法規勉強会

EVに関する法規勉強会
2013.06.16
Agenda
1. これまでの勉強会の流れ
2. 業界の自主規制とは
3. 自動車製造販売で気をつけるべき法律
知的財産権制度
PL法
4. その他
5. 今後の法規勉強会の進め方
1. これまでの流れ

「メイカー」の立場の人・ベンチャーがEVを製造・販売する際には

道路運送車両法と、それに紐付く基準を守らなければならない。

法的拘束力はないものの、国や各省庁が出しているガイドラインにも従うべき。(今後法律
になる可能性があるor法律の曖昧な部分を解説している ため)
2.業界の自主規制とは(一部再掲)

自主規制とは
自主規制(じしゅきせい)とは、社会的に不具合が生じる恐れがある製品の生産者、サービスの提供者などが行う自
発的な制限のこと。

特徴

事故等で、業界全般での製品の安全基準が無いこと等が露呈すると、社会の批判や厳格な公的規制の制
定につながり、その結果、業界各社の活動停滞を招く恐れがある。自主規制はそれを防ぐための手段の一
つ。
(例:ソーシャルゲーム業界の自主規制 http://www.fujisan.co.jp/yomimono/articles/5200 )
大手、ベンチャーを問わず、車を販売する人達は自主規制を守る(世の中での評判、PL
法)。しかし、「個人で製作し個人で乗る」という人が自主規制を守らないことによって、
「個人・ベンチャーがEVを製作する」という流れが衰退することがないようにしなけれ
ばならない。

個人の活動のモラルをどう確保すべきかはMakeの活動全体でも論議になっているが、今のところ明確な解がない
状態。(参考: Youtubeにおける著作権の侵害)
3. 自動車製造販売で気をつけるべき法律
(1)知的財産権制度

知的財産権制度とは、知的創造活動によって生み出されたものを、創作した人の財産とし
て保護するための制度。(知的財産基本法において定義されている)
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?u
rl=/seido/s_gaiyou/chizai02.htm
個人・ベンチャーが自動車を製造・販売する際は、特許法、実用新案法、意匠法が関わっ
てくると思われる。
新しい意匠を作ったときは申請を行い、他者の意匠を使うときは許可が必要
3. 自動車製造販売で気をつけるべき法律
(1)知的財産権制度


知的財産権のうち、特許権、実用新案権、意匠権及び商標権の4つを「産業財産権」とい
い、特許庁が所管している。
これらの権利一覧については、特許電子図書館で検索することができる。
http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl
3. 自動車製造販売で気をつけるべき法律
(2)製造物責任法



製造物の欠陥により損害が生じた場合の製造業者等の損害賠償責任について定めた法
規のこと
条文一覧
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H06/H06HO085.html
公益財団法人自動車製造物責任相談センター(消費者向けの相談センター)
http://www.adr.or.jp/about/brief.html
大手メーカーでは専門の部署を設け、訴訟等に対応しているが、ベンチャーや個人単位では困
難。万一PL訴訟が発生し、敗訴した場合は、多額の賠償金を支払う必要がある。(特に北米)
⇒Maker的企業が、製造物責任の問題を起こさないようにどのように対応しているか?(次回)
4.その他

光岡自動車の事例

最初は「組立車」(自動車の製造を業とする者 以外が作る自動車、年間99台まで製造・販売が
可能)として生産を開始。

「自動車メーカー」として量産車を自動車メーカーとして自工会に登録するなどの暗黙の
ルールがあるらしい。
http://j-net21.smrj.go.jp/establish/sougyou/entry/993/20080618.html


電気自動車普及協議会では、ガイドライン作成に関わったり、ガイドラインに関する
セミナーを実施したりしている。
将来は、法律のアドバイス、法規適合実験設備のオープンソース化も必要?
6.16論議メモ





自分で作って個人的に使う人に法規、実験の必要性を自覚してもらわないと、個人で作る人が締め出
されてしまうことになる。しかし、実験設備などは大手メーカーの強みであり、一般に公開されてしまう
と大手メーカーが不利になる
テスラは大手メーカー側に入っている。Makers(車を作りたい、という思いでモノづくりをしている)とは
異なる。
Makerの実験設備等を支援する団体を作る、という方法は、ビジネス的な側面が強くなる。
衝突安全などの基準は、既存の車の形ありきで作られており、全く新しい形の車を作った場合、今ま
での車と同様の試験方法では検証しきれないのでは?
作る側が自分で安全性を保証すべきか、第三者に保証してもらうかの2択。実際はすべてを個人で保
証するのは難しいので、Wikiのように、ある程度まで統一化されたプラットフォーム(最低限これを満
たせばOKというもの)があるとMakersも参入しやすいのでは?

Makerが自分で何から何までやる、というのは、自動車では限界がある。

大手が支援すると言うのも手。

EV化で部品点数が少なくなると作りやすくなるのでは?カートをEV化する際に部品点数を比較しても
良いかも。
>>車以外のベンチャーでは安全性、法規適合性をどうやって保証しているか(個人or第三者)を調査す
る。(家電など)
4.今後の法規勉強会の進め方

次回に向けて

Maker的企業が、製造物責任の問題を起こさないようにどのように対応してい
るか

車以外のベンチャーでは安全性、法規適合性をどうやって保証しているか(個人or第
三者)を調査する。(家電など)
■論議

EVに限定しない。(EVは比較的自由度があるのでテーマとして扱っているが。。)

自由に個人がEV製作をするようになり、法規が未整備なのをいいことに勝手
な行動をし、EVのイメージ・信用が低下することを防ぐことが必要

個人・ベンチャーがクルマをつくり、個人で使う・販売するケースを考える。