2010慶應義塾大学 経済学部小論文問題解説 1.課題文分析 2.設問Aの分析と解答の考え方 3.設問Bの分析と解答の考え方 4.まとめ 1 1.課題文分析 (1)課題文のテーマ ・1行目に書いてある! 「環境問題の解決に市場のしくみを取り入 れた場合の有効性(設問A)と限界(設問B)」 ・課題文は13個の段落で構成 ※自習用に、番号をふってみてください! 2 1.課題文分析 (2)主要段落の要旨 ①汚染権市場、排出許容量の自由取引 ③企業は排出削減インセンティブ持たない ⑤排出許容量方式は効率的で低コスト ⑧政府は総量決定、削減量は市場が決定 →低コストでの削減目標達成(仕組みの 説明) ⑩競争的市場と同様に市場は情報を生成 ⑪市場が達成できること(⑤)を政府ができない 理由、重要な情報は局所的に保持、空欄 3 2.設問Aの分析と解答の考え方 (1)設問Aの分析 ・書くべきことは、設問に書いてある。 「その文章では、・・・後者(市場に委ねる 方式)の方がうまく機能する理由が述べ られている」 →うまく機能する理由を書けばよい。 (2)解答の考え方 ・「その際・・・」はヒント、乃至解答への導入 →官民情報格差(⑩、⑪)と、企業のイン センティブを書く(③)。結局コストと意欲! 4 3.設問Bの分析と解答の考え方 (1)設問Bの分析 ・市場による方法では解決困難な事例をあげ、理 由をつけて書く。 (2)解答の考え方 ・市場による方法の前提条件を考える(探す)→段 落⑧ →多数のプレイヤー(工場)が参加するケースで なければ、そもそも市場は形成されない! ・また、二酸化硫黄(段落⑥)より、もっと毒性の激 しいもの、取り返しのつかない負荷(核汚染、希少 生物保護等)に対しては強い規制が必要 →市場原理に馴染まず、政府の規制が必要! 5 4.まとめ (1)課題文の正確な理解が第一に必要 ・何について書いてあるのか。→リード文に注意 ・何を問題としているのか。 (2)訊かれたことに、真っ直ぐに答える。 ・本問については、あまり考え方のオリジナリティは 出しにくい。設問Bは「市場原理の前提」がポイント (3)たんたんと書いて、十分に合格点 (4)現代国語・小論文(過去問)、現代社会・世界史の 教科書読みが有効。余裕あれば時事用語も。 6
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