第3回ML-ML大会(大阪・2001/5/19) 病診連携と医療の質の標準化 日本医療情報学会 井上通敏 産業経済省 先進的IT活用による医療を中心 としたネットワーク化推進事業 •約60億円 •約26地域(応募件数168) •医師会&中核病院 •電子カルテ&ネットワーク 1患者1ファイル(地域、生涯) 情報の共有ということ • 互いに診療内容を見せ合うこと →相互評価(Peer Review) • 診療の重複を避けること →医療費の節約 • 患者へのアカウンタビリテイ →情報の対称化 宗像市医師会病院 • • • • 宗像市ほか3町1村(福岡市と北九州市の間) 人口148,756人 15病院71診療所 宗像市医師会病院(地域医療支援病院) 紹介率 90% • 1地域1患者1電子カルテ(地域共有) • 医療情報開示と医療内容チェック機能 熊本市医師会 • 熊大病院、医師会病院、済生会熊本、 日赤健康管理セ、NTT西日本九州病院 • 22診療所 • 電子カルテ/ネットワーク/共有 • 退院時要約、紹介状、検査データ、画像 • レセコン 大阪千里国際情報事業財団 • 診療圏の広い基幹病院 阪大病院、市大病院、大医大病院 国立大阪病院 • 府下17診療所 • 診療所電子カルテ・レセコン/ASP • 地域医療連絡室IT化 紹介(情報提供書)・報告・逆紹介 • 検査・処方・画像<< トヨタ記念病院 • • • • • トヨタ病院と豊田加茂医師会 共有電子カルテ 救急医療情報/消防 Web利用 medDRA(ICH)採用/バーコード入力 電子カルテ -定義は困難、定義より意義- • 意義・目的は沢山ある • トータル電子カルテは考えないほうがよい • 目的を絞った電子カルテ • 進化しなければならない • 融合・統合して成長・発展 • 融合のための要件は? 電子カルテとは? (1) • 「電子」の意味 ● ● デイジタル化の意義 (アナログでは何も始まらない) コンピュータの制御機能 (診療プロセスの支援/制御) 電子カルテとは? (2) • 「カルテ」とは ● 1患者1ファイル(生涯、地域) ● 医療チームの共有 ● 地域医療で共有 ● 患者と共有 ● 社会の共有財産 (公益利用=医療評価・研究・教育) 電子カルテ ーいろいろな目的ー • • • • • • • • ペーパーレス 医療事務の効率化/レセコン 情報の共有/地域医療 病院管理 医療評価 品質管理/診療支援 臨床研究 国家的/地域的健康危機管理 電子カルテの要件 • 厚生省通達3条件(真正、保存、見読) • データの標準化 • 交換規約の標準化 • 個人情報保護への留意 • その他 医療は変らなければならない • 医療パターナリズムの終焉 • 医療の質 • 医療の効率 • 医学の発達 日本の病院医療の欠陥 - 規範が不在だった - • 長い在院日数、多い病床/少ない職員 • 外来診療依存、夜間休日診療の手薄 • 診療録管理の軽視 • 質を評価できない密室性 • 治験や臨床試験の遅れ • 教育機能の不備 • 安全管理の未熟さ 病院数 平均医療費の病院差(胃がん) 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 臨床研修指定46病院のデータ (医療研修推進財団による調査) 10 30 50 70 90 110 130 150 平均入院医療費(万円) 170 190 平均在院日数の病院差(胃がん) 6 5 病院数 4 3 2 1 0 平均在院日数 急性心筋梗塞在院日数のばらつき A病院 国立病院群26施設 A病院 16日 997例 B病院 0 在院日数 10 20 30 40 50 60 B病院 26日 0 C病院 0 10 20 30 40 50 10 20 30 40 50 60 60 C病院 30日 D病院 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 平均在院日数25.8日 D病院 35日 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 パターナリズム (野放し医療) キリ ピン 安い 早い 良い? 高い 遅い 悪い? 管理医療 (品質管理) (品質)管理医療 歴史の通過点? パターナリズム/講座閥医療/研究室医学 バラツキ ↓ 医療費高騰 EBM/パス法/DRG マニュアル医療、コンピュータ制御医療 遺伝子医療 ↓ 尊厳医療 パーソナル・メデイシン 厚労省医政局 保健医療情報システム検討会 • • • • • • • • 石川 准 井上通敏 大山永昭 開原成允 西島英利 樋口範雄 藤本利雄 細羽 実 静岡県立大学教授 日本医療情報学会 東京工業大学教授 MEDIS 日本医師会 東大法学部教授 JAHIS JIRA 医療のIT化 戦略的グランドデザイン • • • • • • • 情報化の理念と目的 具体的目標 目標を達成するための情報化の手段 解決すべき技術課題 5年後の数値目標 必要な投資 医療の情報化において配慮すべきこと 情報化の理念と目的 • 医療の質向上/安全性向上 • 医療の効率化 • 医療へのアクセシビリテイ • 臨床医学研究 医療の情報化 “影” • • • • • • 個人情報保護/情報システム防御 医師の意識改革(パターナリズムの終焉) 市場原理(医療機関の淘汰) 情報弱者対策 IT経費の負担者(政府/医療者/患者) 情報公開に伴う影 情報の信憑性 情報の公益利用 医療クレームの増加 情報弱者 • インターネットを使えない • 医療情報を理解できない • 自己決定できない 対策 ・ ・ ・ ・ >50% ? >70% ? >50% ? 家族・近隣で支援 かかりつけ医の支援 セカンド・オピニオン NPO(COML) 情報公開・情報開示の影 第3者機関の必要性 • 情報の精度や信憑性の担保 • 集積されたデータの保護と利用 • クレイムへの対応 IT化 5年後の目標? 1)品質管理 • 不正確な情報伝達に伴うインシデントを 1/3 • 未熟な判断による医療過誤を 1/2 • DRGごとの医療費の平均とバラツキを -15% 2)情報公開とアクセシビリテイ • ?% 国民がWebの医療情報にアクセス • ?% 国民がかかりつけ医と E-mail 交信 • ?% 診療所がインターネットで患者紹介 • ?% 初診患者がインターネットで病院を選択
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