PPT file - 京都大学大学院理学研究科附属天文台 花山天文台

インパルシブ相で観測された
フレアループ上空の下降流と、エネルギー解放
浅井 歩 (ASAI Ayumi)
!!ごめんなさい!!
国際会議出席のため、夏の学
校には来れませんでした
ご意見や文句など大歓迎です
ので、浅井までご連絡下さい
[email protected]
京都大学理学研究科 附属天文台 D2
2003年夏の学校 in 雫石
太陽フレアと下降流
下降流って?
太陽フレアは、磁気リコネクションにより莫大な磁気エネル
ギーが短時間に解放される現象である
• ポストフレアループの上空に見られる
• 主に長寿命フレアの崩壊相(decay phase)に見られる
• これまで主にようこう/SXTで観測
• 速度 : 100–200 km/s
下降流
• 暗い
下降流(downflow)は太陽フレア
に付随して観測される現象の一
つとして、最近脚光を浴びるよう
になって来た、新しい観測事実で
2000年1月21日のフレア
ある
ようこう衛星軟X線望遠鏡で観測
リコネクションモデルの模式図
赤線で囲った部分で下降流が見られて
いると考えられる
• McKenzie (2000), Sol.Phys.
• McKenzie and Hudson (1999), ApJL
下降流にまつわる?な点・知りたい点
McKenzieによる下降流のモデル
フレアループ(白い曲線)のshrink
が原因と考えた
• 温度・密度構造(なぜ暗い)?
• なぜ崩壊相のみで観測される?
• 磁気リコネクションとの関わりは?
• そもそも実体は何?
• エネルギー解放との関係は?
NOAA 0039
観測
Flare
極紫外線…TRACE衛星(195Å)
花山天文台ザートリウス望遠
鏡で撮影された太陽像
主に150万度に感度があるが1000万度にも感度があり、超高温
プラズマ領域を観測することができる
硬X線
電波
Ha線
…RHESSI衛星
…野辺山電波へリオグラフ(NoRH)
…ザートリウス望遠鏡@花山天文台
II. タイミングに注目
電波(17GHz)
硬X線(50-100jeV)
下降流は間欠的に発生
タイミングに注目する
ここでは電波・硬X線といっ
た非熱的放射*のライトカー
ブと比較
*解放されたエネルギー量と比例
関係がある
先の2つのスリットを通したtime slice像(ネガ)に
電波(NoRH 17GHz:赤)と硬X線(RHESSI 50100keV:黄緑)のライトカーブを重ねたもの
近年TRACE衛星でも下降流が観測されるようになり、
より高分解能での下降流の観測が可能に
本発表では、
TRACE衛星で観測された下降流の特徴をまとめ、
エネルギー解放との関係についても(ちょっと)触れる
(左) TRACE衛星(195Å)で撮像され
たフレア像とスリット位置(黄色線)
(下) 各スリットを通したtime slice像
(ネガ:暗くなるほど実際は明るい)
解析
I. 観測された下降流
2002年7月23日 00:15UT に発生
活動領域NOAA0039 (南東のリム付近)
Data
ポストフレアループ
各々の下降流は硬X線や
電波のバーストに対応して
現れる
 強いエネルギー解放に
対応して噴出されているこ
とを示す
TRACE衛星の195Å画像
でフレアループ上空にス
リットをあて、そのスリットに
沿った方向の時間変化を
追う(time slice像)
下降流
TRACE衛星で観測され
る下降流は崩壊相だけで
なくインパルシブ相や主
相でも見られる
 decay phaseに特有
の現象ではない
フレアのライトカーブ:
上から軟X線(GOES:赤)、電波(NoRH 17GHz:黄色)、
電波(NoRH 34GHz黄緑)
まとめ
2002年7月23日に起きた太陽フレアでは、ポストフレア
ループの上空に下降流が認められた
• 下降流がフレア初期のインパルシブ相
でも観測された
• 下降流は硬X線のバーストに伴って現
れた
 リコネクションアウトフロー(リコネクショ
ンジェット)と何らかの関係
 磁気リコネクション過程と密接な関係を
示唆
太陽フレアのモデル図
フレアに伴う諸現象を説明
している