5 監査員の力量と責任 6

ISO 9001内部品質監査
YONETO QM OFFICE
MAR 2015
講義内容
1
2
3
4
5
6
監査について
プロセスアプローチとプロセス監査
監査プログラムの管理
監査活動
監査員の力量と責任
結論
監査について
内部品質監査とは?
 以下のことを見定める目的で行う体系的で独立した調
査または審査である。
 クオリティ活動、およびその活動の結果が計画さ
れた手はずに適合しているかどうか?
 これらの手はずが効果的に実行され、目的を達成
するために適切であるかどうか?
内部監査の動機付け
 競争力をつける
 外部との競争ー低コストで高い価値の提供者でありたい
 内部での競争ー自社のシステムが効果的であることを検証
したい
 内外の環境や制約
 顧客から強いられる
 自社でも必要となる
 自社・業界の品質基準
 国家規制
 ならば、誰かに指摘される前に自分自身で自己保全を図るのが
賢明となる
内部監査の直接的な恩恵
 システムの強化により顧客の満足度を高める
 クオリティ活動の現況把握
 前向きで行動的になる
 どのプロセスを管理すべきか、あるいは何を測定
すべきか決定できることが多い
 経営者のニーズを充たす
 たとえば、むだの発見と排除によるコスト低減
監査員と監査の原則
• 監査人に関連する原則:
4.0
 倫理的な行動
 公平に表現
 専門的な配慮に基づく
• 監査に関連する原則:
 独立性
 証拠に基づく取組み
Note: reference to
ISO 19011:2002
Clause number
誰ができるか?

教育・訓練と資格認定された社員

会社の代理人として外部に委託した専門家でも
よしとされる
今日の養成セミナー受講者は内部監査員として任命される
内部品質監査のかたち
 システム監査(導入初期、あるいは、年一回)
 国際規格に対する適合性
 品質マネジメントシステムの順守状況の監査
 プロセス監査

プロセス監査を重点的に説明する
特定の事象あるいは業務が効果的に運営されている
かを調べる
 フォローアップ監査
 是正処置の確認のための監査
セミナーの終わりに説明する
プロセスアプローチと
プロセス監査
品質マネジメントシステムとプロセスアプローチ
• ISO 9001:2008:
プロセスに適用可能なPDCAサイクルに基づい
ている
PDCAサイクルをQMSを実施し、運用し、監視
し、実行し、維持し、その効果を向上させるた
めに適用している。
• ISO 19011:2012 は、プロセス監査を明示してはい
品質マネジメントの原則に基づく
ないが、すべてのマネジメントシステム監査に対
しての活用することを記述している。
監査についての規格
ISO19011:2012
http://kikakurui.com/q/Q19011-2012-01.html
ダウンロードして復習するとよい
プロセスアプローチ
品質マネジメント原則(ISO9001:2015付属書B)
4-プロセスアプローチ
活動が、首尾一貫したシステムとして機能する相互に関連するプ
ロセスが理解され運用されたときに、一貫性があり予測可能な結
果が、より効果的で効率的に達成される。
論理的な根拠
品質マネジメントシステムは、相互に関連するプロセスによって
構成されている。すべてのプロセス、資源、管理および相互作用
を含め、このシステムによってどのように結果が生み出されるか
を理解することによって、組織はそのパーフォマンスを最適化す
ることができる。
品質マネジメントシステム
品質マネージメント・システムの
継続的改善
経営者の責任
Clause 5
顧客
要求事項
資源の運営管理Clause Clause
6
インプッ
ト
8
顧客
測定、分析
Clause
7
製品実
現
満足
および改善
アウトプット
製品
価値を付加する活動
情報
顧客の要求を満たすことを原則とするシステムモデル
荷主だけでなく消費者の満足向上を目指す継続的改善が大切
業務プロセスの改善
内部監査はPDCAサイクルを回すために行われる
プロセスの改善のため
にPDCAサイクルを
成果
QMS
品質目標
目標に対して測定・モニタリング
望ましい結果を得るために
プロセスを改善し、必要ならQMSも
現状の実績
プロセス監査アプローチの対象
個別プロセス:
• インプット/アウトプット/付加価値活動(業務プロセス)
• Plan-Do-Check-Act(改善活動)
• 従業員、設備などの資源(経営トップの活動)
他のプロセスとの関係:
• 流れ/結果/リンク/組み合わせ
• 相互関係/コミュニケーション
• 証拠としての記録
• 顧客と供給者との契約
多様なプロセスの組み合わせが対象になる
プロセス監査の事例
どこで?
誰と?
•
•
•
受注業務
顧客
ベテランの販売員
インプット
•
•
アウトプット
顧客の要求事項
販売員
契約内容の確認
• 生産/サービスの提
供
• 出荷
どのような結果か?
いかに行われたか?
•
•
•
•
IT システム
業務手順
契約条件
契約内容の確認手順
•
•
•
•
受注業務の時間
受注数量又は注文
受注金額
契約の正確さ
プロセス監査の基本
 何をみるか?
 プロセスの段階
 プロセスのインプット
 プロセスからのアウトプット
 何をみつけるか?
 品質マニュアルでの要求事項を充たしているか?
 それが有効なアプローチか?
経営者の委託を受けて
企業の業績を向上させるための余地はどこかを見つける
監査は重要な活動であると認識し、
監査員には実力が求められる
監査員の力量と責任
監査員の力量
• 監査員の力量は、次のことに依存する:
好ましい個人的な特性
知識や技能の応用力
• 力量は発達させ、維持され、向上されなければならない
7.1
監査員の力量
個人の特性
幹部候補生
倫理的
自立して
いる
個人の特性
オープン
マインド
決断力
がある
外交的
粘り強い
観察が鋭い
多様な才能
洞察力が
ある
7.2
監査員の力量
一般的な知識と技能
監査員の技能と力量には次のことを含められる:
• 監査の原則、手順および技能
• マネジメントシステムと参照文書
• 組織の状況
• 法律、規制、およびその他の要求事項
7.3.1
監査員の力量
特殊な知識と技能
Specific Knowledge and skills
監査員に求められる特殊な知識と技能には、
次のことが含められる:
• 品質管理の手法と技能
• 品質関連の用語
• 品質管理の道具とその活用
• 監査される部門・部署に特定した工程と製品とサービス
7.3.3
監査員の責任
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
時間どおりに到着
秘密を守る
客観的かつ倫理的であること
監査チームとチームリーダーを助ける
作業文書を企画し準備する
監査プロセスを被監査者に伝える
すべての観察事項を文書化し根拠を残す
被監査者に知らせる
すべての文書を保護する
監査報告書を作成する
決して容易な業務ではないと覚悟を
日本人は慣れないかも知れないが、なーなーはだめ!
監査プログラムの管理
監査プログラムの管理の流れ
PLAN
DO
CHECK
実施
モニター &
見直し
ACT
承認
確定
• 目的
• 程度
• 役割
• 資源
• 手順
• 監査スケジュール
• 評価
• 監査員
• チームの選択
• 監査活動
• 記録の維持
監査員の力量
と評価
• モニター
• レビュー
• 是正処置の必要性を確定
• 改善余地の明確化
特殊の監査活動
改善
5.1
監査プログラム
• トップマネジメントは、次のために監査プログラムに対する責任を
定め、承認しなければならない:
 監査プログラムを実行し、レビューし、改善する
 必要となる資源を特定し、それらが提供されることを確実にす
る
• 組織は監査プログラムの手順を定めなければならない
• プログラムは組織の管理責任者によって管理されなければならない
• 監査プログラムをモニターし、レビューするために適切な記録を維
持しなければならない
内部監査年間計画の作成
手順
管理責任者
内部監査員の選定
訓練が必要か
?
管理責任者
YES
訓練の実施
NO
監査対象部門の決定と
監査スケジュールの作
成
監査チェックリストの
作成
監査の実施
監査報告書の作成
不適合内容の決定と
是正処置要求書の作
成
YES
不適合?
管理責任者
監査チーム
監査チーム
監査チーム
NO
報告書の配布
管理責任者
管理責任者
是正処置の策定と実
施
実施された是正処置
の検証
監査チーム
担当部門
NO
効果的?
YES
是正処置要求書のク
ローズ
管理責任者
監査目的を明確に
 以下の自己疑問に答えるとよい
 なぜ監査をするのか?例:問題が多いからか?
 どのタイプの監査を実行すれば一番よいか?
システム
プロセス
フォローアップ
 マネジメントや管理責任者は何を期待しているか?
内部監査の年間スケジュール
監査活動の開始
監査活動の開始
監査の開始には以下のことが含まれる:
• 監査チームのリーダーを任命する
• 監査目的、適用範囲、判断基準を明確にする
• 監査の実現可能性を決定する
• 監査チームを選別する
• 被監査者との最初の打ち合わせを連絡する
6.2
監査目的、範囲、基準の明確化
監査目的には次のことを含めることができる:
• 被監査者のQMSが監査基準に照らしてどの程度適合しているか
を決める
• 法令、規制および契約面での要求事項を確実に遵守するために
QMSの能力が足りているかを評価する
• 組織の目的を満たすためにQMSの効果が出ているかを評価する
• 改善する必要のある分野を特定する
6.2.2
監査チームの選定
チームの規模と力量を決めるために、次のことを考慮する:
• 監査目的、適用範囲、判断基準および持続期間
• 合同で監査ができるかどうか
• 目的を満たすためのチームの力量
• 法令、規制、契約上、および認定/認証上の要求事項は何か
• チームの独立性
6.2.4
監査計画
•
•
•
•
•
•
•
•
監査目的の決定
特殊な要求事項を特定する
監査時間と必要な資源を決める
チームを選択する
被監査者に連絡し、実施日に同意を得る
監査計画を書き上げる
チームに説明する
書類を準備する
文書のレビュー
文書のレビューは、:
• レビューの延期が監査の実効性を損なわ
ない場合を除き、現場での監査活動に先
立って行われるべきである
• 関連するQMS文書、記録、および以前の
監査報告書を含むことができる
• 予備としての現場訪問を含めることがで
きる
6.3
作業文書の準備
• 作業文書を準備する
• 参照として、また監査行為を記録するために使用します
• チェックリスト、サンプリングの計画や書式、ISO 9001規格
などを含める
• 監査中に収集された情報に起因する変更を行うことができる
ように柔軟なチェックリストを作成する
• 機密および個人情報を保護する
• 作業文書と記録を保持する
チェックリストの利点
 監査目的が明確にできる
 監査の作業を減らし時間を予測できる
 次回監査への継続性を持たせることができる
 監査員の思い込みを減らせる
 監査時のサンプリングの記録ができる
 監査員の質問やポイントが事前に用意できる
作成のポイント
 監査の方針を決めておく
 品質マニュアルから監査部門の業務フロー図を作成する
 業務フロー図から業務の流れが不明な箇所、部門間の業務の
つながりが不明確なところで何を確認するかを整理する
 一つのプロセスに多くの工程が重なっている箇所を重点
的に
 過去に不適合が多発している箇所はどこかを調べておく
 規格の要求事項を厳守する上ではずせない箇所(例、校正の
実施)
チェックリストの事例
審査員
チェックリストー機能:顧客関連プロセ
ス
作成日
審査日
コメント
被審査者
プロセス段階
顧客・営業゙
要求事項/チェックリスト質問
品質マニュアル「見込み生産」
、「生産計画のシステム」の運営
営業部長
生産計画要求書の作成
工場管理課
長
先月と先々月の「3ヶ月計画書」
を提示をしてもらう
生産計画書は、何をもとに作成し
たか、そのときの関連資料を提示
してもいらう
在庫管理表
3ヶ月生産計画書
関連資料と3ヶ月生産計画、在
庫管理表との関連を説明を受け、
そのとおりになっていうるかを確
認する
課員
合同会議での確認
生産計画書
合同会議で決まった内容が、最終
的に作成された生産計画と一致し
ているかを確認する
参照
文書
定
義
実
施
効
果
作成のための情報源
 国際規格ISO9001
 組織の方針
 プロセスの記述やフロー図
 全社目標と部門別目標
 品質マニュアル
 顧客の情報
 前回の監査記録
 不適合報告書など
作成の際の心掛け
 簡潔をもっとうにする
 ビジネス上のニーズを理解し、それを反映させる
 業務活動とそのプロセスを反映させる
 サンプリングする活動、製品、作業を決定する
 サンプリングにはできるだけ代表的なものを選ぶ
 質問の流れを計画し、ポイントを明確に
ワークショップ
1
チェックリストの作成
70分
課題:品質目標
継続的改善
資料:配布資料
チームリーダーはチェックリストの発表
現場での監査の実施
現場での監査活動のまとめ
•
•
•
•
•
•
オープニング会議を開催、ただし、大規模な場合のみ
複数の監査員の場合、参加者の役割と責任を説明
情報を収集し、システムが作動しているかを検証する
監査の観察事項を生成する
監査結果を準備する
クロージング会議を実施
6.5
監査プロセス
情報の収集と検証
• 次のことに関する情報を収集する:
監査目的、適用範囲および基準
職務、活動とプロセス間のインタフェース
• 適切なサンプリングによって監査証拠を収集し、システム
が作動しているかを検証する
• 監査のためのサンプリングには限界があることに気づくべ
きである
• 監査証拠として検証された情報のみを使って結論を出すべ
きである
6.5.4
着眼点



プロセスとプロセスのインターフェース
 何に基づいて仕事をし、仕事の結果はどの仕事につながっ
ているか?
 仕事を依頼する立場と依頼される立場の認識の違いはない
か?
規格に基づくシステムやプロセスと実態が異なっていないか
方針への適合性
 方針の認識は正しいか?
 方針から逸脱していないか?
情報の収集と検証
 各人の質問に対する受け止め方は異なるので、インタビュ
ーでの受けお答えは必ずしも事実ではない。だから、だれ
か別の人、もしくは文書によって情報を確認する必要があ
る
 事実かどうかを確かめるのは;
 二人の異なった監査員が同意する
 二つの違う記録が一致する
 二つの異なったインタビューで同じ答えだった
 質量ともに物理的もしくは論理的に結論が合致したか
を確かめる
サンプリング
 時間に制約された監査で事実を見つけるための手段の一つ
 ある程度の推定や予測でサンプルを決める
 ある事実を見つけるためのサンプル
 相手が提出し、受け入れてよいと判断されるサンプル
 どこで?
 職場で重要な業務をしているところ
 忙しくてストレスの高い職場・業務
 いくつ?
 議論や検討できる程度。決められない。
効果的なインタビューのしかた
 気楽にさせる
 監査員の存在は脅迫
 監査員が何を知りたいかを説明する
 監査する業務の専門家ではないと気づかせる
 適切な質問方法を用いる
 自由に回答できる質問をする
 誘導的な質問は避ける
 意味深長な沈黙を利用する
 「なぜ」を五回繰り返す
 5W・Howで質問する
 自分が話をした時間の2倍相手から聞く
質問のコツ
チェックリストに基づいて5W1Hで質問する
 同一の質問をいろいろな人にする
• 相手が話しているときに中断や遮ることを避ける
 「見せてください」、「教えてください」を使う
 相手の説明・返答をサンプリングした証拠書類で確認する
 質問に違った答えが返ってきたなら、相手が分かり易い言葉で質
問を繰り返す
• でまかせの発言や恩着せがましい発言を避ける
 よい点があったらほめる

プロセス監査の質問例
 あなたの部門の業務の内容を示すプロセスフローを説明してください。
 何がプロセスのインプットに相当する要求事項ですか?
 何がプロセスの結果に相当するのですか?
 結果の目標または良否を判断する基準は何ですか?
 その結果を得るためにどのような管理を行っているのですか?
 効果を測定したりモニタリングするためにどのようなデータを収集し分析され
ているのですか?
 どのような文書の作成が求められているのですか?
 文書はどのように管理していますか?
 記録に属する文書はどのように作成し維持管理していますか?
 記録はどのように管理していますか?保存期間は?廃棄すべき記録を誰が承認
しどのように行っていますか?
 なくてもよいのですが、あなたの部門の業務手順は作られていますか?
 あるならば、どのよう管理していますか?
 資源の必要度をどのように決めていますか?
 要員の能力をどのような方法で決めていますか?
 要員の能力を充足させるにはどのようなトレーニングや処置を講じていますか
?
 講じられた処置やトレーニングの効果をどのように評価されていますか?
 講じられた処置やトレーニングに対してどのような記録を作られていますか?
インタービュー時の注意点





不適合状態、潜在的問題とともによい点などのメモをとる
監査が表面的なことだけに関わったり、連続性を失ったりしない
ように注意する
文書に承認印がないとわかったとたん文書管理に一転するなど
たまたま適正に運営されていなかったのか、システムそのものが
確立されていなかったのかを決定するためには、サンプル数を増
やすことも
口頭での情報は、責任者や関係者で確認する
システム全体を視野に入れて評価し、改善の余地やアイデアを積
極的に提案する
不適合
不適合の定義
6.5.5
• ある特定の要求事項に対し次のように不充足であること:
 あることを実行していない
 部分的に実行している
 間違った方法で実行している
• 特定された要求事項とは次のいずれか:
 顧客との契約条件
 品質規格 (ISO 9001:2008)
 品質マネジメントシステム
 法令、もしくは規制上の要求事項
不適合の種類





品質システムに対する重大な不適合(MAJOR)
ささいな不適合が多く、全体で考えるとシステムを崩壊さ
せる可能性のあるもの(MAJOR)
注意ですむ、ささいな一つの不適合(MINOR)
観察事項(Observation)
推奨事項(Recommendation)
不適合の取扱い上の注意点

重大な問題か、ささいなものか判断する

監査結果を裏付ける十分な証拠があるか

不適合に対する是正処置が考えられるか

監査終了までに直すことができれば不適合にしない

観察事項と推奨事項と区別する
事実を立証する
監査プロセスでの判定
• 監査は適合性と有効性に焦点を当てて、不適合を探すことに重
点を置くことがあってはならない
• 「犯人さがし」はしない
• 監査証拠が不十分である場合には、被監査者は無罪であるとさ
れねばらない。「疑わしくは罰せず」を徹底する。
不適合とは?
 品質マニュアルと管理規定で要求されていることを
守っていないことを示す客観的な証拠がある場合を
不適合とする

「守らない」と「間違い」を区別する
不適合の取扱い上の注意





重大な問題か、ささいなものか判断する
監査結果を裏付ける十分な証拠があるか
不適合に対する是正処置が考えられるか
監査終了までに直すことができれば不適合にしない
観察事項と推奨事項と区別する
不適合の記録のしかた
 不適合の発見
 責任者に連絡した上で、
 事実を確認する
 事実を客観的事実としてメモする
 是正処置要求書を発行する
是正処置要求書の注意点
 不適合の内容は、当時の状況を後で読んでも分かる様に
 とはいっても、簡単明瞭に
 指摘事項の根拠となる規格、品質マニュアルや管理規定
の要求事項も
 必要なる場合、責任者の説明内容も
 是正の処置内容を直接的に示唆することは禁止
 被監査側が再発防止を考え出させるように、具体的に記
述する
記載事例
 悪い記載
 よい記載
 製品A組み立てラインに
 品質マニュアル「4.
おいて、適切な文書が
3文書管理」では、「
使用されていなかった
・・・適切な文書の適
 QMでは、適切な文書と
切な版を使用する」こ
とになっているが、製
版を使用することとな
品A組み立てラインのヘ
っているが、製品A組み
ッド組付工程で、QC工
立てラインのヘッド組
程図(QC-1111)の旧版
付工程で、QC工程図の
(QC-1100)のコピー
旧版コピーが使用され
が使用されていた
ていた
是正処置の取扱いの注意点
 是正処置の必要性を被監査者に指摘するだけで、是
正処置を決めるのは被監査者である
 是正処置に関する手順に従って処理されるように、
被監査者に指示する。その場で適当に処置させない
。
監査員は、是正処置は勿論、ヒントも与えてはならない
ワークショップ2
不適合の判定
75分
配布資料
チームリーダーは判定結果を発表
監査観察事項の作成
6.5.5
• 観察事項を生成するために監査証拠を監査基準に
対して評価する
• 観察事項が、適合であるか、不適合であるか、あ
るいは改善の機会のいずれであるかを指摘する
• 監査チームは会合して観察事項をレビューする
• 監査計画によって求められているように、補助的
な証拠と共に適合性を場所、分野、もしくはプロ
セス毎に特定するか、あるいは要約する
監査観察事項の作成
6.5.5
• 不適合の観察事項と支持する証拠を記録する
• 正確さと理解できることについて不適合に対する被監査者の認
識を得る
• 努力を重ねて意見の相違を解決する
• 未解決の問題は記録に残す
不適合 - マイナー
• ある要求事項に適合してはいないが、(判断と経験に基づいて)
QMSの欠陥を生むことはないと判断できる不履行
• 単独に観測された過失や孤立した出来事
• 不適合な製品またはサービスによる最小のリスク
• 事例:
内部監査プログラムでの2ヶ月の過失
訓練記録が入手できない
前回の監査結果に基づくシステム改善のためのアクションが摂
られていない
不適合 - メジャー
• 要求事項を満たすためのシステムの不在もしくは全体的な破
壌
• 同じ条項もしくは要求事項に関連したマイナーな不適合が多
数にのぼる
• 経験と判断によってQMSに欠陥を生じさせる、あるいはプ
ロセスと製品の管理を確実にするための組織の能力を大きく
減衰させる不適合
不適合 - メジャーの事例
• 規格が要求している手順書が文書化されて
いない
• 文書変更が承認なくたびたび行われている
• 品質マネジメントシステムへの認識を高め
るプログラムが存在しない
• 内部監査の計画がない
• 適用範囲が不十分
• 生産工程で見つかった軽微な不適合が多数
ある
監査報告書作成
監査報告書の作成
 監査後の打合せを持ち、チームの結論を出す
 被監査部門と監査結果を報告するミーティングを持つ
のが望ましいが、なくてもよい
 不適合があれば、是正処置要求書を必ず作成する
 不適合に対して被監査者、もしくはその責任者の同意
を得る
 すべての報告書は、マネジメントレビューの資料にな
ることに留意すること
内部品質監査報告書
 監査の目的と適用範囲(例:部門の業務)
 参加者の氏名
 国際規格のような監査に参照した情報
 監査結果の要約
 重要度にしたがって明らかにされた弱点
 主任監査員の署名と日付
不適合
観察事項
推奨事項
内部品質監査報告書
後で読んでも分かる
ように詳しく。
リードシートの補足
した内容に
監査の結論を準備
監査チームは最終会議に先立って次のことを討議する
:
• 監査計画のスケジュール
• クロージング会議の準備をする
• 準備の目的は次のことである:
 監査観察事項とその他の情報をレビューする
 監査結果に同意する
• 監査報告書と推奨事項を作成する
• 必要ならば、フォローアップ監査について討議する
6.5.6
監査報告書
配布
•
•
•
•
•
•
合意された期日内に発行
遅延したならば、理由を提示し新規発行日に
合意する
報告書は、手順書に基づいて日付され、レビ
ューされ承認される
監査依頼人によって指定された受信者に配布
する
報告書は監査依頼人の所有物である
受信者と監査チームは、レポートの機密性を
尊重しなければならない
6.6.1
監査の終了
6.7
•
•
•
すべての監査活動が終了し、監査報告書が配布されたとき
に監査は終了する
監査の文書、情報、および報告書の機密を保持する
監査情報の公開が求められた場合には、できうる限る早く
監査依頼人と被監査者に通知する
クロージング会議
•
•
•
•
•
•
監査観察事項と結論を表明するためにクロージング会議を行
う
監査中に遭遇した監査の結論への依存度を減少させることが
できる状況を報告する
監査観察事項や結論について異論があれば議論し解決を図る
もし解決できない場合には、記録を残す
監査の目的によって特定された改善のための勧告を提供する
議事録と出席者の記録を残す
クロージング会議は、内部監査の場合には通常は非公式に行
われる
6.5.7
フォローアップ監査
フォローアップ監査

是正処置を要求したら、何らかのフォローアップをする
。ただし、簡単な確認だけでよい

監査員が処置の実施完了を確認し、是正処置要求書を必
ずクローズする
まとめ
避けるべき監査の落とし穴







不適切な計画と事前準備
監査先への事前通知・コミュニケーションの欠落
適用範囲(例:部門や業務)が明快にされていない
不適切な国際規格の知識
適切に訓練された監査員がいない
是正処置の対策を評価するときに指令や指示を与える
実施された是正処置の再評価を不履行
典型的な監査活動
監査の開始
文書のレビュー
現場での監査の準備
現場での監査の実施
監査報告書の作成、承認、配布
監査の完成
監査フォローアップの実施
ありがとうございました