ラーネマの「貧困」 貧困の定義と測定 キーワード •絶対的な貧困 •相対的な貧困 •伝統社会 •誘発されるニーズ •干渉主義(外からの干渉) 1 ラーネマの「貧困」 貧困の定義と測定 1. 2. 3. 4. 典型的な定義の四つの次元 物質性 p224~225 主体の感覚 p225~226 外から見た貧困 p226 さまざまな貧困感覚に対する社会文化的 時空の影響 p226~227 貧困の定義と測定:例1 相対的な貧困の測定・世界銀行からのデータ(単位=米ド ル) GDP=国内総生産 2000年度現在 国 1人当りGDP 国のGDP (購買力に変換された) タイ 6,600 121Billion (1210億) ベトナム 1,950 154.4Billion (1544億) 日本 27,200 3.45兆円 シンガポール 24,700 106.3Billion (1063億) 相対的な貧困:例2 • 国家間の物質的な格差 • 地域間の物質的な格差 相対的な貧困率の測定 カナダ 20% ドイツ 13% メキシコ 29% ロシア 26% アメリカ合衆国 24% 順位 2 1 5 4 3 1人当りGDPの測定 $875B(8千75億) $2,17T(2.17兆) $920B(9千20億) $1.2T(1.2兆) $10T(10兆) 順位 5 2 4 3 1 情報源線:LIS 1990年代中旬 所得の中央値の60%以下 ※相対的な貧困率の順位は、貧困率の低い国が1. 4 伝統社会の定義 農村社会・主に農業に従事する その上、伝統社会の定義にどのような観念があるのか? 伝統社会にあるはずの要素: ・伝統的な社会組織 ・村落の形式 ・自給自足生活 ・国際社会と無縁 ないはずの要素: ・資本経済 ・国際経済との関わり ・外部とのやり取り 5 貧困の定義 I 1. 「物質性」による貧困の定義: 「貧困」としての物質的な欠如・物の欠如 非物質的、実存的な欠如は何? 6 貧困の定義 II 2.主体の感覚と貧困の状況 • 個人による、社会による貧困の感覚 • 「貧困者」の自己感覚は、自分たちの意志や力とは別に 動く状態、境遇による貧困(“どうしようもない貧困”) • 選択された貧困:「有形資産からの解放」、宗教のため の貧乏など • 有力な者への依存関係(権力者又はパトロンへの依存) 7 貧困の定義 III (先進国の)社会における貧困への答え: 1. 「干渉」(援助、慈善、教育の水準化などの活動) 2. 干渉しない・関係をつくらない このリストに欠けている、異なる関係が 考えられるのか? 貧困の定義 IV 社会という場と時空による貧困への感覚とその違い • • • 社会・共同体の生活と価値観の違い 時代の流れに起源する違い 地域や共同体の昔からの感覚と、 外との関係が始まってからの感覚との違い (ラダク人の例~p227を参照) ラネーマによる グローバル化・経済化の定義 I グローバリゼーションの前 後 • 先進国のインフラ状態 • 伝統による自給自足可能な社会 • 近代化しているニーズ • 特徴がある地域と村の生活 • 普遍的で同質化された 生活 • 地域の経済的な利益の • 国内外の経済的利益のた ための労働・職業 めの経済活動・雇用構造 • 低開発地域のインフラ状態 (輸出経済、工業化) • 貧困者・貧困者ではない者が • 貧困層への差別 (学校、 同じ共同体に所属する意識 病院、雇用制度による) 途上国の「経済化」 利点 解決策が求められる点 • 大量生産・多様な生産 • 必要なインフラが入手 できる(医療設備、教育 施設、交通機関など) • 正式な雇用構造 • 必需品のニーズや誘発 されたニーズに応える経 済活動 • 生み出された富と欲求は、 恒常的な欠乏、欲望の満た されない状態に置く • インフラや化学物質から生 じる問題を解決する方法は ない • 生活費は恒常的に高まる • 工業生産が充足できない ニーズが増え、経済的な価 値がつかない活動の価値 が低下する
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