関西空港周辺海域での バイオテレメトリーによる魚類の行動測定Ⅲ コード化ピンガ―によるスズキの追跡 平岡修宜1・荒井修亮2 ・中村憲司3 ・坂本 亘4 ・ 三田村啓理2 ・光永 靖5 ・米田佳弘6 1.京大農 2.京大院情報 3.シャトー海洋調査 4.京大院農 5.近大農 6.大阪府水産課 スズキ Lateolabrax japonicus ・関西空港周辺海域 において最大級の魚種 ・食物網の上位種 生態系、食物網の解明 遊泳能力が 非常に高い ※長期間、継続した 行動測定はない。 目的 関西空港護岸域における スズキの分布・行動測定 ・バイオテレメトリー ピンガ―装着実験 妥当性の検証 ・行動と環境の変化との関係 潮汐、気象 ・関西空港護岸域の役割 装着実験(長期) ストレスの指標:体重の変化 変化率(%)=測定体重/前回の測定体重×100 ( % ) 長期測定( 9/9~10/22) における体重の変化 110 装着 n=5 105 非装着 n=5 100 95 90 85 0 1 2 3 4 5 6 週間 装着実験(短期) (% ) 短期測定(11/3~10)における体重の変化 102 装着 n=3 100 非装着 n=3 98 96 94 0 1 2 3 4 5 6 7 日数 実験の概要 採捕・放流場所 ・ ・ ・ ・ 第1回放流(8/30) n=9 体長 522±53mm 体重 1.4±0.7kg ・ ・ ・ ・ 測定範囲 ・ ・ 第2回放流(11/16) n=11 体長 573±100mm 体重 1.7±0.9kg 結果 受信範囲内 第1回放流 9個体 第2回放流 11個体 4個体 1週間後 6個体 長期間、継続して記録 受信範囲外へと出た個体 継続した記録 無し 再確認 (短期間) 第1回放流 1個体 1ヵ月後 第2回放流 1個体 1ヵ月後 1個体 2ヵ月後 生活域 関西空港 護岸域が中心 広範囲な生活 域 受信範囲内での1日あたりの確認個体数 複数個体の沖合への移動沖合への移動 5 個体数 ( n=4) 4 3 2 1 0 9/1 9/11 9/21 10/1 10/11 10/21 10/31 11/10 日付 沖合への移動と潮汐の関係 潮位 (cm) 潮の動きが小さく、緩やかなときに 沖へ出る傾向 個体数 30 5 4 25 3 20 2 15 1 10 0 9/1 9/11 9/21 10/1 10/11 10/21 10/31 11/10 潮汐以外に起因する行動 受信範囲内での1日あたりの確認個体数( n=10 ) 個体数 11 10 9 8 7 6 5 4 3 小潮 大潮⇒中潮 11/16 11/26 12/6 12/16 12/26 1/5 1/15 1/25 日付 気温の変化と行動 11 個体数 最低気温 12 (℃) 10 10 9 8 8 6 7 4 6 5 4 3 11/16 2 3.3→-0.8℃ 0 -2 12/1 12/16 12/31 1/15 1 / 3 0 日付 気象と行動との関係 10 最低気温 個体数 (℃) 5 9 4 8 7 6 3 低気圧の通過 2 6 1 5 0 4 -1 3 -2 12/25 12/28 12/31 低気圧(伏見, 1974) 寒波 1/3 1/6 産卵 1/9 日付 まとめ ・手法の妥当性 2日目以降に著しい変化はない 放流実験において、妥当である ・行動の中心 護岸域 沖合 ・環境と行動との関係 潮汐との関係:小潮時に沖へ移動 気象との関係:低気圧、寒波に誘発された産卵行動 考察 関西空港護岸域の役割 ・生息場、餌料場 ・休息場 ・産卵までの成熟を行う場所 生活パターンの違いによる 機能の多様性
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