ハードウェア - Keio.ac.jp

KEHARE: グループワーク支援のため
のウィンドウ表示システムの構築
慶應義塾大学総合政策学部4年
田中一史
[email protected]
2005年1月22日
目次
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概要
グループワーク支援システム
既存の研究の問題点
本研究の目的
KEHAREシステムの設計、実装
関連研究との比較
今後の課題
まとめ
概要
• 共有ディスプレイを用いたグループワークの支援シ
ステム
• 問題点: 移動性、即興性、操作の複雑さ、プライ
ベートなウィンドウの表示
• KEHAREシステム:
– 個人が持つu-Textureを組み合わせることによって共有
ディスプレイを構築
– 各ディスプレイ上のウィンドウ表示をプライベートとパブ
リックの二層に分類
共有ディスプレイを利用した
グループワーク
みんなでパワポを作る
共有ディスプレイを用いた
グループワーク支援システム
Dynamo
シングルディスプレイ
複数人の同時操作
ファイル交換・共有
iRoom
マルチディスプレイ
様々なディスプレイ間の
ウィンドウやファイルの移動
Augmented Surface
その他
机や壁、ディスプレイ間の
シームレスなウィンドウや
ファイルの移動
既存の研究における問題点
大型ディスプレイやプロジェクタなど環境側の
機器を使用
→ 移動性がない
即興的に構築が難しい
操作が複雑である
研究目的
個人端末を組み合わせることによって共有ディスプレ
イを構築
→ 即興的な共有ディスプレイの構築
グループワークを行う場所の移動ができる
簡単に共有ディスプレイにアクセスできる
シナリオ 1
HORNメンバが、鴨池で急遽ミーティングを行うことに
なった。グループメンバは各自の個人端末を出し、それ
らを接続することによって、即興的に一つの大きな画面
をもつ共有ディスプレイが構築された。
新たに生じる問題点
• 接続した際にプライベートなウィンドウが他人
に見えてしまう
– 例) メール、メッセンジャ、スケジューラなど
解決方法
• ウィンドウをパブリックとプライベートに2つに
分類
• パブリックな状態では、プライベートのウィンド
ウを非表示
シナリオ 2
HORNメンバのMは自分の端末でメーラや
メッセンジャを起動していたが、共有ディスプレ
イを構築した際に、それらのプライベートなウィ
ンドウのみが非表示になった。
プライベートモード
パブリックモード
システム要件
要件1:個人ディスプレイ端末の組み合わせに
よって共有ディスプレイを構築
→ 移動性、即興性、操作性を改善
要件2:個人端末のウィンドウを、パブリックとプ
ライベートの2層に分類し、共有ディスプレイが
構築された際、プライベート層を非表示にする
→ プライバシの確保
KEHAREシステムの設計(1)
要件1:個人ディスプレイ端末の組み合わせによって共有ディスプレイを構
築
• 各個人が持ちあるくu-Textureの組み合わせ機能を
利用し、共有ディスプレイを構成
KEHAREシステムの設計(2)
要件2:個人端末のウィンドウを、パブリックとプライベートの2
層に分類し、共有ディスプレイが構築された際、プライベート
層を非表示にする
• プライバシモードの切り替え
・・・端末の状態によるウィンドウ表示切り替え
• プライベートレイヤ管理
• ウィンドウのイメージとイベントの送受信
・・・他の端末とのウィンドウのイメージ、イベン
トの交換
モジュール構成
• 形状認識機構
– 互いの接続を認識し、複数の端末で共有ディスプ
レイを構築する
• プライバシモード判定機構
– 筐体の傾きなどによって、パブリックモードとプラ
イベートモードを切り替える
• ウインドウレイヤ管理機構
– ユーザの指定に従って各ウインドウのプライバシ
属性を管理する
モジュール構成図
実装環境
ハードウェア
• u-Texture
–
–
–
–
加速度センサ
赤外線センサ
有線、無線LAN
タッチパネル など
→接続による共有ディスプレイの構築
傾きを利用してウィンドウモードを切り替え
ソフトウェア
• Xサーバ WeirdX (オープンソース)
• JAVA言語
→ウィンドウ分配機構、プライバシモード判断機構の二つを実装
デモビデオ
関連研究との比較(1)
Connec Tables
(German National Research Center for Information Technology)
• ボード型の端末を組み合わせ、共有ディスプレイを
構築し、その上でデータやウィンドウを交換するシ
ステム
• 問題点: 二つまでしか接続できない
プライベートなウィンドウの表示に対する
対応がない
関連研究との比較(2)
Ken Hinckley 氏の研究
(MicrosoftReserch)
• 複数のタブレットPCを接続し、1つの共有ディスプレイとして
表示
• プライベートなウィンドウへの対応
• 問題点:プライベートなウィンドウとそうでないウィンドウを同
時に見たり、片方を非表示にできない
今後の課題
• 傾きの角度とウィンドウ表示の多層化
– 傾きレベルとプライバシレベルをリンクさせる
– 傾きレベルと他の要素との連携
– マルチデスクトップ、アプリケーション
• 端末間のウィンドウ移動
– ドラッグ
– 回転
– 傾きによる移動
まとめ
•
個人のu-Textureを組み合わせることによる共有
ディスプレイの構築
移動性、即時性、システム再構築の柔軟性を実現
•
ディスプレイ上のウィンドウ表示を2層に分割
プライバシを考慮したウィンドウ表示の実現