日本天文学会2006年春季年会 2006年3月28日 (M26a) 野辺山電波ヘリオグラフおよび RHESSI衛星で観測した、 Over-the-Limb Flareにおける ループトップ放射源 浅井 歩 国立天文台野辺山 共同研究者 下条 圭美1、中島 弘1、柴崎 清登1、 岡 光夫2、 西田 圭佑2、田中 康之3 1:国立天文台、2:京大理、3:東大地惑 ループ上空の硬X線放射源 ループトップ硬X線放射源の 発見(Masuda et al. 1994) 硬X線放射は主に足元から(thicktarget) ループトップ硬X線放射源の素性 は何か? (thin-targetによる非熱 的放射?/熱的放射?) RHESSI衛星での観測 これまでのところ不発… フレアループ 太陽円盤 足元が太陽円盤で隠された (over-the-limb)フレアなら ループトップ放射源が観測し やすい RHESSIおよび野辺山電波 ヘリオグラフで調べてみる! 観測・解析データ NoRH 17GHz 全面像 TRACE 171A フレア 2005年7月27日、04:30UT (LDE) M3.7クラス 北東のリムで発生 (NOAA 10786, N10E91) ループ足元は太陽リムに隠されて見え ない GOES/ 軟X線ライトカーブ データ マイクロ波:野辺山電波 ヘリオグラフ(NoRH) 硬X線:RHESSI その他:TRACEなど M 3h 6h 9h 12h フレアの概要 TRACE衛星による極 紫外線(171A)画像 プロミネンス噴出に続 いてフレアが発生 ポストフレアループの 足元は太陽円盤に隠 されて見えない プロミネンス噴出にと ても目を惹かれますが、 今日のお話は硬X線 及びマイクロ波放射 硬X線/マイクロ波放射 (ライトカーブ) 17 GHz 34 GHz 04:51 – 05:03UT 12-25 keV 25-50 keV 50-100 keV マイクロ波放射 (34 GHz) NoRH 34GHz画像 プロミネンス噴出が見 える(熱放射) プロミネンスに続いて 明るい放射源 非熱的放射(ジャイロ シンクロトロン放射) 飛ばなかったプロミネ ンスに一部吸収されて いる 等高線: 輝度温度=1MK マイクロ波/硬X線 – 放射源の空間分布 prominence 04:52 – 04:54UTだけ現れる 12 – 25 keV 25 – 40 keV 04:57 UT 等高線(黒): 輝度温度=1MK 等高線(白): 00:45UTのNoRH34GHz画像 25 – 40 keV 04:52 UT マイクロ波撮像分光 NoRHから導出したスペク トルインデックス(a-index) マップ ループトップ放射源では a~–1.0 d~2.5 非常にスペクトルが硬い a ~ –1.0 d ~ 2.5 等高線(黒): 輝度温度=1MK 等高線(白): 00:45UTのNoRH34GHz画像 d F ( ) a N e ( E ) E 硬X線撮像分光 10-12 12-14 14-16 A B 16-18 18-20 B 22-26 20-22 A 26-30 30-40 放射源A: g ~ 7.9 熱的放射 放射源B: g ~ 5.3 Thin-targetモデルを仮定すれば d ~ 4.8 の非熱的放射 非熱的(?)放射源の特徴 短時間しか現れない(04:52 – 04:54UT)、マイクロ波放射なし 時間変化(放射源の移動)は不明 エネルギーによる空間分布の違い: 高いエネルギー帯ほど上空 (増田ソースと同じ傾向)熱的放射? NoRH 17GHz 34GHz 26-30 30-40 20-22 まとめ 2005年7月27日のover-the-limbフレアについて、 硬X線およびマイクロ波でのループトップ放射源を 調べた マイクロ波: 非常に硬いスペクトルを持つ(d ~ 2.5)非 熱的放射が見られた 硬X線: 熱的な硬X線放射源がマイクロ波放射源と一致 する場所に現れた 非熱的放射がさらに上空に現れた インパルシブ相初期の短時間のみ現れる 比較的軟らかい非熱的スペクトルを示す 増田ソースかも!? NoRH・NoRP alpha RHESSI gamma Motion of hard X-ray sources 04:53:30 04:54:30 velocity~100[km/s] フレアの概要 2 Ha center SMART @Hida Observatory, Kyoto University フレアの概要 3 GOES/SXI SOHO/LASCO C2 フレアの概要3 (EUV 195A) SOHO衛星EIT望 遠鏡 195A画像 SOHO/LASCO (C3)
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