1 貨物不足損害防止のために 2015年11月xx日 於 ロスプリベンション推進部 岡田 卓三 / 遠藤 岳洋 2 =目次= P. P. P. P. P. P. P. P. P. P. P. P. P. P. P. P. P. P. P. P. P. P. 2 3 4 5 5 6 7 8 9 10 11 12 13 13 18 22 23 25 25 33 49 50 ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・ 目次 §1. はじめに §2. 貨物不足損害の傾向とCase Study §2-1. 貨物不足損害の傾向 ① 貨物不足損害割合 ② 貨物不足損害件数傾向 ③ 貨物不足損害保険金傾向 ④ 船種別件数傾向 ⑤ 船種別保険金傾向 ⑥ 貨物種類別件数傾向 ⑦ 事故発生地別件数傾向 傾向まとめ §2-2. Case Study ① 中国揚げバルクカーゴ(大豆) ② パキスタン揚げリキッドカーゴ (パーム油) §3. 貨物不足損害とDraft Survey §3-1. 検量のタイミング §3-2. 計測重量の差が発生する原因 ① 物理的な重量喪失 ② 検量自体の精度の問題 §4. おわりに 講師略歴 添付資料 ① Letter of Protest サンプル ② Displacement Calculation ③&④ Loding Sequence 3 §1.はじめに 貨物不足損害(Cargo Shortage)とは、文字通り、貨物の揚地にお ける不足損害(Cargo Shortage Loss)のこと。 バルカーやタンカーでは、B/L上の貨物量(積地重量)と揚地で計 測した重量を比較して、慣習的なTrade Allowance(一般的にB/L数 量の0.5%)以上不足すると荷主側よりその不足分について損害賠償 請求(= カーゴクレーム)を受ける場合がある。 特に、穀物貨物などでB/L Figureが積地の陸上計測値(Shore Scale Figure)で決められた場合、揚地で計測した値にTrade Allowanceを超える齟齬があってクレームとなることが多い。 積・揚地とも、どの時点で貨物量を 計測しているのか、港で異なる 4 §2. 貨物不足損害の傾向とCase Study • 貨物不足損害はどの程度発生しているのか? • 気を付けなければならない国や貨物は?? • 注意が必要なケースは??? 5 §2-1. 貨物不足損害の傾向 ① 貨物不足損害割合 貨物不足損害件数割合 合計:10,596件 貨物不足損害保険金割合 (単位:US$1,000) 合計:US$120,915 *2008~2014保険年度を対象。2015年3月31日時点 6 ② 貨物不足損害件数傾向 毎年300件前後発生! 7 ③ 貨物不足損害保険金傾向 平均:約US$3,248,000 8 ④ 船種別件数傾向 事故TOP 3 1. コンテナ (33%) 2. バルカー (30%) 3. ケミカル (24%) TOP3で約87%! 9 ⑤ 船種別保険金傾向 TOP 3 1. バルカ- 2. コンテナ 3. ケミカル 1件当りの保険金 バルカー: US$14,430 コンテナ: US$6,000 ケミカル: US$7,000 10 ⑥ 貨物種類別件数傾向 TOP 3 1. 雑貨: コンテナ貨物多 2. 穀物: 大豆、小麦、袋米 3. 動・植物油 11 ⑦ 事故発生地別件数傾向 合計 TOP 3 1.中国(バルク&タンカー) Jiangyin, Qingdao, Tianjin 2. パキスタン (タンカー) Karachi, Port Qasim 3. ブラジル Santos (バルク) *事故件数50件以上の地域のみ 抜粋。その他地域として約1,200件 あり 12 傾向まとめ • 貨物損害において、荷不足損害が占める割合は、件数16%・保険 金19%。毎年一定の件数(約300件)が発生しているが、保険金は 発生した内容により異なる。いずれにせよ、当組合の貨物損害に おいて、注意が必要な案件と言える。 • コンテナ船は件数は多いものの、実際にはクレームは提起されず、 サーベイ費用等を支払って終わるケースが多い。但し、コンテナの 荷崩れ・海上流出による、コンテナ貨物の漏洩は、保険金が高額 化する虞あり。 • 中国揚げバルカー(穀物)及びパキスタン揚げケミカル船(動・植 物油)については、要注意。 13 §2‐2. Case Study ① 中国揚げバルクカーゴ(大豆) 【概要】 本船はブラジルにて大豆を66,000MT積載し、中国、Tianjinにて揚荷する も、CIQ(China Inspection and Quarantine / 中国国家品質監督検査検 疫総局)のDraft Surveyの結果、B/L数量に対し、626MT(B/L数量の約 0.95%)の荷不足が発見され、最終的に荷主側より、約US$325,000の貨 物クレームが提起された。 最終的にUS$195,000(請求額の60%)にて示談解決に至る。 *CCIC (China Certification & Inspection/CIQの子会社)がサーベイをす ることも。 14 背景・原因 B/L (= Shore Figure) 積地 Draft Survey 揚地 CIQ Draft Survey 揚地 本船 Draft Survey 揚地 荷主 Draft Survey 66,000MT 65,994MT (▲6MT) 65,374MT (▲626MT) 66,098MT (+98MT) 65,686MT (▲314MT) 船主サーベイヤーによれば、CIQサーベイヤーは本船のうねりを考 慮せず、Sea Water Density(海水比重)の読み方にも問題があったと 指摘 (= CIQのミス)。 本船は積地及び揚地でLetter of Protestを発行済。 15 対策 • 積地・揚地にてDraft Surveyによる本船数量の把握は必須!! • 積荷関連資料は必須 B/L ・ Draft Survey Report ・ Empty Certificate • 数字に誤差が生じていればLetter of Protest (添付資料①ご参照)発行。 可能であれば荷主・用船者のサインを取り付ける! • 荷主側より書類にサインを求められた場合は、 “Without Prejudice For Receipt Only”とサインする。 • CIQのサーベイを注意深くモニターする。 CIQの場合、一旦下船してしまうと、再度乗船はしない。 問題があれば、乗船中に解決が必要。心配な場合は事前に サーベイヤーの手配を!! 16 中国での荷不足損害の注意点 • CIQの計測値がポイント= 特に裁判では重要視 • CIQの測量ミスについては、法律上、規定は無く、再計測にも基本的に は応じない。B/L数量よりCIQの計測値が少なければ、即“荷不足”と なる。 • 中国では時効(揚荷日より1年)の延長が認められていないため、時効 までにクレームの解決に至らなければ、裁判に発展する可能性が高 い。 • 中国の裁判所は先の判例にはとらわれず、管轄により判決が異なる。 • 現地法律では自然滅失は認められているが、Trade Allowanceは裁判 所によって異なった見解を持つ。但し、“自然滅失” (不足分=蒸発 量)を証明することは一苦労。 17 《参考情報》中国裁判所のTrade Allowanceに 関する判決 地域 判決 Maritime Court (地方裁判所) Dalian ○ Shanghai ○ Tianjin ○ Wuhan ○ Guangzhou ○ Xiamen ○ Qingdao × Haikou △ High Court (高等裁判所) Shanghai ○ Zhejiang ○ Guangxi ○ Guangdong ○ Remark 0.5% %は不明確 必ずTrade Allowanceが認めら れるわけではない ので、注意!! 0.5% 0.5% 有利な判決を勝ち 取っているケースで は、『証拠』が重要 なポイントになって いる。 0.5% 18 ②パキスタン揚げ液体貨物(パーム油) 【概要】 本船は2012年3月にパキスタン、Port Qasimにてパーム油を揚荷した。 その後、2014年7月にB/L5通計6,000MTに対し、合計40MT(B/L数量 の0.67%)の荷不足があったとして、US$50,000の損害賠償請求が現 地裁判所へ提起された。 最終的にUS$20,000(訴額の40%)にて示談解決に至った。 なお、揚荷役当時、荷不足等のトラブルについて、船主は一切報告を 受けていない。 19 背景・原因 B/L (=Shore Figure) 積地 本船Ullage Survey 揚地 本船Ullage Survey 揚地 Shore Figure 6,000MT 5,985MT(▲15MT) 5,990MT(▲10MT) 5,960MT(▲40MT) 揚荷完了後、何ら問題なく本船は出港しているため、荷主側の状況 ははっきりしていない。ただし、本船が行ったUllage Survey上では、 荷不足は発生しておらず、揚地での本船-陸上タンク間で荷不足が 発生していると考えられる。 20 対策 • 積地・揚地にてUllage Surveyによる本船数量の把握は必須! 特に複数港揚の場合は要注意!! • 積荷関連資料は必須 B/L ・ Ullage Survey Report ・ Dry-up Certificate • 数字に誤差が生じていればLetter of Protest (添付資料①ご参照) を発行。 可能であれば荷主・用船者のサインを取り付ける! • 荷主側より書類にサインを求められた場合は、 “Without Prejudice For Receipt Only”とサインする。 • 心配な場合は事前にサーベイヤーの手配を! • 関連書類は2年は保管すべき。 21 パキスタンでの荷不足損害の注意点 • B/L – Shore Figureの差異(不足)⇒即訴訟 • 時効は1年だが、実際に訴状が送達されるのは…。 代理店に訴状が来たらすぐ連絡するように事前に準備を。 • 欠席裁判では、一方的に不利な判決が下されるだけでなく、荷主に より本船が差押えられる可能性有。裁判手続きに時間がかかるため、 本船の出港に影響が出る。 • 少額な訴訟が多いものの、10件を超える訴訟が提起されるケースも ある。 • 現地の法律では、Trade Allowanceは認められず。訴額の40%、複数 の訴訟の総額の30%相当での示談解決が最近ではよくみられる。 22 §3. 貨物不足損害とDraft Survey • なぜ貨物不足損害が発生するのか? • Draft Surveyのポイントは?? 23 §3-1. 検量のタイミング 積地 【撤積船(バルカー)】 ① 集積場でベルトコンベアに貨物を載せる時 ② 穀物などで、サイロの減り具合で重量を計算する場合 ③ Loaderで船積直前に重量計測している時 ④ 積荷終了後にDraft Surveyによる積高計測 【タンカー】 ⑤ 陸上タンクにおける検量 ⑥ 陸上フローメーターによる検量 ⑦ 本船タンクにおけるUllageやSoundingによる計測・検量 24 揚地 【撤積船(バルカー)】 ① 揚荷前にDraft Surveyによる揚量(貨物量)の計測 ② グラブで揚荷する際、1回毎の掴みの積算やホッパーでの計測 ③ ベルトコンベアで保管場所に貨物を移動させる時に計測 ④ 穀物などでは、サイロの溜まり具合で重量を計算する場合 ⑤ トラックに積荷する場合は、保管場所の手前で計測 【タンカー】 ⑥ 陸上タンクにおける検量 ⑦ 陸上フローメーターによる検量 ⑧ 本船タンクにおけるUllageやSoundingによる計測・検量 航海中に貨物に触れることはまずないので、重量計測を行う機械が 正確で、取りこぼしがなければ理論的には積み重量と揚げ重量は一 致するはず。(除く、航海中の水分蒸発や貨物の蒸発など) 25 §3-2. 計測重量の差が発生する原因 ① 物理的な重量喪失 ①-1 ホールドビルジ(バルカー) 輸送中(航海中)に貨物の減量が発生 するケースは少ないが、水分を多く含ん だ貨物から出た水や、Draft Surveyで積 高を決定する場合では、雨中積荷役・積 込み時における貨物飛散防止の為の散 水による侵入水が貨物として計上される ことが殆ど。そして航海中にこの侵入水 がビルジとして排水処理されるために、 その分が減量につながる。 26 ブラジル産の鉄鉱石は、もともと 水分含有率が高い品種もあり、積 み込み時に散水を行うことから、 かなりのビルジ排出を余儀なくさ れることが多い。ケープサイズの 場合で約2,000トンにも及ぶ(積高 の1%)場合もある。 対策 この場合は、厳正なビルジ処理記録を作成し対処する。特に、 ビルジ量が多い場合、ビルジウェルをオーバーフローさせると 貨物濡れ損も生じるし、正確なビルジ排出量が把握できなく なる。 27 ビルジウェル(Bilge Well) ビルジウェル内にビルジが留 まった状態ならば、その量は サウンディング計測値とビル ジウェルの大きさから排出量 は計算可能。 前航の貨物残渣がビルジ ウェルに残っている状態。 異物によりビルジが排出で きなくなる。 28 ①-2 検量~本船間での物理的な消失 • 積/揚地において、本船と検量場所の間で貨物がこぼれ落ちる場合 (バルカー) トラック・貨車 で輸送 ベルトコンベアで 船側へ Loaderで船積 検量(ドラフト サーベイ 検量 野積 • 揚地において、揚荷後、検量場所に貨物移動する際にこぼれ落 ちると、その分だけ揚げ量が減って検量される サイロに保管 検量(ドラフト サーベイ グラブで揚荷・トラックで移動 検量 29 ①-3 自然消滅 • 航海中に蒸発して積量が減少するような貨物がある(バルカー) Sailing Instructionなどに、その対応方法や減少量の把握方法 が記載されていない場合は、傭船者と事前に打ち合わせること が必要。 (例えば、航海日数を勘案したTrade Allowanceを明 確にしたり、積・揚数量はDraft Surveyを入れるなど) • ベーパーロス(タンカー) タンクのシーリング不良(マンホールハッチ、PVバルブ等)の場 合、貨物の種類によっては気化が促進され、貨物量の減量に つながることもある。 30 PVバルブ PVバルブ(Pressure Vacuum Valve) タンク保護のため、圧力が過大となった場合は、大気放出し、圧力 が過小(真空方向)になった場合は 大気の取り入れを自動で行うバルブ (各設定圧力で作動) 31 ①-4 その他の消失(タンカー) 高粘度の貨物の場合、指定温度まで加熱し輸送する必要があるが、温 度が低すぎる場合、タンク壁に付着するないし揚げ切れない事態が発生 することもある。 ※ 揚荷時のオペレーション 揚荷時、揚げ切りのタンクの場合、タンク内残量を可能な限り少量とする オペレーションが必要。 • 吸入管の配置位置、サンプ(油溜まり)の有無等を熟知の上、 操作する。(吸入管は通常、タンク船尾側にある) • 船体の姿勢制御(吸入管の配置位置へ貨物液を集積)しながらスト リッピング(浚え)作業を実施する。 32 (続き) • 揚切りタンクの場合、揚荷終了後、タンク内のドライアップ を確認する(エダクターの吸入圧で確認が多い。) カーゴタンク内部(小型タンカー) 貨物液を吸入管の位置に集積 33 ② 検量自体の精度の問題 • 積/揚地の検量器の精度 • 積/揚地におけるDraft Surveyの精度 • タンカーの計測装置の精度 本船における計測(測深、温 度等)はタンク内の雰囲気を 遮断しながら計測可能な装置 “Vapour Lock”が使用される。 計測機器自体は検量機関の 認証、定期的な較正が求めら れる。 34 ②-1 陸上施設における検量器自体の精度 積高(B/L Figure)と揚量が陸上施設の検量器で行われる場合、完 全に一致することは、まず有り得ない。 国際的な計量・計測機関として OIML(International Organization of Legal Metrology : 国際法定計量機関)があり、精度を高めるとともに 統一化しようとしているが、ばらつきが大きい。 これら検量器の精度や物理的な消失が 複合し、結果としてB/L Figure(積地)と 揚地の検量値に差が発生して Cargo Shortageになる。 35 ②-2 積地と揚地におけるDraft Survey Draft Surveyによる積高決定や揚量決定を行う場合でも、完全に一 致することは、まず有り得ない。 Draft Surveyとは?? 船が浮いているのは何故? アルキメデスの原理 : 縦・横・高さがそれぞれ1mの立方体があり、その自重が300kgとする。 これを真水のプールに浮かべた場合、水中に沈む部分は底から何 cm?また、何Kgsの貨物を積んだら沈むか?? 答え : 30cm 何cm?? 縦・横・高さ 1m 自重:300kg 答え : 700kgs 船体の沈んでいる部分から総重量を計測: Draft Survey 36 【Draft Surveyの方法】 ドラフト計測 : 喫水計測は原則的に6か所全ての喫水を読み取る。 (船首P&S 中央P&S 船尾P&S) 喫水は複数回読み、平均値を採用する。(海面が常に動いているの である程度の熟練を要す) 喫水の計測結果をもってハイドロスタティックテーブルから排水量を 読み取り、海水比重、海水温度の要素で補正、算出する。 37 【船の総重量に含まれる項目】 • 船の自重(Light Ship/Light Weight) 造船所で竣工時に計測し、クラスの承認図面に記載。 • 燃料・潤滑油・清水 各専用タンクに所持している数量。タンクテーブルから算出。 • バラスト水 船は貨物を積載していないと浮き過ぎるので、バラスト(海水)を 専用タンクに所持している数量。タンクテーブルから算出。 • 不明重量(コンスタント) 竣工時の自重計測以降に積み込まれた船用品・部品・食糧など。 常時変化するが、一般的には自重の2%~4%。 積荷前に算出しておく。また入渠時に正確な値を計測。 38 【貨物量の計算】 貨物を含む 船体総重量 - ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ 本船自重 バラスト 燃料(FO・DO) 潤滑油(LO) 清水(FW+BW) 飲料水(DW) コンスタント = コンスタント(不明重量)は、積荷状態では 算出できない。 貨物重量 39 【コンスタントの計算】 空船(積荷前)の喫水計測から算出された排水量から、①本船自重、 及び②バラスト、③燃料、④潤滑油、⑤清水、⑥飲料水の各可変重 量を排水量から差し引き、残りの重量要素(コンスタント)を決定。こ の数量は積荷終了時と揚荷前の貨物量を決定する際に使用する。 ②~⑥の可変重量の計測や喫水読み取りに誤差があると、その誤 差分がすべてコンスタントに含まれてしまう。 喫水読み取りから 計算された総重量 - ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 本船自重 バラスト 燃料(FO・DO) 潤滑油 清水(FW) 飲料水(DW) = コンスタント これらの誤差は全て コンスタントに算入されてしまう。 40 DISPLACEMENT CALCULATION LN VESSEL: NYK BULKER 3 PORT: DAMPIER, AUSTRALIA PARAMETERS VALUE OBTAINED FROM 56 Final corrected Displacement Observations at Draft Survey 4 55 Density correction = Displacement corrected for trim,heel X density of dockwater/1.025 90747.371 Corrected for Density 57 Light ship 21277.000 Ballast 64729.000 5 Forward draft Port: 8.06 By Actual Observation 58 6 Forward draft Starboard: 8.04 By Actual Observation 59 Fresh water 165.000 7 Midship draft Port: 9.08 By Actual Observation 60 Drinking water 100.000 8 Midship draft Stbd: 8.68 By Actual Observation 61 D.Oil 58.000 9 Aft draft Port: 9.96 By Actual Observation 62 F.Oil 3986.000 9.92 By Actual Observation 63 CONSTANT 1.013 By Actual Observation 64 Cargo on Board: 10 11 Aft draft Stbd: Density Draft at Marks 12 Forward 8.050 Mean of Forward Port and Forward Stbd(L5+L6)/2 14 Midships 8.880 Mean of Midship Port and Midship Stbd (L7+L8)/2 15 Aft 16 Trim between draft Marks 1.890 Difference between Aft and Ford drafts (L15-L13) 266.200 From Ship's Particulars Distances between draft Marks and Perpendiculars to calculate draft correction Convention: Correction Negative if Perpendicular forward of Mark 20 Forward -5.000 From Ship's Particulars 21 Midships 0.000 From Ship's Particulars 22 Aft 7.800 From Ship's Particulars Corrections to Draft Marks: 23 (TrimxDist.between 24 Forward -0.035 Values at (L16/L17)*L20 draft mark and 25 Midships 0.000 Values at (L16/L17)*L21 perpendicular)/Dist 26 Aft 0.055 Values at (L16/L17)*L22 between marks Drafts at Perpendiculars(Corrected) 27 28 Forward 8.015 29 Midships 8.880 30 Aft 9.995 31 Trim between Perpendiculars 32 Mean of Means Correction: 33 Displacement 34 Length between Perpendiculars Correction applied as per convention 1.98 L30-L28 Difference between Aft and Ford draft 8.911 ((L29*6)+(L28+L30))/8 91058.290 From Hydrostatic Table 279.000 Ships Particulars 35 36 37 Convention: Negative if LCF or Longitudinal Centre of flotation forward of the midpoint 38 TPC or Tonnes per Centimtre LCF 39 First trim correction 9.280 From Hydrostatic Table 109.820 From Hydrostatic Table Mean of means + 0.50 9.411 Value at L32+0.5(Corrected mean of mean + 0.50) 41 Mean of means - 0.50 8.411 Value at L32-0.5(Corrected mean of mean - 0.50) To find diff of MCTC between mean of mean+0.50 and mean of mean -0.50 43 at mean of means + 0.50 1942.000 Hydrostatic Table 44 at mean of means - 0.50 1888.160 Hydrostatic Table 45 Difference of MCTC 46 Second Trim correction 47 Diff. between Midship drafts 48 ここで求めたコンスタントの数値は、船 体自重(Light Ship Weight)の2~4%。 大きくかけ離れている場合や、過去 データと大きく相違する場合は、喫水や 海水比重の再計測を行うこと。 723.574 Add if LCF is in same direction as deepest draft 40 42 Values calculated Automatically 9.940 Mean of Aft Port and Aft Stbd (L9+L10)/2 17 Distance between draft Marks 19 0.000 Values to be entered Manually 13 18 432.371 53.840 37.861 Always add correction 0.400 Values at LN7-LN8 To find difference between TPC or Tonnes per Centimtre for heel corrn. 49 At midship draft Port 110.020 Hydrostatic Table 50 108.920 Hydrostatic Table 51 At midship draft Stbd. Diff. Between TPC 52 Heel correction 53 Displacement 54 Density observed 1.100 Values at LN 49-LN50 2.640 Always add correction 91822.365 Corrected for trim,heel 1.013 (添付資料②ご参照) 41 【Draft Surveyの精度】 • 喫水の読み取り誤差 添付資料のCape Size Bulkerだと1㎝の読み間違いで119トン違って くる。 4 8m40cm 8m28cm 2 8m20cm 8m10cm 8M 8m00cm 喫水の読み方(左図参照) 文字の太さは2cm、文字の高さは 10cm。 8m30cm~8m40cm間は目分量にな らざるを得ない。 42 • 海水比重計測誤差 添付資料のCape Size Bulkerだと、計測値0.001の計測誤差で 181トン違ってくる。 海水比重計測は、それぞれの喫水マークにおける海水表 面・中央・底部で計測(18箇所)して平均値を出すことが望 ましいが、荷役終了から出港までの短時間で計測できない ことが多い。また、正確を期すためには、温度補正も必要。 誤差が入りやすいケース • 排水溝などが計測場所付近にある場合 • 河口などで川の水が流れ込む港 海水比重計 43 • 可変重量の計測誤差 バラスト、燃料(FO/DO)、潤滑油、清水、飲料水の計測に誤差がある と、その誤差量は全てコンスタントに含まれてしまう。 バラストの計測誤差(Soundingの誤差)が最も大きい 《原因》 ・ 船体の傾斜・トリム ・ 計測時の船体動揺 対策 • 可能な限り船体傾斜をさせない。 • ハーフタンクは測定誤差が入りやすいので、可能な限りFullまたは Emptyとする。 • 貨物艙にバラストを漲水している場合、計測誤差が大きくなるので、 喫水やエアドラフトに問題がなければDraft Surveyの前に排水する。 44 【積地における積高(B/L Figure)の決定方法】 • Draft Surveyで決める方法 前述したように、Draft Surveyを行って積高を決定する方法。 一般的には、Shipper/Charterer/OwnerのJoint Surveyを手配して行 うことが多い。 また、各ホールド毎の積量は、Draft Surveyで算出した貨物全体重 量を陸上スケール(各ホールド毎)の積量の比率で案分計算するこ とが多い。二種積以上の場合で、各種類毎にDraft Surveyを実施し ない場合は、貨物種類ごとの誤差が入ってくる可能性もある。 添付資料のCape Size Bulkerでは、157,653.949 K/Tの積高であるが、 Trade Allowance(B/L Figureの0.5%)は 788K/T。 喫水を3cm読み間違え、海水比重計測が0.001違うと538トンの誤差が 出てくる。 45 • 陸上スケールで決める方法 陸上の計測重量でホールド毎・貨物種類毎に積高を決める。 (特に穀物などはこのケースが多い。)この場合、Draft Surveyで 積高を決定する方法と比べて貨物Shortageが発生しやすい。 ① 陸上スケールで積高が決定される場合は、検量方法に ついて確認しておくことが必要。 ② 陸上スケールで積高が決定される場合でも、本船は必ず Draft Surveyを行うこと。可能な限りサーベイヤーを手配する ことが望ましい。 46 【積荷計画】 • 傭船者から次航海の航海指図書(Sailing Instruction)が送付 され、その中に積量の指示も記載されている。 • それに従い、積荷計画(Stowage Plan)を作成し、傭船者の 確認が取れたら、積み付け手順書(Loading Sequence)を 作成。積地の代理店経由で荷役会社に送付。 • 入港後、Actualの燃料・潤滑油・清水の量とコンスタント計測 を行い、微調整が必要なら調整を行い、荷役会社と打ち合わ せる。積荷前にコンスタントを算出 • 荷役開始。積み付け手順書に沿って 積荷・バラスト排出の計画を作成して いるので、Actual情報と比較しながら 予定通り作業が進んでいるか確認 47 CARGO HOLD FULL CAPACITY FULL CAPACITY STOWAGE FULL CAP ACTUAL PERCENT CUBIC METER CUBIC FEET FACTOR FT3/LT M3/MT CARGO WT in HOLD CH-1 21,367.3 754,586 16.600 45,457 46,186 34,672.1 1,224,445 17.400 70,370 71,500 37,000 26,500 26,000 22,700 25,000 25,600 23,200 26,500 27,000 80.1% 37.1% 36.4% 30.3% 33.4% 34.2% 31.0% 36.2% 36.9% CH-2 CH-3 CH-4 CH-5 CH-6 CH-7 CH-8 CH-9 TOTAL 34,659.3 1,223,993 16.600 73,735 74,918 34,670.8 1,224,399 16.600 73,759 74,943 35,529.1 1,254,710 17.400 72,110 73,267 160,898.6 5,682,134 CH 9 CH 8 335,431 CH 7 CARGO GRADE 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 15 16 CH 2 CH 1 23,200 25,600 25,000 22,700 26,000 26,500 37,000 mt mt mt mt mt mt mt 36.2% 31.0% 34.2% 33.4% 30.3% 36.4% CH 9 WBT 4 CH 8 CH 7 WBT 3 CH 6 CH 5 37.1% WBT 2 CH 4 133,500 MAC LUMP : 110,000(96.4%) 106,000 TOTAL MSD 239,500 CH 3 80.1% WBT 1 CH 2 CH 1 Max Draft (M) = 18.02 Max. Air draft = 27.85 MAC LUMP MAC FINE MAC FINE 25,600 MAC FINE MAC FINE 25,000 22,700 17,000 1.025 17.40 17.40 17.50 0.00 OCEAN 48% -62% LOADING OPRTN D DE-BALLASTING OPERATION TIME FWD TANK No. & QUANTITY No.2 No.1 FPT ROB 26,000 26,500 37,000 239,500 0 16,000 26,000 24,000 30,000 16,000 0 112,000 26,000 Running Draft Survey 9,500 10,000 8,600 8,000 20,000 3,700 3,200 112,000 200 S/G FWD AFT MID TRIM 1.023 9.72 10.05 9.84 0.33 1.023 17.40 17.56 17.58 0.16 WBT#5 Oita No.3 17000 TOTAL WBT#4 DISCH. PORT No.4 26,500 Running Draft Survey 18.7 No.5 Running Draft Survey APT DWST 16000 30000 24000 26000 16000 0 0 WBT#3 AIR/DRAFT ARRVL = APT 17,000 FPT WBT#1 WBT#2 MAC FINE 17,000 17,000 1.023 1 Ave. 8500 MT/hr x 1 loader 3500 MT/HR x 2 PUMPS EACH MAC LUMP 17,000 FW DW DO FO Port Hedland MAC LUMP 17,000 Port Hedland ARRIVAL DEPARTURE 257 167 58 53 63 62 1297 1265 SEQUENCE PORT: DATE: DENSITY: LOADER: RATE: Ball RATE: Depth of berth = 19.20 LOAD PORT Port Hedland S/G 1.023 TOTAL FWD 17.40 239,500 AFT 17.56 MID 17.58 TRIM 0.16 OCEAN S/F 48% B/M -62% QUANTITY TIME MAC FINE MAC FINE MAC FINE 14 CH 3 mt 27,000 26,500 23,200 1 CH 4 26,500 MAC LUMP MAC FINE MAC FINE MAC FINE MAC FINE MAC FINE MAC LUMP MAC LUMP MAC LUMP MAC LUMP MAC LUMP MAC LUMP MAC FINE MAC FINE CH 5 MAC FINE : 130,000(102.7%) 239,500 mt WBT 5 No. CH 6 340,813 LOADING M.V. XXXXXXXXXXXXXXXXXXXX VOY No.: 2 (Revised 2) CARGO: IRON ORE 27,000 36.9% RUN FULL CAP -6,000 17,000 2.0 0.9 17,000 2.0 1.0 17,000 2.0 17,000 2.0 17,000 2.0 2.0 26,500 3.1 3.1 17,000 2.0 2.0 26,000 3.1 3.1 -5,400 -400 -400 17,000 2.0 2.0 -600 -3,400 -2,400 9,500 1.1 1.1 10,000 1.2 1.2 8,600 1.0 8,000 0.9 20,000 2.4 3,700 -7,000 3.3 -19,000 -4,000 R AFT A F MID T AIR DRAFT TRIM Before After 40 40 40 40 40 0 0 OCEAN DEFL MM SF B.M. 9.72 10.05 9.84 0.33 42 28% 106,000 10.18 10.73 10.56 0.55 18.7 18.0 -104 -31% -51% 99,000 10.43 11.56 11.23 1.13 18.0 17.3 -233 -62% -94% 76,000 11.70 10.65 11.25 -1.05 17.8 16.9 -65 56% -53% 71,200 11.37 13.05 12.39 1.68 17.4 15.9 -178 70% -90% -7,000 -7,000 57,200 12.44 12.10 12.47 -0.34 16.4 16.1 -201 -51% -80% -5,800 -5,800 35,600 11.40 14.17 12.91 2.77 16.2 15.0 -130 -67% -56% 28,600 11.93 14.04 13.15 2.11 16.4 16.0 -162 -67% -56% -11,400 7,000 12.34 14.39 13.72 2.05 15.8 15.3 -352 -75% -98% -600 0 11.03 16.68 14.01 5.65 14.3 12.8 -143 29% -61% 12.63 15.68 14.25 3.05 16.1 15.1 -89 47% -78% 11.80 17.61 14.73 5.81 13.4 12.0 -19 -52% -67% 1.0 12.01 18.23 15.25 6.22 13.4 12.9 -135 45% -74% 0.9 12.47 18.51 15.74 6.04 13.5 13.0 -249 53% -86% 16.88 16.81 16.83 -0.07 15.1 11.7 19 44% -52% 0.4 16.88 17.25 17.09 0.37 11.7 11.4 -16 44% -52% 3,200 0.4 17.18 17.27 17.28 0.09 11.5 11.3 -51 46% -55% 2,500 0.3 17.42 17.28 17.43 -0.14 11.3 11.1 -79 47% -58% 2,500 0.3 17.40 17.56 17.58 0.16 11.1 10.9 -102 47% -58% -7,000 -4,000 All WBT : Stripping Running Draft Survey AFT 34% -2,400 -10,000 FWD ARRIVAL CONDITION -2,400 0.7 ACTUAL DRAFTS INTERMEDIATE DRAFT SURVEY, TRIMMING QUANTITY 5000 MT MAC FINE MAC FINE 17 18 2,500 2,500 Departure Condition TOTAL 27,000 26,500 23,200 25,600 25,000 22,700 26,000 26,500 37,000 9 8 7 6 5 4 3 2 1 28.18 22.32 0 0 0 0 0 0 0 Remarks : Remarks: Note : Summer Draft > 18.02M Ocean Condition used as stresses were not excessive. 1.] ANY DEVIATION FROM THE ABOVE PLAN ONLY AFTER DISCUSSION WITH THE CHIEF OFFICER 2.] THE ABOVE SEQUENCE AND PLAN IS SUBJECT TO CHANGE WITH PRIOR NOTICE. 239,500 CHI EF OFFI CER FOREMAN MASTER (添付資料③ご参照) 48 Loading Sequence No.1 C/H MAC 17,000 37,000 20,000 FINE No.2 C/H MAC 17,000 26,500 9,500 LUMP No.3 C/H MAC 26,000 26,000 Running Draft Survey LUMP No.4 C/H MAC 17,000 22,700 3,200 2,500 3,700 2,500 FINE No.5 C/H MAC 17,000 25,000 8,000 Running Draft Survey FINE Cargo No.6 C/H MAC 17,000 25,600 No.7 C/H MAC 8,600 Running Draft Survey FINE Running Draft Survey 17,000 23,200 FINE 26,500 Intermediate Draft Survey for Trimming No.8 C/H MAC 26,500 LUMP No.9 C/H MAC LUMP 27,000 MAC FINE Total 133,500 MAC Lump Total 106,000 G.Total 239,500 Ballast Total 112,000 FPT 17,000 10,000 0 Ballast No.1WBT 16,000 No.2WBT 30,000 No.3WBT 24,000 No.4WBT 26,000 No.5WBT 16,000 APT 0 DWST 0 Time 4,000 11,400 19,000 7,000 6,000 7,000 0 1 2 3 4 5 600 4,000 2,400 7,000 5,800 400 2,400 2,400 7,000 5,800 400 3,400 10,000 5,400 600 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 All WBT Tank Stripping Condition 20 21 22 23 Draft F 9.72m 10.18m 10.43m 11.70m 11.70m 12.44m 11.40m 11.93m 12.34m 11.03m 12.63m 11.80m 12.01m 24 12.01m 25 26 16.88m 27 17.18m 28 17.42m 29 17.40m 30 Draft A 10.05m 10.73m 11.56m 10.65m 10.65m 12.10m 14.17m 14.04m 14.39m 16.68m 15.68m 17.61m 18.03m 18.03m 16.81m 17.27m 17.28m 17.46m Draft M 9.84m 10.56m 11.23m 11.25m 11.25m 12.47m 12.91m 13.15m 13.72m 14.01m 14.25m 14.73m 15.25m 15.25m 16.83m 17.28m 17.43m 17.58m Trim 0.33m 0.55m 1.13m -1.05m -1.05m -0.34m 2.77m 2.11m 2.05m 5.65m 3.05m 5.81m 6.02m 6.02m -0.07m 0.09m -0.14m 0.06m Hog(+)/Sag(-) 4.5cm -10.5cm -23.5cm -7.5cm -7.5cm -20.0cm -12.5cm -16.5cm -35.5cm -15.5cm -9.5cm -2.5cm -23.0cm -23.0cm 1.5cm -5.5cm -8.0cm -15.0cm S/F 28% -31% -62% 56% 56% -51% -67% -67% -75% 29% 47% -52% 45% 45% 44% 46% 47% 47% B/M 34% -51% -94% -53% -53% -80% -56% -56% -98% -61% -78% -67% -74% -74% -62% -55% -58% -58% (添付資料④ご参照) 49 §4. おわりに • 本船は、各積荷Sequence毎に積荷量を自主Draft Surveyを実施 して把握することが重要。必要に応じて、サーベイヤーを手配する ことも一考。 • Draft Survey・Shore Figureによる積高決定のどちらでも、本船計 測の積高と異なる場合はStatementを作成。出帆前にLetter of Protestを提出し、関係者にコピーを送付しておくこと。 講師略歴 岡田 卓三 1977年 国立広島商船高等専門学校 航海科卒業 日本郵船株式会社入社 1996年 同社船長 コンテナ船・自動車専用船等に乗船 2012年 日本船主責任相互保険組合 遠藤 岳洋 2008年 東京海洋大学 流通情報工学科 卒業 日本船主責任相互保険組合入社 損害調査部配属 2014年 ロスプリベンション推進部へ配属 お問い合わせ先 日本船主責任相互保険組合 ロスプリベンション推進部 Tel: 03-3662-7229 Fax: 03-3662-7107 E-mail: [email protected] [email protected] [email protected]
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