32 掃除機モータの能動騒音制御系の制作 機械創造工学課程 1. 研究の背景 騒音を抑制する方法として, 本研究室では騒音と逆位相の 制御音によって打ち消す能動 騒音制御をおこなってきた 石山亜弓 11300989 音の 強さ 騒音 制御音 時間 制御後 の音 図1 能動騒音制御 担当教員 小林泰秀 准教授 4. 吸気制限によるNZ音の変化 NZ音の変化をみるために,図5で示す手順で実験をおこなった.図 6にプレートを示す. 回転数調節後もNZ音は変化している→NZ音は回転数のみに依 存しない. 温度とNZ音の関係を調査した. 図7に飽和温度と穴径の関係を,図8にNZ_1次音周波数成分の振 幅と飽和温度の関係を示す. 掃除機モータが発する騒音を打ち消す 目標:どの程度簡単なコントローラでおこなえるか調査する 2. 実験装置 実験装置の概略を図2に示す.実際の掃除機を模擬している. 図6 プレート 図2 実験装置 図5 実験の手順 3. 開ループ制御 条件:回転数,温度は一定 図3に開ループ制御OFFのNZ音,図4に開ループ制御ONのNZ音のグラ フを示す. NZ音・・・ モータの回転子の回転により排出される高速高圧の空気が,固定子 に衝突することによって発生する 回転子の回転数N(500Hz程度)と回転子の羽根枚数Z(8枚)のとき N×Z[Hz]の周波数をもった音としてあらわれる NZ音が騒音の原因である 飽和温度(℃) (1) 吸気制限をおこなわない場合 60 40 20 0 12.7 14 15 17 19 22.5 穴径(mm) 図7 飽和温度と穴径の関係 NZ_1次音周波数成分の振幅 (V/Hz0.5) 開ループ制御・・・現在の状態とコントローラのみをもちいて出力を計算 する制御 コントローラ→ゲインと位相を可変抵抗によって調節する 0.015 0.01 0.005 0 34 39 44 49 飽和温度(℃) 図8 NZ_1次音周波数成分の振幅と飽和温度の関係 図3 制御OFFのNZ音 条件(回転数,温度)が一定 図4 制御ONのNZ音 開ループ制御で効果あり (2) 吸気制限をおこなった場合 条件:回転数,温度ともに一定でない 吸気制限前にゲインと位相を調節後,プレートをのせる 開ループ制御ONにすると,NZ_1次音の増加 ゲインと位相の再調整が必要 原因:NZ音が吸引口を狭くすることで変化 5. まとめ 開ループ制御前後で,条件(回転数,温度)が変わらないとき は, 開ループ制御が可能である. 吸気制限をおこなった場合,NZ音が変化するため,回転パ ルスをもちいた開ループ制御では,十分な騒音低減効果は 得られない. 飽和温度が変わるとNZ音の振幅は変化する.ただしNZ音と 飽和温度にははっきりとした関連は見られない(温度をもち いた開ループ制御は困難) 騒音をフィードバックする必要がある 6. 今後の予定 騒音をフィードバックして,コントローラを更新するようにする.
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