開発援助のための国際資金とHIVへの見方 HIV危機を直面している インドへの訪問中 Microsoftのゲイツ社長 ゲイツ夫妻の財団は インドのエイズ防止の ために1億ドルを寄付 Newsweek 02.12.28 アジア太平洋HIV/エイズ 国連特別大使 Sadik 医師 「HIVは人間安全 保障への最大の 長期的な脅かし である」 世界銀行の Wolfensohn頭取: HIVは「開発への脅威、 いや、我々は直面して いる最大の脅威 である」 1 HIV/エイズと開発:世界のエイズ感染率 合計 約43,000,000人 2005年12月現在 1,000,000人 1,200,000人 600,000人 1,500,000+ 8,000,000人 1,500,000人 30,000,000人 15,000人 2 地域 成人と小児感染者数 成人の感染率 サハラ以南 アフリカ 29,400,000 8.8% 北アフリカ・中近東 550,000 0.3% 南アジア・東南アジア 6,000,000 0.6% 東アジア・太平洋 1,200,000 0.1% ラテンアメリカ 1,500,000 0.6% カリブ海 440,000 2.4% 東ヨーロッパ・中央アジア 1,200,000 0.6% 西ヨーロッパ 570,000 0.3% 北米 980,000 0.6% 15,000 0.1% ーストラリア・ニュージーランド 合計 42,000,000人 1.2% 3 HIVによる世界への脅威 人 数 45,000,000 40,000,000 35,000,000 30,000,000 25,000,000 20,000,000 15,000,000 10,000,000 5,000,000 0 アジア本土 5,355,000人 (2.5%) 全世界 アフリカ アジア 北米 2001年 中国 600,000人 ヴェトナム130,000~200,000人 カンボジア170,000 (2.7%) インド 3,800,000人 タイ 755,000人 ミャンマー 180,000~400,000 (48,300,000人口) 4 将来の推定感染者数 単位:100万人 20 15 10 5 0 イ 単位:100万人 ン 2010年 ド 2002年 ナ イ ジ ェ リ ア エ チ オ ピ ア 中 国 ロ シ ア 5 HIV伝搬の経緯 I. II. 時間の流れに従った伝搬の経路 発見:1978年(フランスとアフリカ)⇒ 81年(北米)⇒ 全世界 (ただし、1950年代から存在していた?) 診療報告による地理的な広まり 1.中央・東アフリカ・カリブ海 ↓↓ 2.北米、ヨーロッパ ↓↓ 3.南アフリカ、南アメリカ、南アジア、東南アジア 診療が行われていない場所では、正式な情報も手に入 れない。 病院に行けない貧者も、私立のクリニックに行く患者も 数に加えられていない。 6 HIV/エイズ:事実と神話 HIVの基礎 ・HIVは伝染病。病原体はヒトT細胞白血病III型ウイルス。 ・HIVは人の免疫を弱めるウイルス。 免疫が弱ったら他の病気への抵抗力がなくなる。 ・HIVを治す療法はない。 患者の寿命を延ばせる療法はいくつかある。 ・「エイズ」という病気はない。 HIVの影響で免疫が弱って、他の病気で死ぬ。 この現象は「エイズ関連症」と呼ばれる。 ・HIVの伝搬は、血液から血液への伝搬である。 世界中の主なHIV伝搬・経路は性交渉である。 麻薬注射は第2伝搬となる 7 HIV/エイズと発展途上国: 伝統社会における構想 HIV/エイズとローカルコミュニティへのインパクト: 新たに必要となる支援・福祉 治療がないので、免疫を強める寿命を伸ばす方法 HIVで両親を亡くした子供への援助 HIVで成人の子供を亡くした老人への援助 薬が手に入れないところでの食事生活, 伝統的な薬草の使用 住民助け合いグループ 8 先進国と途上国の間のHIV・エイズ: 貧困と関係があるのか? 1. 2. 3. 4. 途上国の貧困者とHIV 移動する仕事が多い 性的慣行に関する情報は手に入れない 日雇い労働や季節労働で家族から離れる 近代化につれて、男女不平等(賃金差別、世帯 内役割分担)が生じている 9 発展途上国とHIVのリスク・ファクター ・ 貧困層とHIVのリスク・ファクター 1. 複数の性的相手をもつ慣行、特に同時に。 2. パートナーと、性的慣行について 話しができない 交渉できない 合意しない ために、セーフ・セックス(安全なセックス)が できない 3. よく移動する仕事・生活をもつ。これは、 貧困層の出稼ぎ労働と関わってくる。 10 HIVと開発: HIVリスク・高い感染率と貧困との関わりはどこにある? 近代開発と貧困化:自給持続可能な生活が困難になり、開発の ための道路建設など公共土木、プランテーション小作労働に依 存する。このような季節労働・移動労働の問題は ①所得が足りないが、他の選択肢がない ②家から離れた所に行くとHIVリスクが高まる 貧困のサイクル: 土地がない ⇒ 生産ができない ⇒ 貯金ができない ⇒ 子供の高等教育の学費を払えない ⇒ 小作農や出稼ぎ労働 しか選べない ⇒ 移動労働のリスクにさらされる ⇒ HIV ⇒ 医療コスト、失業コストなどで債務が蓄積していく 貧困層の中の「貧富」格差が広がる 11
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