法と権利

法と権利
イェーリング『権利のための闘争』(1894)より
岩波文庫(1982)より引用
1
権利の目的(29頁)

権利の目的は平和であり、

そのための手段は闘争である。

権利にとって闘争が不要になることはない。
2
権利主張は人格のための主張(55頁)





権利侵害によって人格そのものが
踏みにじられる場合についてのみ
権利主張は人格の自己主張であり
名誉にかかわる事柄
倫理的な義務
→「闘争」はこうした場合に必要
3
なぜ人は損をしても訴訟を起こすのか


500円硬貨を水中に落とした人は1000
円を払って拾ってもらうか?
10万円の物を取り返すのに30万円の訴
訟費用をかけるのはなぜか?
4
利害を超えて訴訟を起こす理由
(47-48頁)





原告が自分の権利の無礼きわまる無視を
はねのけようとする訴訟も、
些少な価値しかもたない係争物のため
ではなく
理念的な目的のため
5
訴訟を起こす理念とは?


(48頁)
人格自体と
その権利感覚を示すため
↓
「倫理的不快感」
6



100万円を取り戻すために200万円
をかけ、
取り戻した100万円を慈善団体に寄
付するとき、
取り戻そうとしたのは金銭ではなく
人格・名誉・権利感覚・矜持
訴訟は「品格」の問題
(48頁)
7
権利侵害への抵抗は義務
(49頁)

権利者の自分自身に対する義務

自己を倫理的存在として保存せよという命令に
従うこと

法が実現されるために必要
(抵抗がなければ権利は無視されていく)
=(85頁参照)
8
権利を持たない人間は獣になりさがる
(50頁)
人間にとっては
 肉体的な生存ばかりでなく、
 倫理的なるものとして生存することも重要


そのための条件の一つが権利を主張する
こと
9
倫理的苦痛は誰も感じる

肉体的苦痛と同様に

倫理的苦痛を人間は感じる
(59頁)
詳細な法理論を知らなくても
誰でも権利意識は持っている
10
権利侵害があったときに
権利感覚が試される




(63頁)
権利侵害があった場合に
権利感覚がどれだけ力強く発揮されるかというこ
とが
権利の意義をどれだけよく理解しているかにつ
いての
最も確かな指標
11
苦痛と感覚こそが権利を知っている
(74頁)
理解力ではなく
 感覚だけが
 権利の何たるかを
 知るために役立つのである。

12
権利感覚
苦痛を耐え忍びながら
 立ち上がらずにいるならば
 それは
 権利感覚を持たないということだ。

(75頁)
13
権利のための闘争の理想の高み
(87頁)
国家共同体利益のための法理念の実現
への個人の協力
法の理念
苦痛
利害
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