信頼できる安定した医療制度の確立

平成11年度厚生白書
*信頼できる安定した医療制度の確立*
学籍番号:981082
木下 良太
2000/6/14
医療制度を取り巻く状況
患者による医療機関のフリーアクセスの確保
 医療保険制度の充実により、国民一人一人が高い医療
が受けられるようになった
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近年、急速な人口の高齢化や医療の高度化等により、
医療費が増加、その一方で経済基調の変化に伴い、医
療費の伸びと経済成長との間の不均衡が拡大
 医療費を賄うため、特に、若年世代の負担が高まり国民
保険制度そのものに対する信頼が失われるおそれあり
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図、3-1-1
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医療提供体制の状況
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問題点
社会的入院の存在
国際的にも長いといわれる入院期間
大病院の外来の待ち時間の長さ
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解決策
医療機関の機能分担の明確化
患者の病態に応じた入院医療の提供
医師数の適正化
医療保険制度の抜本改革
診療報酬体系の見直し
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現在の診療報酬体系は1958年に導入、当時は急性期疾患が多
いという疾病状況を背景に組み立てられた
出来高払いを原則とするため、過剰診療等の問題が生じる
医療機関の全体の機能を適切に評価する仕組みは十分ではない
疾病の特性に応じた定額払いの導入
医療機関の機能に応じた評価を行うべき
医療保険制度の抜本改革
薬価制度の見直し
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高価格の薬剤が使用されたり、薬剤が不必要に多用されやすい
薬価差が大きいため開発が容易な新薬に研究開発が偏重しやす
い
薬剤に関する情報やコスト意識の不足のため、患者が薬剤を多
用しやすい
薬剤の分類と情報提供
より安価な薬剤の選択を促進する保険給付の仕組み
医療保険制度の抜本改革
高齢者医療制度の見直し
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老人医療費は、2025年ごろには国民医療費の2分の1にまで達す
ることが予想される
若年者と高齢者の負担の均衡を図る必要がある
老人保健拠出金の負担増が各保険者の運営圧迫要因になる
老人医療費の財政・運営責任が曖昧になりがち
若い頃からの健康管理等の重要性が高いのに、十分に対応して
いない
人としての尊厳を保ち、高齢者自身の立場に立った望ましい医療
単なる寿命の延長ではなく健康寿命を重視すべき
医療サービスを担う人材の
確保と資質の向上
 卒前教育から国家試験、生涯教育に至るまで一
貫した養成が必要
 医師・歯科医師の数は将来的にはいずれも過剰
になると推計されるため、需給バランスが必要
臓器移植の推進
角膜移植に関する法律(1958年)
 角膜及び腎臓の移植に関する法律(1979年)
 臓器の移植に関する法律(1997年)
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臓器(腎臓、眼球、心臓、肺、肝臓、すい臓、小腸)
臓器の売買、有償斡旋、及びそれらに関係した臓器であること
を知って臓器を摘出し、または移植手術に使用することの禁止
脳死と臓器移植に関する正しい知識の普及啓発
臓器提供意思表示カード、臓器提供意思表示シール
まとめ
 これからの医療制度のあり方を把握すること
 医療保険制度や医療提供体制というハード面の
充実
 ハード面に対応できる人材の育成
 国民一人一人の健康への意識改革