信頼できる安定した医療制度の確立Ⅱ

平成11年度厚生白書
*信頼できる安定した医療制度の確立Ⅱ*
学籍番号:981082
木下 良太
2000/10/4
医療制度を取り巻く状況
近年、急速な人口の高齢化や医療の高度化等により、
医療費が増加、その一方で経済基調は低迷、医療費の
伸びと経済成長との間の不均衡が拡大
 医療費を賄うため、特に、若年世代の負担が高まり国民
保険制度そのものに対する信頼が失われるおそれあり
 就業構造や社会構造の変化に伴い、各医療保険制度の
加入者の構成も大きく変化
 医療提供体制を含む、医療制度全般にわたる抜本的な
改革が必要

医療保険制度の抜本改革
 診療報酬体系の見直し
疾病の特性に応じた定額払いの導入
医療機関の機能に応じた評価を行うべき
 薬価制度の見直し
薬剤の分類と情報提供
 高齢者医療制度の見直し
若年者と高齢者の負担の均衡を図る必要がある
老人保健拠出金の負担増が各保険者の運営圧迫要因
抜本改革のための患者の負担
 健康保険法等の一部改正(1997年)
医療保険制度の運営を安定させるとともに、薬剤使用
の適正化を図るため、患者負担の引き上げや薬剤に対
する患者の一部負担の導入
 患者負担増のため医療サービスに制限がかかる
 国庫負担を増額し、医療保険財政の救済と患者負担の
軽減を図るべき
新しい時代の医療サービス
 医療提供サービスの見直し
 末期医療患者の生活の質の向上
緩和ケア病棟などの入院医療や在宅における末期医療の充実
 医療サービスを担う人材の確保と資質の向上
 緊急医療対策
 へき地医療対策
診療科の充実、情報通信技術の活用
 医療の質の評価
第三者病院機能評価
第三者病院機能評価
医療機関が第三者からその機能の評価を受けることで、
自院の問題点を把握、改善に向けて努力し、医療の質
を向上させるためのもので、臨床医等がより科学的な根
拠に基づき診断・治療方法等を選択、決定
 財団法人 日本医療機能評価機構の評価調査員(サー
ベイヤー)


一定の研修を受けた病院長級の診療職、看護部長級の看護職、事務部長級
の病院管理経験者によって構成

病院の理念と組織的基盤、地域でのニーズの反映、診
療の質の確保、看護の適切な提供、患者の満足と安心、
病院運営管理の合理化
臓器移植の推進
角膜移植に関する法律(1958年)
 角膜及び腎臓の移植に関する法律(1979年)
 臓器の移植に関する法律(1997年)

臓器(腎臓、眼球、心臓、肺、肝臓、すい臓、小腸)
臓器の売買、有償斡旋、及びそれらに関係した臓器であること
を知って臓器を摘出し、または移植手術に使用することの禁止
脳死と臓器移植に関する正しい知識の普及啓発
臓器提供意思表示カード、臓器提供意思表示シール
難病対策の施策
 5つの施策の柱
①調査研究の推進、②医療設備の整備、③医療費の自己負担
の軽減、④地域における保健医療福祉の充実・連携、⑤QOL(生
活の質)の向上を目指した福祉施策の推進
 重症患者対策(1998年~)
①調査研究事業は公募の拡充を図り効果的な難病研究を推進、
②都道府県ごとに難病拠点病院と協力病院の体制を図る、③保
健所を中心に患者ごとの在宅療養支援計画の策定・評価事業、
訪問相談事業、医療相談事業、訪問指導事業の効果的な実施、
④在宅介護支援が必要な難病患者に居宅生活支援事業を推進
政策医療の担い手国立病院・療養所

国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針(1996
年)
基本的・一般医療の提供
特に推進すべき政策医療
公私立医療機関
国立病院・療養所
①がん、循環器病などの高度先駆的医療、②エイズ、ハンセン
病、結核などの歴史的・社会的な経緯等により地方・民間での対
応が困難な医療
国家の危機管理や積極的国際貢献については、臨床研究、教育
研修及び情報発信と一体となった医療を行い、国家的見地から
重要な医療政策の実践に取り組む
まとめ
政府の立場でみると医療制度を抜本的に改革し、質の
高い医療を提供するためには、患者負担増はやむをえ
ないのではないか
 患者側から見ると高質の医療サービスも必要だが、サー
ビスの量があることが安心ではないか
 政府と国民の考え方のバランスが必要
 ギャップを埋めるためには政策に対しての詳しい情報の
提供をし、基礎知識をつけることが必要
 子供の頃から健康づくりや予防対策
