磁気シールドは結局間に合いませんでした。

AES #001 first Vertical Test Summary
(Vertical Test Systemの立ち上げのための)
FNALの協力による
STFにおける記念すべき
最初の縦測定!
Period : 2008/07/03~07/05
Contents :
▪ Experimental Log
▪ Q0-Eacc curve @ 2K&4K
▪ Q0&Eacc time profile @ 2K
▪ Heat Loss @Cryostat
▪ Helium Gas Blower
▪ T-mapping & X-ray Monitor
▪ Problems
▪ Summary
磁気シールドは結局間に合いませんでした。
1
2008/07/11 Kirk @STF Meeting
実験中の様子
トランスファー中は100Aのラインが使えなかったため
40Aのラインを利用して行った。
鉛の祠
(中にDAQシステムが納められている)
2
ERLからも助勢に来てくれました
7/3 (Thu)
10:00
10:40
11:30
11:50
13:45
14:20
18:10
18:25
18:30
18:45
18:50
7/4 (Fri)
22:30
23:35
0:02
0:20
0:30
0:34
0:36
Experimental Log ①
2本目のデュワーを持ってくる。2本とも回収系につなぐ。
RFケーブル・ヒーター接続・延長トランスファーチューブ接続
カプラ駆動試験(下限:125, 上限:430)
空洞のインストール準備完了
クライオスタット内へ移動完了
ケーブル接続・変更(真空ゲージ・イオンポンプ)
T-mappingとX-ray monitorのケーブル接続
制御室からピット内への信号線接続(ピット内にあるロガーにつなぐため)
8chペンレコの配線変更(間違っていた)
Pt-Co接続変更(間違っていた)
トランスファーチューブ接続
ヘリウムラインの真空排気開始(クライオスタットへのバルブはゆっくり開ける)
冷却水を回すのを忘れていたため中断する
真空排気再開後、デュワーの口を開けてヘリウムガスを導入する
真空圧力0.135kPaに到達
バルブ閉・ポンプ停止・回収系バルブ開・加圧ポンプON
冷却開始(200Kから100Kまでの平均的なCool-down rate : 3.1K/min)
デュワーの内圧に注意しながら加圧ポンプのON/Offを行う(8psi以下)
デュワー出口を少し開く
ヘリウム流量は最大で50m3/h程度であった
空洞下部に付けた熱電対が断線気味であることが判明
液溜め開始
液面50%に到達
液面80%に到達
パスバンド測定(f0=1300.889924MHz)
液面98%に到達&サチり傾向(Hi Levelに切り替わらない)
いつまで待ってもHi Levelに切り替わらないので今日はここで止める
切り替えの方法を知らなかった
3
加圧ポンプOff・デュワーの出口閉・回収ラインのバルブ開
終了
7/4 (Fri)
9:25
10:05
11:13
12:55
13:45
14:25
15:10
15:15
15:46
15:50
15:56
16:07
16:15
16:39
17:02
17:20
Experimental Log ②
液面54.3%
トランスファー再開
ヘリウム流量計が11m3/h以下は測定不能であることが判明
液面計Hi Levelに切り替え
液面83%に到達
この辺からデュワーが底を尽きかけて液面が上がらなくなる
ケーブルコレクション
f0=1300MHz, SG出力:+8dBm, coupler position:350で行う
クライオスタットへの侵入熱計算
P = 10.33W(算出法はあとで)
放射線シールド閉
RF ON(記念すべき初めての投入)
f0 search
反射波形が発振気味なので調査する
coupler positionを変えたら収まった
f0発見!(やはり1300.8899MHzにあった)
石の較正
decay time測定(τ=19.8msec)
4.2K Standard Data (Under-coupling)
Qt=6.6x109
4.2K Standard Data (Over-coupling)
Qt=6.5/6.7x109
4.2Kでの1回目のHigh Power測定開始
Eacc=3.52MV/m時にQ0が突然低下する(Q0-switch?)
Eacc=6.27MV/mに到達 @110kPa(ヘリウム圧)
この時、ピット内からシューっというガスの漏れる音が聞こえた
RF Offしたら聞こえなくなった
放射線シールドを開けて内部を確認する
天板が最初のセット位置から微妙にずれていることを確認する
浮き上がっていたらしい
4
Experimental Log ③
7/4 (Fri)
17:36
17:50
18:10
18:33
18:36
18:46
18:53
19:00
20:20
20:40
20:50
23:22
放射線シールド閉・実験再開
4.2Kでの1回目のHigh Power測定終了
この後、Standard Dataを再測定する
Qt=1.63x1010 (先ほどの値より2.49倍高い)
Qprobeも同様に高かった
入力ラインのコネクタ接触が変わった可能性あり
先ほどのピット内調査ではケーブルが発熱していたことが判明していた
4.2Kでの2回目のHigh Power測定開始
4.2Kでの2回目のHigh Power測定終了
今回はQ0-switchは起こらなかった
放射線シールド開・現場チェック
特に異常は無かった・ケーブルの内導体も問題なかった
放射線シールド閉
もう一度Standard Dataを取り直して4.2Kでの測定を終了する
Qt=1.69x1010, τ=19.2msec
RF Off
B.L.C. #5/#6空洞受け入れのため(今週2台共にEP1を行っていた)
夕飯
デュワー交換
再トランスファー開始
ピット内でX-ray monitor用の配線作業
少しデュワーのバルブを開けただけでクライオスタット内の圧力が上昇していく
天板の隙間からヘリウムガスが漏れるのを視認すると同時に
天板が浮いているのを確認する(かなり恐い)
内圧が110kPaを超えると天板が持ち上がるようである
トランスファーを中断し、少しずつ徐々にバルブを開けていく
デュワー交換後のバルブ操作は慎重に!
5
トランスファー停止
Experimental Log ④
7/4 (Fri)
23:20
7/5 (Sat)
0:01
0:05
0:20
1:40
1:47
2:30
3:00
3:11
3:30
3:45
3:51
3:55
4:10
ケーブルコレクション再チェック
この段階でもPinの比からQtの増加分とconsistentであることを確認する
4.2K Standard Data (Over-coupling)
4.2K Standard Data (Under-coupling)
減圧開始(ロータリーのみ)
ポンプ入り口のバタフライはほんの少しだけ開にして、
ピット内のバルブで開度調整を行う
ピット内バルブ全開・放射線シールド閉・バタフライ全開
ロータリーがチンチンに熱くなっていたため、工場扇で風を吹きつける
チラーの温度も下げられるだけ下げる(40℃辺りで上げ止まった)
メカブ起動‥‥
しようとするが、圧力I/Lが解除できず断念する(O.R.のままであった)
ピラニゲージがヘリウムの場合、400Pa以下でしか測定できないため
λ点通過
減圧終了
2K High Power測定開始(今回はπモードのみ)
放射線出現@Eacc=8.70MV/m
クエンチ@Eacc=10.2MV/m
激しいField Emissionに見舞われる
軸上にあるPIN Diodeからも大きな信号が検出された
クエンチ後、突然放射線レベルが下がって全く検出されなくなった
2K High Power測定終了(2Kを保てなくなったため)
Eacc=11.21MV/m, P0=109W, He Level=37.3%, He flow=20.7m3/h
減圧ポンプ停止
実験終了・各自散開
空洞は週末の間放置・ヒーターは焚かない
個人的な評点:80点
6
Q0-Eacc Curve @4K for AES#001
6.5MV/m
7
Helium Status @4K
ここで一度天板からガスが漏れた
8
Q0-Eacc Curve @2K for AES#001
激しいF.E.に見舞われてクエンチする
2Kを保てなくなったため
ここで実験を終了する。
9
Q0&Eacc time profile @2K
11.2MV/m
激しいF.E.に見舞われてクエンチする
10
放射線の状況
低感度
高感度
クエンチ後は無くなった
RF Processingは数段階を経て進んだものと思われる。
11
Heliumの状況①
フィールドが上がるにつれて、液面が下がりガス流量が増えていく様子が分かる。12
流量計は約11m3/h以上にならないと計測されない。
Heliumの状況②
この辺は空洞が少し液から出ている。
フィールドが上がるにつれて、内圧と温度が共に上がっていく様子が分かる。
13
クライオスタットへの熱侵入を求める
用いるパラメータ
①液体ヘリウムの蒸発潜熱 : 20.91J/g
②液体ヘリウムの密度 : 124.8g/ℓ
③液面計の表示 : 1% = 2cm
④クライオスタットの内径 : 52cm
1ℓ当たりの蒸発潜熱 : 124.8 x 20.91 = 2609.568J/ℓ
1%当たりの液体ヘリウムの量 : 26x26xπx2/1000 = 4.247ℓ
13:10~14:25の間に液面が79.8%→75.6%に低下した。
4.2%減のため、4.2x4.247 = 17.84ℓ 消費したことになる。
細かい構造体は無視している。
この時に必要な熱量は、
17.84 x 2609.568 = 46.48kJ
75分(=4500秒)間かけて蒸発したので、
46.48 / 4500 = 10.33W
AR東にあるクライオスタットも同様の値であった。
したがって、今回は完全なジェック社製であったが許容レベルにあると判断する。14
次回に製作する時も安心して任せられる。
ヘリウムガスが吹いた証拠
天板が浮き上がった後では、
1cmぐらいずれていた。
今後は、ボルトで穴位置がずれないように
すると同時に、安全弁を設ける。
お互いの矢印が揃う位置にセットしたが‥‥
15
センサーの位置①
発熱のあった箇所にいっぱい付ける
ヘリウム温度もモニターする
FNALでの縦測定でこの場所に発熱があることがわかっている
HOMカプラにも2箇所付ける
#5セルだけはテープで固定
16
センサーの位置②
セットアップ完了後
上ビーム軸(こっちの方が出力レベルは高かった)
下ビーム軸
17
今回の縦測定で判明した問題点
• ヘリウムトランスファーの方法
•
•
•
•
内圧が上がらないように慎重に行う
特にデュワー交換時は気をつける
天板がずれないように2箇所にボルトだけ通しておく(固定はしない)
安全弁も設ける
• ヘリウムラインの追加
• 排気系周辺だけで作業が行えるように100Aと40Aのラインを繋ぎ、間に
バルブを設ける
• ポンプ冷却のための方法
• チラーを増強するか、工場扇を数台導入する
• メカブ起動の方法
• 真空I/Lを解除し、内圧を見ながら手動で行う
• 制御室と排気系周辺の2箇所で内圧を見られるようにするか?
• ピット内の作業スペースの確保
• いろいろあって狭い!ラックは一つにまとめる予定。
18
Summary
• 2Kまで減圧でき、測定が行えた
• クライオスタットの侵入熱は問題ないレベルであった
• 排気系はロータリーだけでも減圧可能であったが、メカブは動かなかった
(動けば減圧時間はさらに短縮される、はず)
• 2K測定時の途中で激しいF.E.が生じたが、クエンチ後にプロセスされて
無くなった
• F.E.時にPIN Diodeからも大きな信号が検出された
• ヘリウム流量計の導入は新しい情報をもたらしてくれた
• 新T-mappingシステムもとりあえず動いた
• 曲がってしまったトランスファーラインも問題なかった
• ヘリウムトランスファーの方法は注意を要する
• 排気系の冷却には改善を要する
19