“Is Your Page Accessible? A Comparative Study of Methods for Accessing Web Page Accessibility for the Blind”の紹介 2006年8月13日 UAI研究会 東京女子大学大学院 村岡雅子 • "Is Your Web Page Accessible? A Comparative Study of Methods for Assessing Web Page Accessibility for the Blind“ • By Jennifer Mankoff, Holly Fait, and Tu Tran http://doi.acm.org/10.1145/1054972.1054979 要約 • 視覚障害のあるユーザに影響するアクセ シビリティ問題を発見する手法を、いくつか 比較する。 – 自動ツール – ウェブデザイナーによる専門家レビュー(スク リーンリーダを使う場合と使わない場合) – 視覚障害者の遠隔テスト 基礎研究 • 4つのウェブサイトからアクセシビリティの 基礎データを集めた。(表1) • スクリーンリーダとそのユーザがアクセシ ビリティを評価した。 基礎研究:方法 • 被験者:19-52歳の視覚障害者5人 • JAWSを使用。 (使用経験2年未満:1人、3年-6年:2人、6年 以上:2人) 基礎研究:方法 • 4つのサイトでそれぞれのタスクを行った。 (サイトによってタスクの難易度は違う。) – Bus task: difficult – Find Name task: medium – Register task: medium – Grocery task: easy 基礎研究:方法 • 被験者はタスクを実行している間、考えて いることを声に出した。 • セッションはビデオで録画され、訪問ペー ジとリンクもすべて記録された。 • 発見された問題の深刻度を分類した。 (5段階で、5が最も深刻) 基礎研究:結果 • • • • Bus task:10個の問題(深刻度1-5) Find Name task:3個の問題(深刻度1-4) Register task:9個の問題(深刻度1-4) Grocery task:7個の問題(深刻度1-4) 比較研究 • スクリーンリーダを使うためにどのように開 発者を訓練すればベストなのか? – モニターを消した時よりも、モニターをつけてい る時の方が練習時間が10-15分短縮される。 • 発見的方法で見逃される問題 比較研究:方法 • Expert Review: ウェブサイト開発者(アクセシビ リティ経験に乏しい)による専門的なレビューのタ スク • Screen Reader: ウェブサイト開発者(同上)によ る、スクリーンリーダとモニターを使った専門的な レビューのタスク • Automated: Bobbyによる自動レビュー • Remote: 遠隔の、目の見えないコンピュータ ユーザによる専門的レビュー 比較研究:方法 • 被験者 – Expert Review(10人)とScreen Reader(8 人): 2-8年のウェブ開発経験を持ち、1ヶ月に 40-80時間をウェブ開発に費やすウェブ開発者 – Automated: Bobby – Remote(9人): 視覚障害のあるJAWSユーザ 比較研究:方法 • Expert Reviewの被験者は、WCAGのP1 を紹介され、Screen Readerの被験者は、 同様にWCAGを紹介され、練習時間が与 えられた。 →問題を発見したら声に出してもらい、それを 記録した。 →タスクを終えた後、自分が出した問題のリ ストをレビューさせ、深刻度をつけさせた。 比較研究:方法 • Automatiedでは、Bobby 4.0を使用。 • Remoteの被験者は、自分のコンピュータ でスクリーンリーダを使い、発見した問題 のリストをメールした。(もし完遂できないタ スクがあれば教えてもらった。) 比較研究:結果 • 問題を2つのカテゴリーに分けた。 – WCAG問題(WCAGにマッピングされている 問題) – 実験に基づいた問題(我々の基礎研究で発見 したものにマッチする問題) 比較研究:結果 • 仮説1: 他のconditionよりも効果的に問題を発見 するconditionはない。 • 図1,2,3で示すように、この仮説は間違って いる。 比較研究:結果 Thoroughness • Screen Readerの被験者が最も高い平均 thoroughnessを出し(22.84%)、 Automatedが最も低く(3.49%)、他の2つ はその間だった(14.48%と11.33%)。 (Remoteでは、タスクを全ては完遂できな かった被験者がいることに注意。) 比較研究:結果 • (図2)Screen Readerは両タイプの問題で、 4人が50%以上に達している。 • Expert Reviewは、3人が実験に基づいた 問題で好成績だが、WCAG問題ははるか に悪い。 • RemoteとAutomatedはどちらも悪い。 比較研究:結果 Validity • RemoteとScreen Readerの被験者は最も 高い平均スコアを出した(66と42)。 Automatedは最も低く(2.4)、Expert Reviewはその間だった(32)。 比較研究:結果 • 仮説2 それぞれのconditionで発見される問題の タイプは同じものである。 • 図4で示すように、この仮説は間違ってい る。 結論 • ウェブ開発者には、軽量な評価テクニック が必要。 • スクリーンリーダを使う評価者が、最も効 果的に問題を発見した。 • 我々の結果により、最も重要だと見なす問 題のカテゴリーに基づいて、ウェブ開発者 はどの軽量手法にするかを決められる。 結論 • スクリーンリーダを使ってサイトをレビュー するときが、最も信頼性が高い。 • ここで提示した手法は完璧ではない。しか し、どれも軽量で、問題が定着化する前の デザイン段階の早期に開発者が問題を発 見し、修正するのを助ける。 今後 • Remoteテストを修正し、改善したい。 • アクセシビリティ専門家にexpert reviewを 頼み、彼らが生成した問題と我々のユー ザが発見した問題とを比較することにも興 味がある。 • 視覚障害に加えて、他の障害も含めるよう にしたい。
© Copyright 2024 ExpyDoc