証券市場論講義 講師 福光 寛 第1回 証券と証券市場 演習 To copy this presentation requires the prior approval of the author. Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 1 教材について 何か1冊ならこれを 福光寛 高橋元編著『ベーシック 証券市場論』同文舘出版 このほか 2冊参考になる教科書も出ている。 二上季代司・代田純『証券市場論』2011年 大村敬一・俊野雅司『証券論』2014年 To copy this presentation requires the prior approval of the author. Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 2 講師の考え方を知るには 福光のブログ → Googleを開けて 「証券市場論前期」と検索すると 「証券市場論前期」が 「証券市場論後期」を検索すると 「証券市場論後期」が現れる。 これを読むように。またこのPPTはResearch Mapの福光寛のページ に講義前に順次upload予定。また過年度分はすでに掲載されている。 このほかブログに多くの内外情報を掲載している。 Therefore, I say: Know the enemy and know yourself; in a hundred battles, you will never be defeated. 故曰: 知彼知己,百战不殆 zhi1bi3zhi1yi3,bai3zhan4bu4dai4。孙子兵法,谋攻第三。 To copy this presentation requires the prior approval of the author. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 3 証券市場論という科目について 第二次大戦前の商業高校で置かれていた「取引所論」が、取引の仕 法の解説にとどまっていたことを批判。市場そのものの構造とくに 株式の所有構造の分析を重視する科目。 また市場という制度 規制の国際比較などに関心に関心を払う。 「ファイナンス論」でみられる計量的手法については知識として無 視せず教授もする。しかし計量的手法そのものの学習・応用が中心 の科目とは、スタンスが異なる。制度政策の理解を重視。制度政策 がなぜ変遷してゆくか。 → 計量的手法そのものは大事。計量的手法を学ぶための本学の開 設科目 「統計学」「経営数学」などがある。 To copy this presentation requires the prior approval of the author. Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 4 この講義について 現実つまり世の中で問題にしていることお話しします。 学部2年生で聞くことは可能ですが。理解できるかは個人差がありま す。日頃新聞を読んだりニュースを見たりする習慣のある人なら問 題ありません。 経済用語になじんでいない学生は、新しい言葉が次々に出てきます ので、予習復習が必要です。 分からないときは質問してください。 それでも分からないのであれば、この講義はまだあなたには早すぎ ます。3年以降に受けるようにしましょう。 To copy this presentation requires the prior approval of the author. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 5 証券とは何か 財産権について書かれた証書(紙片) paperless化により財産権という権利そ のものが 証券の実体として考えられるように変化 証拠証券 一定の事実を証明している証書。あれば証明に役立つが財産権の 保有・譲渡に不可欠ではない。 有価証券 るもの 財産権の保有・譲渡と有価証券自体の保有・譲渡が結び付いてい 有価証券をさらに貨幣証券、商品証券、資本証券に区分する 財産権の中身が貨幣、商品、資本のいずれかで分かれている 現代では証書のPaperless化。つまり紙券が発行されなくなっている(電子記録 化)。紙に記載された権利内容自身が証券の実体として理解されるように変化。 To copy this presentation requires the prior approval of the author. Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 6 Paperless化 なぜpaperlessとなるか Paperにこだわると紙券の保管・譲渡の手間・コストが膨大化す る:またpaper crisis 紙券の保管・譲渡のために証券取引が遅滞す ること=paper crisisが発生する Paperless化により、証券が権利そのものを示すことはより明確化し ている。現在はあらゆる取引でpaperless化が進んでいる。 → ただし情報の保存という点で紙が勝る面がある To copy this presentation requires the prior approval of the author. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 7 記憶媒体の寿命予測 ハードディスク (傷 フラッシュメモリー USBメモリーなど 光ディスク(CD ど) DVDな 汚れ 3年~5年 静電気に弱く意外に短い) 10年 (記憶は5年程度で消えるとされる →記憶保持性能が短い 静か) 20年 紙 250年 マイクロフィルム 500年 (ポリエステル製フィルムは安定してい る) To copy this presentation requires the prior approval of the author. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 8 有価証券の分け方 Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 財産権の内容により細分類されている 貨幣証券(貨幣請求権) 小切手;支票zhi1piao4;check 手形;本票ben3piao4 ; promissory note(約束手形) 汇票hui4piao4; bill of exchange(為替手形) 商品証券(商品請求権) 船荷証券 提单ti2dan1; bill of lading 海运提单 航空提单 資本証券(資本請求権あるいは資本収益請求権) 株券 債券 股票gu3piao4 债券zhai4quan4 To copy this presentation requires the prior approval of the author. 9 財産権の証券化 財産権を証券で表章することは、それ自体は画期的なことだと考え られる。 貨幣 商品 資本に代えて紙券の保有譲渡で 多額の貨幣 商品 資本の取引が可能になった → その後 紙が取引の制約になった ことで → paperless化 To copy this presentation requires the prior approval of the author. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 10 Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 資本証券のポイント 証券であり譲渡性がある 譲渡性 譲渡できるかどうか 保有者が権利の保有者とする・・・有価証券の譲渡性 例 債務証書 例 社債 預金証書 ・・・ 譲渡性預金証書・・・ 資本証券である 譲渡が想定外 譲渡できる 資本:収益請求権(利子生み資本) 投資収益請求権 持ち手の変化を想定: G・・・・G‘ という財産権を示している 資本集中機能 資産変換機能:長期化、大額化 大額化 資本の集中機能 長期化 満期変換機能 満期つまり現金化の時期が変換される 株式と債券の違いについては別に改めて論じる To copy this presentation requires the prior approval of the author. 11 市場とは何か Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 取引の区分 相対取引 negotiated transactions tailor made (ruleを変更できる) せり取引 auctions 拍卖pai1mai4 市場取引 market transactions 売り手と買い手がそれぞれ沢山(たくさん)存在 ready made (ruleが決まっている) To copy this presentation requires the prior approval of the author. 12 金融取引 相対取引も市場取引もある。たとえば貸付は相対取引。 証券取引には相対取引も市場取引もある。 しかし資本証券取引は市場取引化しやすい。 ↑ ↓ 資本証券には同じ権利内容のものが大量に発行される(権利の分割 が起きる)面がある 例示 株券 しかしいつも分割されるわけではないが分割可能性がある。 To copy this presentation requires the prior approval of the author. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 13 取引が集中:市場取引が生じる理由 取引き集中には合理性がある 取引が成立しやすくなる 集中することで仲介業者にメリットが生まれる 取引が集中することで売り手と買い手が多数化 市(いち)の成立 恒常化 To copy this presentation requires the prior approval of the author. 常設市場 市場取引化する 取引所の成立 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 14 Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 用語 custom made 定制的ding4zhi4de 定做的ding4zuo4de tailor made 定制的ding4zhi4de 特制的te4zhi4de 合适的he2shi3de ready made 现成xian4cheng2 现成衣服 To copy this presentation requires the prior approval of the author. 15 Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 証券市場の機能 証券価格などの情報の生産 証券に関わるリスク管理手法の提供 時間的・空間的制約を越えた資源移転手段の提供 資本の集中、満期変換など資産変換機能の提供 他の金融市場とともに社会的な効率的資金配分の実現 大村・俊野『証券論』2014, pp.21-23を参考に書き直した。証券市場 には新規発行証券が出され資金調達が行われる発行市場と既発行証券 の流通市場がある。それぞれの機能を分けて考えることもできる。 To copy this presentation requires the prior approval of the author. 16 証券取引の中の 取引所市場のルール Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 多数の会員の取引きはルールを作ることで円滑に進む ⇔ 取引所会員 membershipの利益 例 時間優先・価格優先の原則 例 取引商品 取引時間の取り決め 例 取引メムバーの限定 例 市場集中原則 固定手数料制など 比較 相撲における親方制度 野球での球団制度 市場の在り方(仲介のquoteの義務付けの有無) 義務あり 義務なし quote driven 仲介業者のquote(値付け)が主導 order driven 顧客のorder(注文)が主導 To copy this presentation requires the prior approval of the author. 17 Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 市場の集中・分裂fragmentation →集中・分裂(分散)を繰り返す ルールの制定そのものが分裂の原因 れる ルールは作られそして破壊さ 取引所stock exchanges 市場集中原則(独占)の合理性への過信 取引所会員の利益が分裂を防いでいた 場外市場(店頭市場)over the counter markets (OTC markets)を 買収することも しかし非会員の市場は防げない ↓ 顧客の側が市場ルールに懐疑 市場集中の原則廃止が世界の潮流に To copy this presentation requires the prior approval of the author. 18 Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 分散の背景:市場の機関化(1) ルールを崩壊させる市場の外の環境変化 機関投資家(年金 保険 投信など)の台頭 顧客である機関投資家の意向を市場は無視できなくなる ↓ 市場のルールへの懐疑広がる 固定手数料制の廃止 市場集中原則の見直し 1975 米 May Day 1986 英 Big Bang 1998 日 Japanese Big Bang To copy this presentation requires the prior approval of the author. 19 固定手数料制の廃止 証券会社の変質。もともとはブローカー業務が主体。市場の盛衰と 運命共同体。 ブローカー業務の利ザヤが薄くなった。 小口顧客はネット証券(オンライン証券)へ。 トレーダー業務やM&A業務に依存するように ↓ 大手証券は投資銀行に近くなり自己トレード重視。市場の盛衰への 責任感希薄化?。 To copy this presentation requires the prior approval of the author. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 20 市場の機関化(機関投資家の台頭)が 市場の変革圧力になっている。 Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 機関投資家(年金 保険 投信など)の台頭 市場のルールへの懐疑広がる 固定手数料制の廃止→証券会社の変質 市場集中原則の見直し→分裂の許容→市場間競争(提携・合併) 1975 米 May Day 1986 英 Big Bang 1998 日 Japanese Big Bang To copy this presentation requires the prior approval of the author. 21 市場の機関化(2) 市場の機関化 → 規制緩和を進めた市場へ資金を移動 流出の脅威の前に規制緩和進展 → 顧客 機関投資家の要求 より低いコストと取引の匿名性を要求、執行速 度の迅速化も ⇔ 市場の国際化 コンピュータ化が背景 国際化:顧客の取り合い コンピューターの普及:容易になった市場の形成 ↓ どのような市場が良い市場かの理解の変化 文の円滑迅速な処理 顧客間の平等→大口注 bid-ask(or bid-offer) spread(bid:売値、買い手の希望値段 offer: 買値、売り手の希望値段)の小ささ bid81.216円 ask81.226 market impact costの小ささ 取引の匿名性 To copy this presentation requires the prior approval of the author. Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 22 市場の分裂 問題の整理 fragmentation Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 規則などの存在が市場を生み出す 非会員による上場株式市場 非上場株式取引市場(店頭株市場) 機関投資家(大口投資家)のニーズが市場を生み出す 売買執行速度(PC取引への対応) 私設取引所 proprietary trading systems: PTSs 代替的市場 alternative trading systems: ATSs 市場インパクトmarket impactの回避 → クロス商い cross trading →crossing networks 市場でついた値段を利用して 取引きする市場の登場 値段を形成する市場ECNs と 形成しない市場crossing networks 市場の役割としての 公正な値段の形成 はどこに To copy this presentation requires the prior approval of the author. 23 ECNs, Dark Pools Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 情報を集中できれば市場を立ち上げられる ように技術環境が変化 法改正により市場の分裂が許容されるように ↓ 取引所に対抗するECNs:electoronic comunication networks (低コスト 高速度) の登場と成長 取引所はECNそのものの買収などで対抗 匿名取引のニーズ(売買の事実を伏せるニーズ) 大手証券会社によるDark Pools(匿名市場)の整備 ⇔ 取引所の原理(透明性など)と矛盾する側面 To copy this presentation requires the prior approval of the author. 24 Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 用語 詳しくは今後 To copy this presentation requires the prior approval of the author. 投資には2つのタイプがあります Portfolio investment ; indirect investment Strategic investment ; direct investment Portfolio investmentを行う時の分析手法は2つに大別されます Fundamental Analysis Technical Analysis 25 Copyright:Hiroshi FUKUMITSU この授業の進め方について To copy this presentation requires the prior approval of the author. 講義とともに予習復習の要請 演習方式(講義中の受講生への質問)の採用による対話形式の授業 を予定 名簿完成前は指図形式 名簿完成後は指名形式 Flipped Classroom 反転学習 事前あるいは自宅で講義を学習 授業では予習した内容の復習 26 Copyright:Hiroshi FUKUMITSU To copy this presentation requires the prior approval of the author. 演習開始! はじめるよ! ランダムに指名して質問するよ! 27 演習1 To copy this presentation requires the prior approval of the author. 証券市場論の特徴について述べなさい 証券の定義を述べなさい。 証拠証券と有価証券の定義を述べなさい。 貨幣証券について 貨幣証券の登場 内容 どのような点が革新的か 商品証券について 商品証券の登場 資本証券について 資本証券の登場 それぞれの機能 内容 それぞれの機能 どのような点が革新的か 内容 それぞれの機能 どのような点が革新的か Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 28 Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 演習2 To copy this presentation requires the prior approval of the author. 相対取引について説明しなさい。 せり取引について説明しなさい。 市場取引について説明しなさい。 取引所取引の特徴を説明しなさい。 市場の分裂について述べなさい。 市場の機関化について説明しなさい 固定手数料制について説明しなさい 市場集中原則について説明しなさい 取引の匿名性について説明しなさい 29 演習3 店頭市場(場外市場)とは何か 市場の機能(役割)とは何か To copy this presentation requires the prior approval of the author. 定義せよ 説明せよ 1 2 3 投資家にとりどのような市場が良い市場といえるかを考えよ 1 2 3 Copyright: Hiroshi FUKUMITSU 30 演習4 Copyright:Hiroshi FUKUMITSU 資産変換機能について説明しなさい クロス取引きとは何か説明しなさい なぜ機関投資家は市場インパクトコストを小さくする必要があるの か 売却時 購入時 それぞれについて説明せよ なぜ機関投資家は取引きの匿名性を好むのか Black Poolsとは何か To copy this presentation requires the prior approval of the author. 31
© Copyright 2024 ExpyDoc