23 適応制御に基づく掃除機モータの能動騒音制御

23 適応制御に基づく掃除機モータの能動騒音制御
機械創造工学課程
11300989
音の
強さ
1. 研究の背景
石山亜弓
騒音
制御音
騒音を抑制する方法として,
本研究室では騒音と逆位相
の制御音によって打ち消す
能動騒音制御を行ってきた.
時間
担当教員 小林泰秀 准教授
5. ダクト断面におけるNZ音の分布
NZ音を低減できていることを確認したが,耳ではその低減
効果が分からなかった.
ダクト断面中,マイクの位置だけでNZ音を低減
できていて,全体的には低減できていない.
制御後
の音
ダクト断面でどのようにNZ音が分布しているか, 45°刻みで
マイクを移動させ測定した.
図1 能動騒音制御
目標:掃除機モータが発する騒音を打ち消す
2. 実験装置
図6 マイクの移動方法
図2 実験装置
3. 制御対象
NZ音・・・インぺラ回転周波数N(550 Hz程度)とインぺラブレード
枚数Z(8 枚)のときN×Z(4500 Hz程度)とその整数倍の周波数
をもった音としてあらわれる.
4. 適応制御結果
X軸:Frequency(Hz)…周波数
Y軸:time(回)…騒音を読み取るプログラムの実行回数
time 1 回につき3 秒程かかる
Z軸:PSD(V/Hz0.5)…パワースペクトル密度,騒音のうるささ
図7 広帯域周波数(45°)
-NZ1次成分×10-3(V/Hz0.5)
(4.4~4.6 kHz)
-NZ2次成分×10-4(V/Hz0.5)
(8.9~9.1 kHz)
図3 広帯域周波数
図8 PSDのダクト断面分布
図8より,ダクト断面においてNZ音に2~3倍の差がある.
ダクト内を伝播する音波が平面波であるとみなすことが出来る
条件(λ:音の波長,D:ダクト径) NZ1次成分の波長・・・8 cm
D≪λ/2=8/2=4 cm
NZ2次成分の波長・・・4 cm
→NZ1次成分をダクト断面全体において低減させるためには,
ダクト内径(現在φ15 cm)をφ4 cmより小さくする必要がある.
6. まとめ
図4 NZ1次成分(4.5 kHz)
図5 NZ2次成分(9 kHz)
適応制御によってNZ音を低減できていることが分かる.
・適応制御によって,マイク位置におけるNZ音を低減できた.
・ダクト断面においてNZ音に2~3倍の差がある.
・今後,ダクトの内径を小さくすることで,ダクト断面で全体的
にNZ音を低減できる.