• 直接金融・間接金融のどちらで資金が移転する かは、次の要因に依存する。 – 資金の出し手・取り手間の – 資金の出し手が金融仲介機関の 機能に頼る ことなく、どこまで自分で投資先を選択できるか – 資金の出し手の • ギャップが大(小)、金融仲介機関による情報生 産の必要性が大(小)、資金の出し手のリスク許 容度が小(大) • ⇒間接金融(直接金融) • 銀行と証券会社 直接金融において証券会社は、本源的証券の発行体と投資家 の間で仲介的役割を果たしている。⇒間接金融との違いは何? 本源的証券 資金不足 主体(企業) 本源的証券 間接証券 金融仲介 機関 銀行等 証券会社 資金余剰 主体(家計) (金融仲介機関ではない) – 資金調達主体が発行した証券を資産変換する ことなく、そのまま投資家に販売しているだけ • 証券会社: • 銀行・投資信託委託会社: – 本源的証券を原料として、間接証券という資金 提供者向けの製品に加工(資産変換)している。 ○金融取引のタイプ:市場取引と相対取引 – e.g. 証券取引所での株式取引、外国為替の銀行間取引 – e.g. 貸出取引、預金取引 間接金融 直接金融 相対型 銀行 親戚・知人によるベン チャー企業への出資 市場型 投資信託、 証券化、年金 市場を通じる個人の 株式・債券投資 ○市場型間接金融:投資信託と年金 投資信託 ( 企不 業足 主 体 ) 証 券 市 場 有 価 証 券 投 信 受 益 証 券 年金 有 価 証 券 年 金 給 付 債 務 ( 投余 資剰 家主 体 ) 年 金 受 給 権 • 投資信託の仕組み ・信託銀行 本源的証券 (有価証券) 資金不足 主体(企業) 本源的証券 信託財産 の管理 間接証券 ・投信販売会社 (投資信託 受益証券) (証券会社・銀行 ・郵貯) 投資信託 資金運用 ・投資信託 委託会社 ・証券会社 資金余剰 主体(家計) ・2006年度 日本経済新聞07.04.11. 日本経済新聞07.04.12, 04.13. ○市場型間接金融:証券化 債権譲渡 住宅 ローン 借入証書 住 宅 ロ ー ン 負 債 資 本 ・ 債( 不 務足 者主 体 ) 銀行・ノン バンク 住 宅 ロ ー ン ( 資 産 担 保 証 券 SPC(特別 ) 目的会社) ・Special Purpose Company ・Asset Backed Security A B S 証 券 市 場 投( 余 資剰 家主 体 ) ○日米個人金融資産の比較 日本1980 2006 米国1980 2006 預金 61% 48% 33% 16% 債券 3% 2% 10% 8% 株式 7% 7% 23% 16% 投資信託 1% 4% 3% 17% 年金 3% 11% 22% 35% 保険 11% 15% 5% 3% 日本の家計金融資産保有の推移 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 19 79 19 81 19 83 19 85 19 87 19 89 19 91 19 93 19 95 19 97 19 99 20 01 20 03 20 05 0% 投資信託 株式 (資料)日本銀行「資金循環統計」 年金 預金・信託 米国家計金融資産保有の推移 45% 40% 35% 30% 預金 株式 投信 年金 25% 20% 15% 10% 5% (資料)FRB 2004 2001 1998 1995 1992 1989 1986 1983 1980 1977 1974 1971 1960 1945 0% ○ 日米の金融仲介構造の比較 相対型間接 市場型間接 日本 48% 15 (市場型) 直接金融 10 米国 16 53 24 - 日本: - 米国: 日本の金融仲介構造の推移 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 19 79 19 81 19 83 19 85 19 87 19 89 19 91 19 93 19 95 19 97 19 99 20 01 20 03 20 05 0% 相対型間接金融(預金・信託) 市場型間接金融(投信・年金) (資料)日本銀行「資金循環統計」 直接金融(株式・債券) 米国の金融仲介構造の推移 60% 50% 40% 30% 20% 10% 19 60 19 71 19 74 19 77 19 80 19 83 19 86 19 89 19 92 19 95 19 98 20 01 20 04 19 45 0% 相対型間接金融(預金) 市場型間接金融(投信・年金) (資料)FRB 直接金融(株式・債券) ○金融仲介構造の違いの要因 ①歴史的経緯: - 日本: - 企業の資金調達は銀行借入中心 - 米国: - 銀行は本店以外に支店の開設ができない or 支店開設は州内の み←銀行の力を抑制すべきという考え方 - 大企業は証券市場を通じて資金調達(株式・社債) ②株式投資に対する考え方:個人投資家側 - 米国では株式保有が長期的な資産形成・資産運用の有力 な手段という考えが伝統的に強い - 日本:投資家層が限られている、米:投資家層の幅が広い ③ :個人投資家側 - 日本人:安全性重視、アメリカ人:収益性重視
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