事業システムの静かな革命

経営戦略5事業システム
神戸大学経営学大学院
加護野忠男
自動車
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道路
自動車
修理サービス
保険
ガソリンスタンド
道路地図
付帯部品
テレビ
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テレビ
電力
放送局
修理サービス
番組表
補助製品
事業システムとは
• 顧客に価値を届けるために必要な諸活動
を統括する能力と仕組み
• 取引先との連携関係、社内の分業体制、
情報システム、資金の循環システム、人事
制度、ロジスティックス
事業システムにおける競争優位
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模倣が困難
優位が持続する
華々しさがない
さまざまな産業のトップ企業は事業システ
ムで優位を築いてきた
• それでも永遠ではない
事業システムの革命
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伝統的な設計思想:規模の経済
新しい設計思想
スピードの経済:アスクル SCM
組み合わせの経済:蔦屋 ヤフー 楽天
外部化の経済:ソレクトロン ソニー
スピードの経済
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スピードそのものが顧客に価値を
回転率の向上による投資効率の改善
ロスの削減
商品の切り替えコストの削減
– 商品実験
– 新商品投入の制約の排除
組み合わせの経済
• 情報の自然蓄積性
• 情報の多重利用可能性
• 異質な情報の組み合わせ
外部化
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競争原理の利用
固定費の変動費化
実験コストの削減
業務特化による仕事の意味の明確化
専門知識の利用
情報化のパラドクス
• 直接価値をもつ情報と間接価値しかもたな
い情報
• ビジネスの世界を飛び交う情報は後者
• 情報からの価値創造が必要
• 情報化にともなって人間や社会制度がボト
ルネックになっていく
情報からの価値創造の3つのプ
ロセス
• 1 情報の獲得・記憶・整理(情報収集)
• 2 情報からの意味の読みとり(意味の発
見)
• 3 アクション
価値創造の制約要因を解消す
る手段
• 1 情報技術
• 2 人間と組織の意味を読み取る能力:ナ
レッジマネジメント
• 3 決定をアクションに移す能力:商取引の
工夫、信用、ロジスティックス
事業システムの変革
• 人々の意識を変えることの難しさ
• 取引相手をふくむ事業システムの変革の
難しさ
難しさを克服する方法:本業の
まっただ中の新事業
– 旧商品・新事業の社内ベンチャー
– 一点突破全面展開
• アスクル,資生堂ipsa、ワコールstudioV,
• ワールド、富士通アニモ
持続真似できない競争優位の
源泉
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デジタル化できないノウハウ
人間に体化された知識
企業の文化と関わるもの
小さな工夫の積み重ね
多様なシステムの相互補完