にある確率: 𝑃 19 ≤ 𝑥 ≤ 21 = 𝑃 19 − 20 𝑥 − 20 21 − 20 ≤ ≤ = 𝑃 −2 ≤ 𝑧 ≤ 2 = 2 × 𝑃 0 ≤ 𝑧 ≤ 2 0.5 0.5 0.5 = 2 × 0.4772 ≈ 0.95 • 問題1(章末問題9): 𝑥~𝑁(20, 0.52 ) 標準化 : Z X 𝑥 − 20 𝑧= ~𝑁(0,1) 0.5 (d)22を超える確率: 𝑥 − 20 22 − 20 𝑃 𝑥 > 22 = 𝑃 > = 𝑃 𝑧 > 4 = 0.5 − 𝑃 0 ≤ 𝑧 ≤ 4 0.5 0.5 > 0.5 − 𝑃 0 ≤ 𝑧 ≤ 3.09 = 0.5 − 0.4990 ≈ 0.00 前回の演習問題の答え • 問題2 (章末問題11、12) : 一つの図に,平均10,標準偏差2の正規曲線のグラフと,この 分布からの大きさ9の標本に基づく標本平均xの分布曲線 のグラフを重ねて描いてみよ.次に、標本の大きさが36にす れば, xの曲線のグラフはどのようになるか. 答え: 𝑋~𝑁 𝜇, 𝜎 2 = 𝑁 10, 22 大きさn1=9の標本に基づく標本平均 𝜎2 2 2 𝑥1 ~𝑁 𝜇, = 𝑁(10, ( ) ) 𝑛1 3 大きさn2=36の標本に基づく標本平均 𝜎2 2 2 𝑥2 ~𝑁 𝜇, = 𝑁(10, ( ) ) 𝑛2 6 答え: 2 2 𝑥2 ~𝑁(10, ( ) ) 6 2 2 𝑥1 ~𝑁(10, ( ) ) 3 𝑋~𝑁 10, 22 • 大きさ9の標本に基づく標本平均𝒙𝟏 の分布曲線は元のXの曲線 に比べて、高さは3倍で、広がりは約1/3になる. • 大きさ36の標本に基づく標本平均𝒙2 の分布曲線は 元のXの曲線に比べて、高さは6倍で、広がりは約1/6になる, 𝒙𝟏 の曲線に比べて、高さは2倍で、広がりは約1/2になる. 前回の演習問題の答え • 問題3(章末問題13): 小学生1年生の体重の標準偏差が7ポンドであるとき,このよ うな生徒100人の無作為標本の平均体重が1年生全体の平 均体重と1ポンド以上異なる確率はいくらか. 答え: 1年生の体重の確率変数をX, 平均をμ, 標準偏差を𝜎 = 7とする. 大きさ100の標本は十分大きいから,中心極限定理が使える. 𝜎2 7 2 よって、無作為標本の平均体重 𝑥~𝑁 𝜇, = 𝑁(𝜇, ( ) ) 𝑛 10 X 標準化 : Z 𝑥−𝜇 𝑧= ~𝑁(0,1) 0.7 𝑃 𝑥−𝜇 >1 =1−𝑃 𝑥−𝜇 ≤1 =1−2×𝑃 0≤𝑥−𝜇 ≤1 𝑥−𝜇 1 =1−2×𝑃 0≤ ≤ = 1 − 2 × 𝑃 0 ≤ 𝑧 ≤ 1.43 0.7 0.7 = 1 − 2 × 0.4236 ≈ 0.15 • 問題4 (章末問題14) : 体重の増加をもたらす新しい餌をある種の鶏の母集団から無作 為にとった25羽の鶏に与えることにした.1ヶ月後の体重増の標 準偏差は約2オンスが期待されるとして,これらの鶏を新しい餌で 飼育するとき,1ヶ月後の25羽の体重の平均と全母集団の平均の 差が1/2オンス以上になる確率を求めよ. 答え: 体重増の確率変数をX, 平均をμ, 標準偏差を𝜎 = 2とする. 大きさ25の標本は十分大きいから,中心極限定理が使える. 2 𝜎 2 2 よって、 1ヶ月後の25羽の体重の平均 𝑥~𝑁 𝜇, = 𝑁(𝜇, ( ) ) 𝑛 5 X 標準化 : Z 𝑥−𝜇 𝑧= ~𝑁(0,1) 0.4 𝑃 1 1 1 =1−𝑃 𝑥−𝜇 ≤ =1−2×𝑃 0≤𝑥−𝜇 ≤ 2 2 2 𝑥−𝜇 1 =1−2×𝑃 0≤ ≤ = 1 − 2 × 𝑃 0 ≤ 𝑧 ≤ 1.25 0.4 0.8 = 1 − 2 × 0.3944 ≈ 0.21 𝑥−𝜇 > • 問題5(章末問題15): ある大学での過去5年間の男子新入生の体重の平均は154ポン ドで,標準偏差は20ポンドである.今年の新入生登録名簿の中か ら選んだ100人の学生の体重の平均が159ポンドであったとすれ ば,今年の新入生の体重は例年の新入生の体重より重いといっ てよいか.理由をつけて答えよ. 答え: 男子新入生の体重の確率変数をX, 平均をμ = 154, 標準偏差を𝜎 = 20とする. 大きさ100の標本は十分大きいから,中心極限定理が使える. よって、選んだ100人の体重の平均 𝜎2 20 2 𝑥~𝑁 𝜇, = 𝑁(154, ( ) ) 𝑛 10 標準化 : Z X 𝑥 − 154 𝑧= ~𝑁(0,1) 2 𝜎2 20 2 選んだ100人の体重の平均 𝑥~𝑁 𝜇, = 𝑁(154, ( ) ) 𝑛 10 𝑥 − 154 𝑧= ~𝑁(0,1) 2 理論的に、今年選んだ100人の体重の平均𝑥は例年の新入生 の体重の平均μ = 154ポンとを4.9ポンドを超える確率は、 𝑃 𝑥 − 154 > 4.9 = 0.5 − 𝑃 0 ≤ 𝑥 − 154 ≤ 4.9 𝑥 − 154 4.9 = 0.5 − 𝑃 0 ≤ ≤ 2 2 = 0.5 − 𝑃 0 ≤ 𝑧 ≤ 2.45 = 0.5 − 0.4929 = 0.0071 つまり、一般的には今年選んだ100人の体重の平均𝑥が例年の平 均を4.9ポンドを超える確率は極めて低い. 実際に、今年の体重の平均は例年の平均より5ポンド重くなって いる. それゆえ、重いように思われる.
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